joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

自分がおしえてくれる

2004年10月19日 | 日記
経営コンサルタントでベストセラー作家の神田昌典さんがブログで次のようなことを言っていました。


「独立するかどうかなんて、実は、どうでもいい。起業ブームにのって、他人の冒険物語を、自分の冒険物語と思いこんで歩んでしまうことは、ボクはとても悲しいと思う。
それはアウトローにみえて、実際には、常識に染まってしまっているじゃないかな?

大きな舞台で、才能を生かせる人もいる。小さな舞台で自由に表現できる人もいる。
人生は、ひとそれぞれ。自分の人生なんだから、自分で決めたいよね」(10月10日「会社で息苦しく感じる人が成功する時代2」より)。


これを読んだときぼくは、「そうそう、それをもっと早く、もっと大きな声で言ってよー」と思いました。

神田さんや本田健さんの著書が人気を集めるのは、ただたんに起業してお金が儲かる方法を教えているからではなく、なにかそこにこれまでとは異なる人生の価値観が書かれてあるからだと思います。

たしかに、いい大学を出ていい会社に入るというこれまでの価値観をわたしたちは疑い始めました。また同時に、「勝ち組負け組」という言葉に象徴されるように経済的な危機感と他人への嫉妬を多くの人が感じている中で、その危機感を越えた価値観をわたしたちは求めています。

そういう中で神田さんや本田さんは、ビジネスで成功することは、経済的な競争の「勝ち負け」とは違う次元で人の人生を豊かにすること、ビジネスの成功と人間関係やその人の人生の豊かさが結びつく可能性を示しました。

彼らのそういう本を読むことでわたしたちは、自分たちの経済的な危機感を克服すると同時に、その危機感の源泉にあった心理的競争を越える価値観を手に入れることができるのではないか、という希望をもち始めたのだと思うのです。

そういう可能性を示してくれた彼らの著書は、とてもすばらしいと思います。

ただ同時に、誰もが起業に向いているわけでもないし、なにか新しいことに踏み込むタイミングもひとそれぞれだよなぁ、というミもフタもない感想も僕の中のどこかにもありました。

でも、根が単純だから、すばらしい文章に乗せられて、「やっぱり起業して成功する人がこれからの社会の理想なのかな?」なんて思ったりもしたのです(もっとも、神田さんの本にしても本田さんの本にしても、冷静に読めば、安易に起業しては絶対いけませんよというメッセージも強調されているのだけど)。

だから、神田さんが上のように言ってくれたことで、なんだかこころに引っかかっていた小さいものが取れたような感じがしたのです。


生きていくうえでのすばらしいアイデアは世の中にたくさんある。でも、それは自分に合ったかたちでしか咀嚼できないし、すばらしいアイデアを考える人もきっとそれを望んでいるのです。

目の前にいいアイデアがあるとき、それが自分の心の声にどこで合うのかがはっきりしたとき、はじめてそのアイデアは存在価値が高まるのかもしれません。