1995年は人生でいちばん映画を観た年で、映画館で観た映画だけで50本を超えていたのだけど、観た映画ではなく観(られ)なかった映画として記憶に残っているのがキアロスタミ。予定していたのが当日になって都合がつかなくなり、そのまま立ち消えになってしまった。
それから21年。夏に彼の訃報に接し、秋に全作品を上映するときいてユーロスペースに足を運んだ。選んだのは「桜桃の味」。
途中しばらく意識の飛んだところもあって、今のところはこれといった感想が出てこない。けれども、この映画を観たことで私の中で何かが醸成されていくような気がする(半ば確信している)。たぶん醸成には数年単位の時間がかかると思うけど、数年後の邂逅を楽しみに気長に待とう。
(21年前だったら「なにこれわかんない」で済ませていたかもしれない。そう思うと、この歳になって観たこともあながち無駄ではない気がする。時間が経ってわかることもあるということが、今ならよくわかるから。)
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