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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

言葉

2008年04月17日 | 日々のあれこれ
 西部地区吹奏楽連盟の総会にでかけた。役員改選などのあと、中学校の先生は、もうコンクールの抽選。高校の教員はしばらく休憩になったので、ミューズのチケットカウンターに行ってみる。心ひかれるコンサートがあるものの、そういうのにかぎって忙しそうな時期なので、買わなかった。「まず遊びの予定を入れてしまおう」と書いてある仕事術の本もあり、実践したこともあるが、その遊びが近づいてくると、とんでも忙しくなって、「おれはなんでこんな思いをしてまで落語に行くのか」などと思ってしまったようなこともあったり、あげくのはてに行けなかったりしたこともあって、あまり先のチケットをむやみに購入するのはひかえるようにしている。ただし、そうすると、人気のある公演のチケットは手にはいらないというジレンマもおこるのだが、それはしかたない。
 その後、敷島中学校の大島先生による指導者講習会があった。吹奏楽不毛の地(なんて言っていいのかな)山梨県から、唯一何回も全国大会に出場している中学校の先生である。
 大島先生自身「練習方法はありふれたものです」とおっしゃっていたが、たしかにはじめてきく特別な練習方法といった内容ではない。それを徹底して日常化するシステムをつくりあげていることが大事なのだと気づいた。
 途中ビデオで練習風景を見せていただいた。生徒による基礎合奏では、上級生が二人ずつ交代で前に立って、いろいろな点を注意する。「アタックをきれいに」「低音の人はもっとささえて」「第3音のピッチに気をつけて」というように。
 大島先生は、このときに発せられた言葉を、自分の日頃の指導の姿だと分析する。生徒は、顧問が日頃口にしているレベルで音楽を聴くということだ。
 たしかに普段から「音程をあわせよう」と気にしてないと、つまり指導者が言ってないと、生徒はそれを気にしない。「音程」という言葉が発せられないバンドは音程はあわない。
 「ハーモニーの第3音は少し低めだときれいに響く」ということを、昔知らなかったから、当然バンドもそんなことを意識してなかった。顧問が「フレーズ」という言葉を知ってはじめて、部員にもフレージングという意識が生まれる。
 言葉が現実をつくるのだ。おお、これは言語学でいう言語論的展開ではないか。まず現実があるのではない。言葉ができることによってはじめてその言葉に対応する現実が生まれる。池田晶子先生の「言葉の力」(中3の教科書に載ってます)を読み直してみようかと思った講習会だった。 
コメント
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