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Clos De Vougeot Faiveley 1999

2013-01-08 00:00:43 | フランス・ブルゴーニュ
Clos De Vougeot Faiveley 1999
Clos De Vougeot Faiveley 1999
JOSEPH FAIVELEY *****
ジョセフ・フェヴレ(ニュイ・サン=ジョルジュ)

注:ネゴシアンとしても多くのワインを生産する。

フェヴレは地味な同族会社だが、すずめの巣のような頭をした、若きフランソワ・フェヴレのもと、極上のブルゴーニュを大量に生産する。また同社はブルゴーニュ全域でも最大の土地所有者のひとつに数えられ、100haの自社畑から生まれるワインは、同社の生産量の85%を占める。つまりネゴシアンものは15%にすぎない。ワインはいつも優良ないし優秀だったが、1978年にフランソワがワインづくりに乗り出してからは、トップクラスに躍り出た。現在これを凌ぐのは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンテイとドメーヌ・ルロワぐらいのものである。

実際の製造法を眺めてみよう。1983年からワインはすべて発酵前に2-4日間の冷温浸漬が施されるようになった。フランソワはこれによってアロマの複雑さが増し、よりよく色素を抽出できると考える。仕込み期間は18~22日間だが、全工程に先だってあらかじめ除棟をしておくことは言うまでもない。82年や86年のような収穫年では、果汁の15~20%を水抜きし、ワインの濃度を高める。いずれのワインも15~25%の新樽を用いて14~18カ月樽熟させるが、特定の特級ものだけは100%新樽。1985年からは、特級のすべてと多くの1級について、濾過をせずに手作業で瓶詰するようになった。

フェヴレは、コート・シャロネーズのメルキュレに積極的な姿勢を見せていることでも目立つ存在である。ロデ家と同じくメルキュレの可能性を深く信じ、アベラシオンを代表する生産者になりつつある。

ネゴシアンものについても手を抜かない。80年代初頭から、徐々にワインよりもぶどうそのものを買付けるようになり、おかげでフェヴレ自ら心ゆくまで品質管理に臨めるようになった。85年には高額を投じてぶどうの選別台を備えつけ、すべてのぶどうを手仕事で選りわけて、少しでも状態の良くないものを除去しているほど。父ギィのワインは、筋肉質でアルコールの強いスタイルだったが、フランソワに代ってからは、より優雅で気品がある均整のとれたものになりつつある。

フェヴレ社で最も知られていない存在は、その白ワインではなかろうか。白の生産量は極めて少いが、自社畑からシャルドネだけでつくるメルキュレ・クロ・ロシェットとリュリの白は鮮やかな出来栄えで、たいへんお値打ちである。コルトン=シャルルマーニュに至ってはルイ・ラトウールやJ=F・コシュ=デュリと肩を並べ、アベラシオンを代表する3傑に入る。ただ、通常150ケース(つまり6樽)に満たないので、フェヴレの一員ででもなければめったにお目にかかれない。
 
私はここのワインを長年味わい続けているが、どの顔ぶれをみても、素晴らしく安定した出来栄えなので、どれかひとつを選ぶということが難しい。とはいえ特級の中から筆頭にくるものを挙げればシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、マジ=シャンベルタン、シャルム=シャンベルタン、コルトン=クロ・デ・コルトン、ラトリシュール=シャンベルタンが確実なところ。ニュイ・サン=ジョルジュの1級ものも、レ・サン=ジョルジュ、レ・ダモード、あるいはオスピス・ド・ニュイで落札したキュヴェなどは多くの年で特級並みの酒質。お買得という点でみれば、メルキュレ・クロ・デュ・ロワ、同じくクロ・デ・ミグラン、ニュイ・サン=ジョルジュ・クロ・ド・ラ・マレシャルが抜きん出ている。キュヴェ・ジョゼフ・フェヴレという名のACブルゴーニュでさえ見事なまとまりの良さで、ずば抜けた大特価品といえる。

以上に見るとおり、フェヴレの経営ぶりはブルゴーニュ全土で最もきめ細かなもののひとつで、若きフランソワの意気込みあふれる指揮のもとに、ブルゴーニュの最上物と肩を並べるワインを生産している。むろん安価ではないが、つくりに妥協はない。1級および特級ワインのほとんどは、らくに10~20年熟成する。

ブルゴーニュ ロバート・M・パーカー著 飛鳥出版
Wine Cellar KATSUDAより)


こちらはVintage違いのもの。



(+)三吉屋ワインで購入。14,095円。