joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

絵本 『ねたふり』 小泉るみ子(著)

2007年07月13日 | 絵本・写真集・画集
小泉るみ子さんの絵本『ねたふり』を読みました。

著者が子供のときに夏休みで体験した、家族のお仕事の手伝い。

家の仕事をさせられるのは嫌なもんです。だって、本来保護して欲しい場所で、保護されることとは反対の、働くことをしなくちゃならないから。

だから、この絵本の主人公は、そっと脱け出す。家族の目を盗んで。


学校をずる休みしたときのような、そんなときの気持ちに似ているかな、この絵本で描かれている主人の描写は。

僕は末っ子だから、この主人公の気持ちがよく分かる。

同じ子供でも、長男・長女の子は、いい子していなくちゃならないから、この主人公の気持ちは分からないかな。それとも、子供は誰でも、この主人公のような感情を体験しているのかな。


ねたふり

ポプラ社

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『精神障害者への偏見とスティグマ』 白石大介(著)

2007年07月13日 | Book
『精神障害者への偏見とスティグマ―ソーシャルワークリサーチからの報告 』(白石大介著 1994年 中央法規出版)という本を読みました。

主に、「精神医療」の患者とされている人たちが病院で受けている治療内容と、彼らが退院後にどのように社会と接しているのかについて、アンケート調査を下に報告しています。

社会の側が「精神障害」者をどのように見ているのか?「精神障害」とされた人たちが自分のことをどう考え、また家族が「精神障害」というものをどのように捉えているのか?患者の人たちは社会に出てから、どのようなサポートを受けているのか?日本ではソーシャルワークによるサポート体制がどれほど整備されているか?また、患者とその家族がそうしたサポート体制についてどれほど熟知しているのか?

これらの問題への答えが、調査結果と共に報告されています。

一通り目を通しただけなのですが、とくに驚くような意外な調査結果はなかったように思います。少なくない患者の人たちが、社会復帰を試みながらも、社会の側は「精神障害」というものに対して拒否反応をもっていることが調査から分かります。

ただ強調されているように感じたのは、患者の家族やソーシャルワーカーたちにも、やはり「精神障害」をもつ人たちへの差別感情があること。あるいは、患者たち自身がそう感じていること、です。

社会の側は、「精神障害」というものにかかわりたくないという気持ちから、偏見をもつようになりますが、患者の人たちをサポートする人たち自身にも、偏見があるという事実を、この報告は浮き上がらせています。

このような差別・偏見という社会事象に関してはすでに膨大な研究が重ねられているでしょうけど、こうしたサポートする人たち自身の偏見・差別感情がどこから来るのかということも、きっと誰かがどこかで論じているのでしょう。

ソーシャルワーカーなどは、一般の人よりは、社会復帰できない人たちの事情に通じているはずなのですが、そのような専門知識をもっているにも関わらず、偏見をもってしまうのか、あるいは専門知識をもっているがゆえに偏見をもってしまうのか、それはどうなのだろうか?

そうしたことを考えていくきっかけを与えてくれた本になりそうです。


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