おかんのネタ帳

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歌うシャイロック

2023-02-21 23:14:59 | 演劇・舞台
以前お知らせしていたインタネットラジオ「ゆめのたね」、お聞きくださった皆さん、ありがとうございました。
先週15日(水)には、後半が放送されました。
(明日の22日、再放送があるので18時に、→ こちら の「ドラマチックドライブ」からお聞きください~)

あっという間の30分。
パーソナリティのぶきさんと楽しく「演劇&推し」について語ってます~
肝心の本題になかなかたどり着けず8汗)、ひょっとしたらまた出演するかもです(笑)

さて、土日はムコどのがお休みということで、私も少々ヒマをいただき、先週に続いて観劇してきました。
今回は、京都南座です。



舞台は、「焼肉ドラゴン」などで知られる鄭義信さんの作演。
あのシェークスピアの「ベニスの商人」を、オール関西弁でやるというもの。



悪名高い高利貸しで町の嫌われ者のシャイロックを岸谷五朗さん。
娘ジェシカを中村ゆりさん。
岡田義徳さん演じる親友パッサーニオのために自身の肉1ポンドを担保に、シャイロックから金を借りるアントーニオは渡部 豪太さん。
ジェシカと駆け落ちする、ドモリのロレンゾを和田正人さん。

ヴェニスに暮らすユダヤ人の金貸しシャイロックは冷酷な取り立て故に町の嫌われ者。
愛する一人娘のジェシカも心を痛め、そんな環境から逃れようと恋人のロレンゾーと父親の金を持ち出して駆け落ちをはかる。落ちぶれ貴族パッサーニオは、恋の成就の為に親友の商人アントーニオに金の融通を頼む。
しかしアントーニオは所有する商船が全て海に出ており手持ちの金がなく、
仕方なく日頃嫌っているシャイロックから「肉1ポンド」を担保に金を借りることにする。

パッサーニオの求婚相手ポーシャ(真琴つばささん)は、父親から莫大な遺産を譲り受け
多くの男たちに求婚されてきたが、父が遺言で残した求婚試験に合格したものは
これまで一人もいなかった。そんな中、パッサーニオがやっとの思いで試験に合格、
ポーシャと結ばれ喜んでいるところへ、一通の手紙が届けられる。
アントーニオのすべての商船が嵐のため難破したと。
借金が返せなくなったアントーニオ、シャイロックとの裁判で負ければ「肉1ポンド」を切り取られてしまう。
果たして裁判の結果は?
そしてシャイロック親娘の運命は?

おなじみのベニスの商人ですが、鄭さんが描くのは、差別を受けるユダヤ人ら、マイノリティの人々のこと。
原作では、シャイロックは裁判に負けて、キリスト教徒に宗旨替えさせられます。
(この物語では、財産をはく奪されるようです)
ユダヤ人のジェシカは、ロレンゾが自分をこの境遇から救ってくれたと思うのですが、
お金を手にしたロレンゾは、ドモリも治って彼女を裏切るんですね。
その大金も使い果たしてしまうので、ジェシカは気がふれてしまう。

そして、裁判に勝ったアントーニオは、親友のパッサーニオのユダヤ人を見下す言動にショックを受けるんですね。
パッサーニオは気づかないけど、ポーシャと結婚しておお金持ちになって、彼もまた本音が出てしまうんです。

本当の悪者は、シャイロックなのか?
ユダヤ人として世間から見下されるからこそ、高利貸しになって上に立とうとしただけなのに。

ラストシーンが、鄭さんらしい。
降り始めた雪がだんだん強くなり、リヤカーに荷物と童女のようになったジェシカを乗せて、それを引くシャイロック。
「焼肉ドラゴン」と同じですね。
奥に向かってリヤカーを引く岸谷さんと、町の人々の後ろ姿のシークエンス、これは、鄭さんの作品「近松商店」と同じ。
なぜか涙がこぼれてきましたねぇ。

とはいえ、全編関西弁になると、こうも義持新喜劇みたいになるん?というくらいべたな芝居から始まったので、ネイティブ関西人なのに、戸惑ってしまいました。
しかも、座長の岸谷さんより、マギーさんが座長?っていうくらい出ずっぱりで。
衣装替えも忙しく、めっちゃ笑いをとってましたね~~ ほんと、すごい。

関西人じゃない方の関西弁はともかくとして、なんで、この作品を関西弁にしたのかなって、思いますよね。
後半は、笑いの中にもテーマが見えてくるんやけど、人種差別や性差別とかがカオスなところは関西の雰囲気かもしれないし、それをゆるーく許容するところとか、あいまいな関西弁が在ってるのかなと思ったり。

2階の最前列センターという、とても観やすい席でした。
幕間に座席で食事するのも、解禁になってました。黙食で。
お弁当の販売もありましたね。

私は、志津屋のサンドイッチ。祇園四条の駅構内で買いました。



一人で観劇なので、黙食~~





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