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宝塚歌劇

2004-08-30 01:23:40 | ドラマ
見なくなって久しいけれど、これまた「踊る大捜査線」のビデオと同じく本当におもしろそうなテレビ番組が無いときに見るビデオが「宝塚歌劇」のビデオである。テレビやCMでもよく知られている”天海祐希”が退団した時の演目、「Me and My girl」がそれである。

「宝塚」と聞いただけで、ちょっと”普通のお芝居とは違う”なんていう先入観を持っている人が居たらちょっと考え直してもいいのでは?とオススメするのが宝塚が時々やってる”ブロードウエィミュージカル”である。

宝塚は劇団お抱えの脚本家、演出家がいる。例えば有名な「ベルサイユのばら」では植田紳爾さん(宝塚歌劇団理事長)は有名な方です。普段の公演はミュージカルとショーの2部構成が多いのですが、それぞれを劇団の作家が担当します。また若手の作家の作品公演の場として宝塚にはバウホールという座席数500程の小劇場があり、ファンはバウ公演もしっかり押さえている。

殆どの宝塚ファンは自分のひいきの組とひいきの舞台生を持っていて、ミュージカルやショーを楽しみにしているが、作家もその期待に応えるべく、また新しい挑戦の結果として期待以上の出し物を用意しています。宝塚歌劇を独特のものにしているのがココにあると思います。よってなんの予備知識もなく初めて宝塚を見る人は、その”宝塚宝塚”したところに驚いてしまっているのではないかと思います。結果、感想として”あまりよくなかった”という積極的でない答えが返ってくるのも仕方ないと考えます。
でも、考えてみれば映画であっても宝塚以外の舞台でも、日本の伝統芸能の一つである歌舞伎や狂言・能にしても予備知識無く観て果たしてそうみんなが感動できるものなのかなぁと考えたりもしています。

舞台化粧(けっこうすごい)に圧倒されて、舞台生がどの役をやっているのかも分らず、また既によく知られた物語を原作にした舞台ならばいざしらず、お抱え作家の考えたシナリオであれば、いったいどの時代のどんなことが背景になったどんな物語かさえも分らなければ、登場人物に対するイメージなどあろう筈もない。それでは宝塚をみてもわからんだろうし、”どうだった?”と聞かれてもあまりいい感想はでないだろうと思います。

あきらかにこれは宝塚に限ったことではない。ストーリーとか登場人物のイメージが持てないお芝居は観るがわにとって結構つらいはずである。吉本新喜劇の場合、役者そのものが登場人物のイメージをそのまま持っているからどんなストーリーでも楽しめるが、宝塚はそうはいかない。トップスターは確かに主役だが、芝居のバリエーションはあまりにも幅広い。宝塚に限ったことではないはずのことなのだが、ただ”宝塚歌劇”という4文字が持つ不思議な力が、特別なものとしてのオーラを持ち、”特別なもの=特殊なもの=一部の人のもの”になっているように思えます。

さて、話をブロードウエイミュージカルに戻すと、宝塚でこれをやる時は、先入観のある方にも楽しんで頂ける(のではないか)と思う。ストーリーはそれなりに知られている事が多いし、ダンスなどは完全に海外の味付けで洗練されている。それをまたこなしてしまう舞台生たちもすごいと思うが、”宝塚”色が少しは押さえられているのでオススメである。