一生使う自分の声を、簡単に考える人が多い。
例え声が出なくなぅても、しばらく休んでいれば、元に戻る。使い過ぎた筋肉と同じように思える。
それが重なるとある日突然、戻らなくなる。出にくい、壊れたままだ。いつか直るだろうと放って置くと、壊れたまま定着する。故田中角栄氏がそうだった。故浅沼元委員長も、故池田勇人氏も・・・・随分昔の代議士の声は壊れていた。
私は今までに1万人以上の人にボイストレーニングしてきた。朝日カルチャーセンターや劇団など外に出向いて教えたことも多い。
一番力を入れたのは自分の教室だ。随分多くのスター、スター候補生がやってきた。その多くはプロダクションから預かりだ。
ある時、渡辺プロの新人が現れた。トレーニングが始まると、「死にそう」「痛い」など悲鳴を上げる。終わるか終わらないうちに逃げるように教室から出る。何か捨て台詞を吐いたようだった。
後日、渡辺プロのマネージャーから「あそこは自分たち歌手の行くところではない」と言い。「二度と行かない」と報告があった。
大体、体育館でマットの上で行うトレーニングは、「体育の専門家のようだ」。そういえば狭い部屋でピアノに合わせて声を出すが90%のボイストレーニングのやり方だ。走り、極度なストレッチ、寝転んで声を出す。見るもの見るもの全てが、生徒の理解の範囲を超えている。
私の方法を嫌い、何億円以上の損をした人もいる。直ぐに方法を盗み、自分で勝手にやりだして声を潰した人も多い。
多くの人は、今の瞬間の声がよければ、それでよしと思い。直ぐに止めて行く。
声のトラブルは何時襲ってくるか分からない。その時、対処法を知らない。ケースバイケースで対処法を変えなくてはならない。これが私の身上だ。50年以上も声一筋に取り組んでくると、並みのボイストレーナーでは届かない奥の深さがある。
この話は沢山ありすぎるので、続を別に日に・・・・・・。
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