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】「ロビング(議会工作)攻勢の中韓」vs「“放置状態”の日本」…今や日本も組織的な対抗措置が喫緊課題

2007-06-23 04:14:03 | Weblog
アメリカ下院に提出された決議案「慰安婦の人権擁護」をめぐって、『ウイル』5月号が「総力大
特集『従軍慰安婦』に大反撃!」を掲載している。ここで執筆している論者たちも、また書かれ
ている内容も、これまで「従軍慰安婦」問題について関心がある人なら、お馴染みの論者と
内容だ。それは当然のことだろう。

これまでと異なるのは、このような決議案がいま提出される理由が分かりにくく、また、中心と
なったのがマイク・ホンダ氏という日系議員だったことである。しかし、中間選挙において上下院
とも民主党が勝利したことで、人権問題を「売り」にする議員が活気づくことは予想できた。
また、特集で何人もの論者が指摘するように、ホンダ議員は中国系反日団体である「世界
抗日戦争史実維護連合会」の支援を受けていることから、今回の決議案提出は、中国のバック
アップのもとに行なわれた疑いはきわめて濃いといえる。

しかも、注意すべきは、こうした決議は今回で終わるのではなく、今後も繰り返し登場する
可能性が高いことだ。でたらめな決議案の誤りを指摘することも大切だが、今後の対策を
具体的に考えておくことも喫緊の課題になりつつある。

第1に、「従軍慰安婦」問題に対する反論を、日本国内の読者向けだけではなく、海外向けで
も行なうことだ。これまでの反論は、例外もあったが、基本的な知識をもっている読者を前提
に、日本政府のかかわりを主張する論者の主張を、事実と情理で反論するという形で進めら
れてきた。しかし、今回、唖然としたのは、まったく基本的知識のないアメリカ国民を前提に
して、根拠のない話を何の自制もなく垂れ流していることだった。

今後は、基本的知識がなく、また、日本に同情心のない人々に対しても、説得力のあるやり方
をしなければならないだろう。具体的にいえば、秦郁彦氏などが指摘するように(『諸君!』
5月号)、戦争における性の問題を、他国の場合との比較のなかで論じる必要があるという
ことだ。アメリカの場合も、常に「自由恋愛奨励」で済ませられたわけではない。戦局が有利で
ない場合には、直視したくない事態が生れることは、ベトナムなどの例から明らかだ。
それは、日本からの反論に説得力を与える。

第2に、『ウイル』の特集では渡部昇一氏が再論しているように、対抗措置を考えることだ。
もっとも、渡部氏は「もし、講和条約以前のことを議会で言ってもいいのであれば、アメリカの
ホロコーストのことを日本人は言いますよ、と主張すべき」と述べているが、「外交官などが
プライベートの席で」と付け加えているところを見ると、組織的な対抗措置は考えていないよう
だ。

しかし、ハーバード大学のスティーブン・ワルト教授などが指摘するように、いまやアメリカの
外交は、世界各国によるロビング(議会工作)によって大きく左右されている(『テイミング・
アメリカン・パワー』)。とくに、アメリカとの利害関係が深いイスラエル、中国、インド、韓国の
ロビーは激しい運動を展開している。これまで日本は、こうした現実を知りながら放置してきた。
それがアメリカへの信頼を示すことだと考えたためか、単に怠惰だったのかは分からないが、
アメリカ議会の現実は、楽観を許さないところまで来たようである。

『月刊正論』7月号:http://www.eis-world.com/template/eiscolum/seiron/070619.html

日本人はこの手のことを組織的に行うことが苦手のようにも思えるが日露戦争のころの記録を読んでみたりすると元からだめだったわけでもない。やはり、外務省ほか役人の非力?によるものか??