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Nuits St George Le Clos des Corvees Domaine Prieure Roch 1999

2013-04-12 00:00:00 | フランス・ブルゴーニュ
Nuits St George Le Clos des Corvees Domaine Prieure Roch 1999
Nuits St George Le Clos des Corvees Domaine Prieure Roch 1999
ドメーヌ・プリューレ・ロック
Domaine Prieure Roch

当主のアンリ・フレデリック・ロックは言わずと知れたドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者の一人だ。母親がルロワ家の生まれで兄の突然の死もあり、おそらく期せずして、世界中の造り手やワインファンの敬意を集めるこの超名門の顔となったのだろう。
この世界で最も失敗の許されないドメーヌの仕事にはストレスも多かろう。そのせいか彼自身のドメーヌ「プリューレ・ロック」での彼は伸び伸びとしていて楽しそうだ。ドメーヌ内の雰囲気は非常に家族的で、ワインには力みや、よい意味で緊張感が無い。それはもちろん、いわゆる自然派といわれるワイン造りに対する考え方によるところも大きい。

現在造りを任されているのはヤニックという若くて働き者のナイスガイだ。パリ出身! でワインの勉強もしたことがないという。それでもこのドメーヌで経験を重ね、難しい年の続いたここ数年も安定した出来に仕上げ、全幅の信頼を得ている。

ひとつだけテクニカルなことに触れさせていただく。プリューレ・ロックのワインは一切シャプタリゼーション(補糖)を行っていない。北の産地であるブルゴーニュでは補糖によりアルコール度数を上げることは多くの造り手が行っていることだが、このドメーヌでは夏の涼しい年であっても、その年の姿をそのまま表現することにこだわる。
淡い色合いや軽やかなタッチはワイン業界の常識やグローバリゼーションに反旗を翻しているかのようだ。しかしそれこそがブルゴーニュなのだ。朝に試飲しても身体に優しく染み込んでくる。その優しさはシャイで柔和なロックの笑顔のようでもある。

★ドメーヌの歴史
アンリ・フレデリック・ロック氏が1988年に創立したドメーヌ。ラルー・ビーズ・ルロワ女史の甥にあたり、現在ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者も務めています。 古文書を研究し、700年以上前にシトー派の修道士が行っていたブドウ栽培・醸造方法を復活させ、実行しています。ロック氏曰く「これは微生物を活性化させることにより肥沃な土壌を維持し、宇宙の摂理と調和を目指した栽培方法である」 ラベルに描かれているロゴはエジプトにある古文書に由来しています。左側の緑色の包丁を立てたような模様はブドウの樹、下に描かれている3つの赤い丸はブドウの実、右上の黄色い楕円は神、右下の黄色い楕円は人を表していて、自然(神)と人間の両方によってワインを造り出すという彼の考えが表れています。

★栽培
ニュイ・サン・ジョルジュとヴォーヌ・ロマネに合わせて11ha所有し、ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・デ・コルヴェとヴォーヌ・ロマネ・クロ・ゴワイヨットはプリューレ・ロックのモノポール(単独所有)畑です。ビオロジック(Triple "A"所属)。 除草剤などの農薬や化学肥料は一切用いず、必要に応じて有機肥料(ブドウの樹と自らのワインを発酵した時の搾りカス、牛糞などを寝かせたもの)を最低限用いています。また、草取りや収穫などは機械に頼らず、人の手によって行われています。

★醸造
収穫したブドウは丁寧に選果した後に、房をそのまま丸ごと発酵槽に入れています。発酵は木樽を使いすべて野生酵母のみを用いて行っています。また、醸しは今なお人の足でブドウを潰して行うという古来のワイン造りにこだわり、滓引きもせずノン・フィルターで瓶詰めしています。 熟成に使用する樽の材木は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ コンティ社が50年以上も前に伐採前の樹を買い付けてあったものを共同で使用しています。

ミランダージュをおこしたブドウの果実のみから造られる
ドメーヌ・プリューレ・ロック
 ニュイ・サン・ジョルジュ・1er・クロ・デ・コルヴェ [1999]750ml

蔵出しワインのバックヴィンテージが幸運にも入荷してきました。
このドメーヌが単独で所有する畑「クロ・デ・コルヴェ」。このキュヴェは最初の収穫で厳しく選りすぐられた、ミランダージュ(結実不良。実が小さく、より糖度とアロマが凝縮した果実)をおこしたブドウの果実のみから造られます。
ウメムラより)




Domaine Prieure Roch
ドメーヌ・プリューレ・ロック
フランス:ブルゴーニュ
http://www.domaine-prieure-roch.fr/
テロワールを尊重した端正なワイン
 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)の共同経営者アンリ・フレデリック・ロック氏が1988年から始めたドメーヌです。ロック氏はアンリ・ルロワの長女ポリーヌの次男(ラルー・ビーズ・ルロワの甥)にあたり、1992年ビーズ・ルロワがDRCの共同経営者から退いた後、長男シャル・ルロックの死去に伴いDRCの共同経営者となります。当初ドメーヌは1988年にヴォーヌ・ロマネに設立されましたが、1989年にニュイ・サン・ジョルジュの街中に醸造設備を備えたドメーヌを、プレモーに樽貯蔵庫を持てます。

 ロック氏は古文書を研究し、700年以上前にシトー派の修道士が行っていたブドウ栽培・醸造方法を復活させ、今ではビオ系ワインの代表格の一人となっています。ロック氏曰く、「これは微生物を活性化させることにより肥沃な土壌を維持し、宇宙の摂理と調和を目指した栽培方法である」



 ラベルに描かれた独特のロゴはエジプトのある古文書に由来している。左側にある緑色の包丁を立てたような模様はブドウの樹、下に描かれた不揃いの三つの赤い丸はブドウの実、右上の黄色い楕円は神、そしてその下の黄色い楕円は人を表しているという。自然(神)と人間の両方の力によってワインを造りだすという氏の考えが窺える。
アンリ・フレデリック・ロック Henry-Frederic ROCH
1962年生まれ。
大学で経営学を専攻する。79年、学生時代に祖父であるアンリ・ルロワのところに遊びに行き、クロ・ゴワイヨットの畑に初めて足を踏み入れる。畑の素晴らしさに感動し、ワイン造りに携わることを決意する。
88年にドメーヌ・プリューレ・ロック設立。
92年4月からDRCの共同所有者に就任する。


ヤニック・シャン Yannick CHAMP
1979年パリ生まれ。
医師を目指していたが、パリのワインショップ「オージェ」の紹介でアンリ・フレデリック・ロックとの運命的な出会いから、ワイン造りの道へ転身。2002年よりドメーヌで収穫・醸造を手伝い始め、05年に醸造責任者、10年よりロックの共同経営者に就任する。

ヤニック氏(左)と当主のロック氏
栽培について
◆ドメーヌ設立当初より有機栽培を実施。土壌に含まれている微生物が土に力を与えている。
◆肥料をほとんど使っていないが、使う場合は有機肥料、つまり”生きている”肥料しか使わない(化学肥料や人工的なものは使わない)。
◆堆肥はドメーヌのブドウの若枝や搾りかすから作っている。
◆除草剤や化学的なものを一切使わない。ブドウの木を強くし、予防に徹することが大切。
◆目指している生産高は約30hl/ha。(通常は40hl)そのため厳しい剪定を行っている。
ミルランダージュとは
「結実不良」と訳され、比較的ネガティブなイメージがあるミルランダージュであるが、ヤニックは”このブドウこそがロックのワインの神髄である”と言い切る。
◆果実における果皮・種などの比率が高まる事で”より”テロワールを表現できる。またブドウだけでなく『茎が完熟』している事も収穫の条件となる。
◆フラグシップのクロ・デ・コルヴェは『ミルランダージュ100%の房』のみから造られる。平均樹齢が55~60と高いが、5haの広さがあるのでミルランダージュのみを収穫して、年間3,600本という収量をなんとか実現している。
醸造について
◆収穫時に選果した房を、醸造時にはさらに厳格な選果(粒選り)を行う。
◆除梗・破砕はせず亜硫酸塩も添加しない。丸ごと房をそのままタンクに入れる。
◆発行中(約10日間)に、毎日2回ピジャージュを行う。発酵期間は約3週間ほど。
◆樽にて18ヶ月熟成。
◆濾過もコラージュも一切なし。ポンプを使うのも避ける。結果として、ワインに二酸化炭素が含まれており、澱が発生するが、これがドメーヌのスタイルで誇りである。亜硫酸塩(SO2)は瓶詰めの直前にしか使っておらず、使用量は微量。
『シトー派時代と同じく自然に任せたら良い』
除梗0%で房のまま丸ごと大型木製タンクに入れ、圧搾も全く行わず、100%天然酵母で自然に発酵するのを待つ。
◆発酵時にはタンク上部から二酸化炭素充填する事で酸素を遮断。必要以上の酸化を促さない工夫がある。
◆スーティラージュ(澱引き)作業はどうしてもワインを動かし、酸化の恐れがあるので@1g/本程度のSO2を使用する事もある。ただしあくまで微量に抑える。
◆瓶詰めに伴うコラージュ(清澄化)は一切行わないため、瓶詰めは”3日連続で気圧が上がった時だけに行う” ⇒気圧上昇でワイン中のオリが底部に溜まりやすいため。

2008年ヴィンテージ以降はキャップシール内側に赤ロウを載せ、SO2を使わずに長熟出来る状態を作り出している。コルクを深く打ち込む事でロウのスペースを作っているためヘッドスペースは2mmだけです。


ニュイ・サン・ジョルジュ村クロ・デ・コルヴェ畑/プルミエ・クリュ(一級)5ha

 ドメーヌ・プリューレ・ロックが単独所有するモノポールでロック氏が一番愛している畑でもある。2002年ヴィンテージからクロ・デ・コルヴェをファースト(クロ・デ・コルヴェと表記)・セカンド(1er Cruと表記)・サード(‘1’と表記)的な位置付けの3つのワインに分けてリリースをし始めた。これらは全て100%クロ・デ・コルヴェの畑から取れたブドウを使っているため、実際には全てプルミエ・クリュを名乗ることが出来る。
 この3段階に分ける選別はまず畑の区画によって2つに分けられる。若木の多い区画(とは言え平均樹齢25~30年なのだが)の物は‘1’となり、平均樹齢55~60年の区画の物は収穫時にクロ・デ・コルヴェと1erに分けられる。そのため理論上は今後数年で全体に占める‘クロ・デ・コルヴェ’と‘1er’の割合が徐々に増え‘1’が減っていくだろう。新樽使用の比率はクロ・デ・コルヴェは100%、1erで50%、‘1’はゼロ。しかし、ロック氏は「大切なのはブドウ!ブドウの質や選別で全ては決まる!」という。
宮武酒店より)




(+)ウメムラより購入。16600円。しかし、このVintageのロック、エチケットが古いやつのような気もするんだけど、色々見てみたらどうも、両方のエチケットのものが存在するようです。
(*)うきうきワインの玉手箱でも蔵出しで、2本購入。16,800円/本。