淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

NHKテレビ司馬遼太郎原作ドラマ「坂の上の雲」第1回、何故か涙が止まらなかった。

2009年12月01日 | Weblog
 別にどうという事のない、ごく普通の日常シーンである。
 古き明治の時代。
 ドラマの前半部、伊予松山における、秋山好古(阿部寛)と真之(本木雅弘)兄弟と明治を代表する文学者である正岡子規(香川照之)、彼ら3人の子ども時代が淡々と描かれてゆく。ただそれだけのシーンである。

 優しい母や、昼行燈のような父や、兄想いで負けん気の強い妹や、真夏の田園風景や、豊かで何処までも広い海や、四国の強烈な太陽や、仲間たちとの喧嘩や、質素な食卓や、大人たちとの会話が、静かに、そして流れるように描かれてゆく。それだけだ。

 しかし、そこには希望が満ち溢れている。
 まだ大海を知らない、何も見えない未来に向かって、それでも子どもたちは健気に、逞しく、元気に、与えられた日々を懸命に生きている。
 それは、まるで一直線に疾走する蒸気機関車のようにさえ見える。

 いつか人生という荒波にもまれ、傷つき、挫折し、身悶えるに違いない。それは、解り切っている当たり前の構図である。
 それでも、若き秋山好古(阿部寛)、真之(本木雅弘)兄弟、正岡子規(香川照之)は、まだ見ぬ世界に向かって大声で叫び、持て余した心と体を最大限に膨らませてゆく。
 
 そういう姿を画面で観ていると、涙が零れ、止まらないのだ。
 どっぷりと、現実という泥に塗れた一人の大人が観ていると、そんな平凡な場面にも涙が溢れ、純粋で無垢な姿勢に耐えられなくなってしまうのである。

 2009年の第1部、全5回放送から始まって、2010年には第2部が全4回、そして3年目の2011年には第3部として全4回が放映されるという、前代未聞の大河ドラマ、司馬遼太郎原作によるNHK「坂の上の雲」を観ての素直な感想だ。

 日露戦争において重要な任務を負うことになる、秋山好古と真之兄弟と、明治を代表する文学者である正岡子規。
 好古は東京陸軍士官学校に入学。子規もまた、大学予備門を目指して上京する。真之は松山で退屈な日々を過ごすのだが、兄から上京しろとの知らせが届き、子規とともに予備門入学を目指してゆく・・・。
 ここまでが第1話。

 本木雅弘、阿部寛、香川照之、菅野美穂、原田美枝子、西田敏行、竹下景子、伊東四朗、松たか子・・・。
 豪華キャストと、素晴らしい映像美。とても丁寧に作られたドラマである。
 本木雅弘のインタビューを何かの雑誌で読んだけれど、「このドラマに自分を賭けている」と言い切っていた。

 当然にドラマ化と並行して、今「坂の上の雲」の小説を読み始めている。でも、図書館で借りて来たのはいいとして、返済日まで2週間しかない。
 仕事も佳境に入っているのに、本当に読めるのだろうか?
 8巻だもんなあ・・・。
 何とか頑張ろう・・・。




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