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おかんのネタ帳

日々の雑感や興味のあることを書いています

ケイン&アベル 大阪大千穐楽

2025-03-23 12:01:10 | 演劇・舞台
もうすでに大千穐楽が終わって3週間も過ぎたので、さすがに私の頭の中からあの音楽たちも消えつつありますが・・・
とりあえず、大千穐楽の感想、カーテンコールの様子などをざっくり!書いておきます。 残したメモと薄れていく記憶の中・・・
洸平くんやみなさんの言葉は、私のざっくりした記憶なので正確ではないです。こんな感じの事を話してたっていうものなので、ご容赦のほどを。

東京初日の感想は → こちら

大阪初日の感想は → こちら

興味のない方はスルーしてくださいね。



カーテンコールは4回ですね。
最初のコールで皆さんが準に登場して、ラストに上手からケイン、下手からアベルが登場するんやけど、今までで最速?っていうくらいのスピードで出てきましたね。
すごい歓声と拍手の中、洸平くんがガッツポーズしながら(珍しいよね?)ガッと出てきて、いつもガッツポーズしてる感じの(笑)優也くんもビューっと出てきて、真ん中で二人が勢いよく肩をたたき合って、握手、ハグ・・・聞こえては来ないけど、2人とも「やったな!」「俺ら、やったな!!!」って言い合っる感じで。
優也くんも洸平くんも満面の笑みでおじぎしてました。
客席は大歓声やし、キャストの方々も涙と笑顔で二人をたたえてましたね(二人を見てるからちゃんと見られてないけども~)

いったんハケて、2回目の登場で、座長の洸平くんから、お話してくれました。

「たくさんのお客様に来ていただき、今日も立ち見の方がいらっしゃって。ありがとうございます。どんなにお礼を言っても足りないですが、我々が今日ここに立っていられるのは、間違いなくお客様のおかげです。我々から拍手を送らせてください・・・(客席が拍手すると) あ、皆さんは拍手しないで、我々が拍手しますので」 

ほんま、泣けるやないの~~~

続いて、スウィングの2人を紹介。
「東京公演からずっと見守ってくれていたスイングの2人 (磯部杏莉さんと後藤裕磨さん)です。今回舞台に立つことはなかったのですが、これから先、舞台の上で活躍する日が来ますので、皆さんよろしくお願いします!」(こんな感じのこと言うてはりました~)

「アンサンブルの皆さんがいなければ、僕たちはパフォーマンスすることができなかったです」
そういってアンサンブルさんを前に移動してもらって紹介。

そしてオケの方を、そしてスタッフさんも。
「セットを動かしてくれる演出部の皆さんと、いつも僕らをキレイに照らしてくれる照明さん、あちら(二階席の上)にいます!」って照明さんまで紹介する洸平くん。

「何年も前に企画が始まって、ボクらが稽古に参加してから3カ月、誰1人欠けることなく大千穐楽を迎えることができました。この人がいたおかげです。松下優也~!」と優也くんを紹介!

「1月22日から、42公演やりきりました」
・・・と言いながら、前に出てウロウロとしはじめる優也くんに、思わず洸平くんが、
「それ、アベルみたいだから、ちょっとやめて~」 (客席から笑いが~) 

アベルがケインの銀行にやってきてプレゼンしたときの感じですね!!

「今日までいろいろな日があって、疲れてきたかな?って日もあって、本当にやり切れるのかな?と思ったこともありました。でもキャスト、スタッフに支えられ、お客様の応援があってやれました。ありがとうございました。誰も欠けることなく42回、めちゃくちゃ誇らしいです」 と優也くん。関西弁イントネーションでね。

・・・・優也くんは話出すと長いんですね。で、その優也くんをじっと見つめる洸平くんと、客席の笑いに、なんか気配を感じて? 「え、なに?」って、洸平くんを見る優也くん。
いやどうぞ~って感じで返す洸平くん。

「同じ松下、本名でやってます。いつかどこかで会うだろうと思ってたけど、まさかこんな形で、ケイン&アベルで出会うって! 洸平くんが穏やかでいてくれたからアベルをやれました。今日までは相棒ですが、明日からは友だちです!」 (客席の歓声と拍手!)

「ボクらを支えてくれた、洸平くん!最高!」 (またまた歓声と拍手!)

「ケイン&アベルをミュージカルにしてくれて感謝しています。何よりもみんな、この作品をたくさん観て、愛してくれてありがとうございます! 何年かかっても再演したいです!」 言い切った!
客席、大歓声と拍手! キャストの方々も、洸平くんも、拍手と「うぉ~~」という声が~~

「松下洸平~~!」 優也くんが再び洸平くんに返します。(またまた大歓声と拍手)

「ボクは22歳の時にミュージカルでデビューして、何て楽しいんだと思っていました。そのうちボクと共演していた仲間がどんどんいろいろな作品で大きな役をやって、ボクは彼らの背中を追いかけて、もう追いつけないのかなと思っていたんです。そんな中で、今回声をかけていただきました。こうしてミュージカルで、素晴らしいカンパニーの中で真ん中に立たせていただけたこと、本当にありがとうございます!」 (こんな感じでしたかね・・)
大歓声と拍手・・・・もう、涙ですよ、ほんまに。

「そして、この世界初演作品を完成させるにあたって、この人がいなければ不可能でした・・・山口祐一郎さん!」 とミュージカルの帝王を紹介する洸平くん。

さすがに次は山口さんやろうな~~というのはわかりましたけど、山口さんのご挨拶?は想像の上でしたよ。

客席の拍手と、「ふぉ~~~~~」 という歓声があがるなか、一歩前に出て、両手を広げて全身でその拍手と歓声を浴びる山口さん。
そして、その歓声を包み込むように両手を胸の前に持ってきて、それを客席に返すように投げて~~~
そしてまた、拍手と歓声があがると、おじぎをして下がるという・・・え、何も話さないんですか??? 

・・・という客席の私たちと同じように、「えっ・・・終わりですか!???」という顔してる洸平くんと優也くん。

「はい、もう、言葉は要らないということですね~ 歓声を包み込んで、また皆様にお返しするという~」 と、ちゃんとうまく説明して納める洸平くん。さすが座長や~!

そして、その座長の洸平くんから
「皆さんにお伝えしないといけないことがあります・・・」

客席がざわざわざ・・・ひゃ~~という声漏れも。

「ちょっと上手く伝えられるか自信がないんですけど・・・たくさんの大人の視線もありますし~~ これをうまく伝えられないと後で怒られますのでね・・・」

「ケイン&アベル東京公演のライブCDが発売になります!!」

きゃ~~~! っていうか、もう、すっごい歓声でしたよ。私もその場で小躍りしましたからね!!

早々に、配信はない、パッケージ化もないって、東宝が言いきってましたからね。
X(旧Twitter)のTLに「せめてCDを出してください~」という声はたくさんあったし、実際に東宝にお願いした人も多かったと思います。
日に、日に、評価があがっていったこともあって、実現したんですね。
(海外作家による原作、海外クリエイターによる企画・・・いくら主催が日本の企業であってもパッケージ化は難しいことと言われてるからね・・)

「・・・えっと、正式な名前はライブCDじゃなかった気がします・・・」と洸平くん。
「・・あかんやん」 って感じの反応をする優也くん 
「・・・発売日って知ってる・・・?」と優也くんに聞く洸平くん。
「いや、オレもそれ聞きたい~」 っていう優也くん。
「えーっと、たぶんロビーに出たらもう告知されてると思いますが、CDが発売されますので、詳しくは公式サイト、SNSをご確認ください」 と洸平くん。

すっかりW松下なお二人。

客席から、「こーへー!」 という野太い声。男性ですよね。

「はいっ!(二コリとして)本日は、ありがとうございました!!」  

その野太いかけ声に突っ込むことなく、スマートに挨拶して、全員でおじぎ~~ 
そして、上手に履けるときに、洸平くんと優也くんが笑顔で肩組みからのおじぎ。洸平くんが優也くんの肩ポンポン~~ 

拍手が鳴りやまず、3回目のカテコ。
全員が登場して・・・いきなり、「ひとこと、どうですか」と、お隣の咲妃みゆさんに振る洸平くん。

ちょっと驚いたような咲妃さんですが、そこは元タカラヅカ、一歩前に出て、

「本当に一言だけ・・・・幸せでした!」 拍手と歓声~~

「え・・・・と、ほかに言い足りない人、います?」と、左右を観て、一番下手にいた息子・リチャード役の竹内將人くんに振る座長。

竹内くん、この大千穐楽の「♪手袋みたいに」のシーンで、フロレンティナに「ダンスシューズ忘れないでね!」っていうところを、「ダンチュチューズ」って噛んだらしいんですよ。(私はちゃんと聴けてなかったんやけど~~)そこをいじる洸平くん。

「アレ、ナニ? そんな可愛い息子に育てた覚えはない!」 客席爆笑!拍手! 

「・・・自分でも、何て言ったか覚えてないんですよ~~ でも、ちゃんと通じてて良かったです・・・・あ! リチャードの稽古場レポート、書きました~! 我ながら文才あるなぁって!」 と竹内くん。
拍手と歓声! 洸平くんはじめ、キャストの皆さんも笑ってましたね!

リチャードの稽古場レポートは公式HP → こちら
Vol.1~10、番外編まであります!!

優也くんが恒例の?
「今日は原作者のジェフリー・アーチャーさんが後ろのほうで観てくださって・・・るつもりでやりました!・・・」と言いかけて。
(来てないのに来たかのような・・・このネタは東京公演で3回ぐらいやったらしく、リピーターやファンは良く知ってるんですよね)

「え、待って! 誰も振り向かへんやん~~~」 だから、だまされませんて~ すかさず洸平くんが、

「・・・歌も踊りも芝居も上手いのに、ホントこれだけは下手で~~ 東京公演からずっとこれやってるんですけど・・・」 というようなことを言って。

「オオカミ少年ってこういうことなんやね! もう誰も振り向かへんやん~~ オオカミ少年の気持ちがわかったわ・・」と優也くん。客席もキャストも爆笑!

「・・・最後に作品のテイストをぶち壊してしまいましたが(笑) 本日はありがとうございました!!」 と座長らしく洸平くんがしっかり締めて挨拶(笑)

そして、また上手にハケ際に二人が肩組んで、全方位に手を振っておじぎ。

そして、それでも鳴りやまない拍手。
劇場のアナウンスもあったような気がするけど・・・またステージが明るくなって、4回目のカテコ。
上手から一番に登場した座長の洸平くんは、ちょっと客席を睨むかのような表情でご登場。でも、すぐに笑顔になったけど。

全員登場して並び・・・座長の洸平くんが、

「もう話すことないんですけど」(関西弁イントネーション・・・こういうとこ好きよね、私たち関西人は!)

「このマイクって切れますか?」 (二階席後方の音声さん?に話す洸平くん)キャストを見て、

「最後に生声で、全員でありがとうって言いましょう」 (洸平くんのライブでいつもやってくれますよね!)

挨拶のきっかけ「を優也くんに任せると、優也くん、せーのと言いかけて
「・・・あ、ごめん、ついふざけてしまうわ~」 と関西人の血が騒いだようですが・・・ちゃんと言いました! 「せーの!」
キャスト全員、生声で「ありがとうございました」でおじぎ。
客席の万雷の拍手~~

上手で、肩組んで、笑顔で1階から3階席まで見て笑顔で手を振る二人。そしておじぎ。
そして、手を振りながらハケていきました~~~  

この日、今回一番の前方席で(最前ではないけど、センターの上手!)
あの恋が芽生える「♪愛が始まる時」のシーンで、テーブルでケインを待ってるケイトを初めてじっくり見ることができたんやけど、ほんとに恋する乙女って感じでした。わくわくしてるのがわかる。
そこにロングコートに帽子をかぶってバラを一輪持ったケインが登場するんやけど、めちゃカッコ良くて~~
あそこのダンスも、なめらかな動きでおしゃれで、ずっと見てしまいますよね~~ みんな恋に落ちるよ、ほんま。

マシューとケインの、「頭の中がお花畑」のあのシーン。
客席の期待感?が伝わったのか、植原くんのマシューの「ばあさんと?」 というとこで客席爆笑。
ケインの洸平くんも笑ってて、つぎに、「やるねぇ、ウイリアム~」 で植原くんがのけぞるようにするから客席から拍手が起こりましたよ。
なので、ケインも笑ってしまって、「ばかか~」っていうところを、「ばかなのか!」って言いました。ばかを念押してた~(笑)

同じように、二幕のデパートの手袋売り場、エミーとフロレンティナが登場すると、登場しただけで拍手が起こりましたよ!
エミー劇場の日替わりイケメンシリーズも東京公演から話題になってましたしね。
ちなみに、大千穐楽は、「プールに行ったら溺れかけて、イケメンが浮き輪を投げてくれて助けられたの。私、プールじゃなくてイケメンに溺れたのよね」ここも客席が拍手!
冷静なフロレンティナが「投げた浮き輪はどうなったの?」ってオチ?で、客席も笑うという~~

フィナーレの「♪君の名に恥じぬよう」。
もう、これで見納めと思うと泣かずにはいられへんよね。
洸平くんのケインの顔を、まじまじと肉眼で見て(近い席やから)涙ですよ。

表情を崩さすに、アベルを見て、息子のリチャードを見る。
孫のウイリアムがアベルに腕輪をつけてもらい、父であるリチャードにそれを見せる、その姿をうなずくようにして見つめるケイン・・・そしてラストにアベルとともに孫ウイリアムに寄り添い、ケインが腕輪の着いたウイリアムの手を持ち上げるのもしっかり見れました。
うっすら涙ぐんでるようにも見えたけど、アンサンブルの皆さんや家族とともに歌い上げるケインの尊い姿・・・もうほんとに感動です。



ちゃんと観れれてないところが、まだあったりするんですよね。
DVD化はしてほしいところやけど、それは無理やし、再演は、少なくとも3年は先やろうし、洸平くんが「皆さんにまた会えるように・・」だか、「会いましょう」だか言ってくれた時も、再演は確信したけど。

さてさて、終わってしまったけど・・・翌日、優也くんは関西ローカルの「よーいドン!」にゲスト出演。
次の舞台「キンキーブーツ」の番宣をしてましたよ。もう、アベルのカケラもなく、すごいね。

洸平くんは、「数年ぶり」に「ぽかーーーんとしてます」 というインスタを上げてましたが、ほんの少しお休みして(多分)、レギュラーのお仕事(ラジオ等)の収録にのぞんでいた模様。

その間に、38歳のお誕生日も迎えて。見えへんけどね。でも、当たり前やけど、しっかりした大人ですわ~

舞台明けのご褒美のようなお仕事もあったようですよ。
こちらもレギュラーのBS-TBS 「美しい日本に出会う旅」で旅をしたそうです。
それも、洸平くんが行きたいと公言してた西表島!!  
(以前、ニシオモテジマやと思ってたという話をライブのMCでしてたらしいけど~~苦笑)
素敵な(爆笑の?)旅になったらしいですよ。
放送は4月9日と16日  → こちら 楽しみ~~!!



ケイン&アベル 大阪公演 

2025-03-16 15:00:06 | 演劇・舞台
『ケイン&アベル』、大千穐楽が終わって2週間過ぎてしまいましたね。
ほんとにあっという間ですわ。
書くことが溜まっていく前に、アップしておかないとね~~汗

大阪初日のあと、27日(木)に行ったのですが、大阪の友だちから心斎橋にでっかい「まろ平」がある!というのを聞いたので、地下鉄御堂筋線の心斎橋で降りて難波まで歩きました。

その前に、JRびわ湖線の車両の中吊り広告~~



目の前にあったので、思わずパチリ。空いてて良かった~

そして、心斎橋筋で~~





アーケードの中に、確かにでっかいアサヒビールマルエフの広告が!
相変わらず歩いてる人はすっごくたくさんいるけど、海外の方が多数・・・広告の効果ありますん??(苦笑)

そして、ここ、戎橋! 



戎橋と言えばグリコの看板やけど、この左手に、かに道楽の右手に、でっかい「まろ平」さんがいました~~
すごいね、アサヒビール!!



サイネージ広告。5分置きぐらいに流れてくるようです。
私の前に、若そうな?女性が二人立ってたので、洸平ファンか?って思ったら、嵐の桜井くんの広告が流れたときに写真を撮ってました!
いろんな方のファンがいるということで~~(苦笑)

難波から近鉄で一駅、上本町の新歌舞伎座へ。



この日も「満員御礼」の垂れ幕。



この日の座席が1階の上手端で、隣が桟敷席の壁!
舞台は斜め左前方を見ることになるので、後ろの席の人の邪魔にはならへんけども、幕間でトイレ行くには通路までが遠いという~(苦笑)
とはいえ、舞台が近い新歌舞伎座、見え方はまずまず。前過ぎないので観切れもなかったです。

この日印象的やったのは、カーテンコールのあとのオーケストラ。
指揮者の福田さんが、客席の方を向いて指揮棒を振ってくれてたんですよ。
手拍子する客席との一体感がたまらなくエモい~ 

なので、ジャン!と終わっても拍手が鳴りやまず、館内アナウンスも流れず、そう、そしてキャストの皆さんが登場して3回目のカーテンコールに。
大阪ではどうやら、3回コールが定番化?したようなんです。
すごいね~~ 

東京では、2度目のカテコのあと、このオーケストラの演奏があって、ジャン!で拍手して終わるんですね。
大阪では、2日目からも大阪初日と同じようにジャン!で拍手が鳴りやまなかったようで、この日も福田さんがこちらを向いて指揮棒を振ってくださったのかなと。うれしいですね。

たまに、大阪の観客は品がないとか、強欲?とか、観劇のレベルが低い?などと揶揄されることがあるけど、感激のブラボーが拍手や手拍子になるし、カーテンコールも楽しみたいやないですか。
・・・お金払った分、元取りたいというのもあるけども~~(苦笑)
地方公演は、32公演もある東京に比べたら公演回数が少ないだけに、1回の観劇が貴重ですからね。

とにもかくにも、キャストの皆さんが、またご登場してくださって全員でおじぎ。
上手にハケるときに、洸平くんと優也くんはいつものように肩を組んで、洸平くんが3階など客席を3か所ぐらい指さし、それに反応するかのように優也くんが客席を見て、まるで知り合いでもいるかのように手を振ったりして、ニコニコでおじぎ。
その時に、洸平くんの手が優也くんの肩をポンとたたくんですよね。
そして、ニコニコで手を振りながら上手袖に~~
上手席やったので、近い~~

舞台の方は、マチネ(昼の部)をやったあとのソワレ(夜の部)なのにすっごくパワフルでしたよ。

ただ、新歌舞伎座の奥行きがオーブほどないせいか、ケインの「♪今が瀬戸際」のチャールストン、あれが短いんですよね~
東京の2階センターから観たときに、かっこ良くてうなってしまったあのステップが充分観られなくて、ほんとに残念。

ケインの歌声は、大阪初日に高音が出にくいと思ったところがクリアになって、最初のソロ曲から後半の歌唱にしたがって、丁寧さにパワー加わっていくから、ほんとにすごいなと思う。
若い時の台詞の言い方が甘ったるいのに(マシューに母親のことを言うたりするところね)、年齢を重ねるにしたがってちゃんとオジサンになっていくから、年齢を重ねる演技がほんとにうまいなと。
優也くんもフロレンティナとの父と娘のシーンなど、中年以降の演技はうまいなって思うけど、野心家のアベルなので、若いころにケインのような幼さはないですよね~。

私の気持ちが入りすぎてるからか、ラストがわかってるからか、洸平くんの歌声を聴いただけで泣きそうになります。
ミュージカルで、(アベルのような喜怒哀楽を表現しにくい)ケインという役を、芝居だけやなく、歌でも魅せてくれるのがすごいって、観るたびに思いますね。
ひいき目かなって思って、ずっと疑心暗鬼していたけど、日々、評価が上がっていいき、洸平くんファンではない、グランドミュージカルに精通してる人たちが評価してくれるのを知るにつれ、間違いないんやなって思います。

「突然歌いだすからミュージカルは好きじゃない」なんていう人もいて、だから今回は観に行かないという人もいます。
それは作品によるんやないかなとも思うけど。
グランドミュージカルの良さは、その歌にありますよね。
大勢が歌うあのエンタメ感、1幕の初めにある「♪アメリカンドリーム」とか、ほんとに素敵。ワクワクするし。

昔、ノブオさんがミュージカルに出たときに、「歌に救われることがある」って言ってたのを思いだします。
台詞をいうだけでは伝えきれないものを、歌うことで感情がのせられたりするでしょうしね。
とはいえ全42公演、喉のケア、体調管理をみなさんがしっかりされてきたと思うと、ほんとにお仕事とはいえリスペクトしかないですね。





この日も終演後に、やっぱり幟をパチリ。

前楽の3月1日(土)ソワレ(夜の部)は、1階前方席で上手ブロックの席。
今回は、東京も大阪もことごとく上手席ばかりで、ケイン側が描かれる下手に座れずじまい(涙)
ファンクラブ、事務所枠でしか申し込んでないとはいえ、チケ運なく片寄りすぎ。徳が積めてないようです…(汗)

座席に着いたとたん、先に座ってた隣の席の人に肩をポンポンされて。
見たら、5年前から知ってる洸平くんファンの方で、二人で爆笑!!
・・・昨年の舞台の時も新歌舞伎座で隣同士やったよね! (ま、同じとこで買ってるからな~)

ケインとアベルはこの日もメラメラバチバチでしたよ。
1幕終わりに二人が歌う「♪命ある限り」
日を追うごとに、バチバチが高まるって思いますね。
アベル役の松下優也くんは、殴るようなしぐさで「お前を、やっつけてやる」みたいに歌うから、ほんと怖いよね。
でも、それに負けてないんですよね。冷静なケインも。
二人が帽子をかぶって幕! ですが、拍手と「ひゅーーーーー」という声がほんとに高くて。

一幕しか登場しない、マシュー。
恋するケインの「頭の中がお花畑」というマシューとの銀行のシーン、仰々しい?マシューの反応にケインも笑ってたね~
なので、客席も笑いが起きます。広くない劇場なので、客席の反応もすぐに役者さんに届いてるかと。

同じように、フロレンティナとエミーのイケメンシリーズ?の手袋売り場シーンも、期待が上がって?客席の笑いがほんとに多かったですね。
初見のお客さんも多いと思うのに、大阪は笑いのスイッチがすぐに入るから、ほんと、ノリいい!
なので、続くフロレンティナとリチャードのシーンも笑いが多かったです~~。

フロレンティナが、リチャードに名前も住まいも偽って、自責の念に駆られながら帰るシーン。
階段を歌いながら登る咲妃みゆさん、途中で階段が交錯したり離れて行ったり、セットを運ぶスタッフさんも大変やけど、咲妃さんも動く階段の高いところで大丈夫?って思いながら見てしまいます。
そして、その階段の下で、フロレンティナの後をつけてるリチャードが右往左往。
こちらも、段取り大変そう~~  まさしく舞台ならではの演出です!

とはいえ、後半はもう、フロレンティナのお店の開店シーンあたりで泣いてますよ。いや、その前のチビウィリアムが歌うとこからかな。

それぞれの父親(ケインとアベル)が、戦いはすでに終わっているのに、老いてもなお頑なで。
家を出て10年のフロレンティナ、開店記念バーティの前にアベルの相棒であるジョージに聞きます。

「あの人たちは来てくれる?」

首を振るジョージ。

「もう、家族しかいないのに。こんな、物語りの最後なんて」(こんな感じの台詞) ってフロレンティアんが言うんやけど

「物語はもう、アベルでもないウィリアムでもない、君自身の物語だよ」(こんな感じの台詞)ジョージが言うんですよね。

ジョージ、かっこいい~~!

ずーっと、家を出たフロレンティナを見守ってたんやろうなと。
そして、娘が家を出ていき、妻にも背を向けられ(多分)孤独に老いていくアベルを、ジョージはずっとそばで支えてきたんやろうね。
・・・ちゃんと、描かれてない「行間」も私たちに想像させてくれます。

ジョージはほんとに良い人。
アベルが、ヘンリー・オズボーンとケインを追い詰めていくのを、ジョージは見てられないとばかりに注意してました。
「お前、変わったな」って。アベルは聞く耳をもたなかったけど。
リロイを死に追いやったとしても、融資できなかったのは銀行の方針で、ケインだけの責任ではないの。
さすがにアベルはわかってると思うけども。

そういえば、2幕の、戦場でのケインのソロ「♪また会う日まで」。
新歌舞伎座では、あの後光のような照明が、低い位置から斜め上に当てられてたような。
大阪初日に3階で観たときもまぶしくなかったし、どうですかね。

大千穐楽は、また別日に書くとして・・・

・・・というか、続きをいっぱい書いたのに、マウスに手が当たった瞬間消えてしまって・・・(涙)

なので、今日はここまで・・(涙)



ケイン&アベル 大阪初日

2025-03-11 17:43:16 | 演劇・舞台
『ケイン&アベル』大阪公演。新歌舞伎座、といえば、これですよね!







一昨年、こまつ座『闇に咲く花』の時にも上がるかなと思っていたのにあがらなくて。
主演の今回はあげてくださいました、幟旗。
風でなびく青い幟に「松下洸平」の文字が映えますよね~~
毎週やってるラジオでも「写真撮りたい」っておっしゃてたけど、ちゃんと撮れたのかな。



さて、その『ケイン&アベル』大阪公演は10公演。
初日と中日、前楽と、大千穐楽に行ってきました~~~散財ですが・・ 行くよね、そりゃ!!(汗)

・・とはいえ、早々にチケット完売。東京公演の評判とチケット完売を経て、新歌舞伎座も見切り席を販売したけど、それも完売。
あげく?立見席までも販売したけどそれも完売してしまうという・・・東京初日から42公演、あっという間に、すざましい人気ミュージカルになりました。
世界初ミュージカルですよ。これってやっぱり、舞台化成功ってことですよね??



ベストセラーにもなったイギリスの、ジェフリー・アーチャーの原作。

東京初日の感想は → こちら

東京 2月6日の感想は → こちら

2回観たのに、まだ見落としてたことがあったなと、もろもろ発見が多い大阪初日でした。
原作を読んでたゆえにそのストーリーでとらえていたけど、舞台ならではの解釈、見せ方があったんなと。
原作を読まなくてもストーリーがわかるものになってたんやなと、改めて。

新歌舞伎座はシアターオーブに比べると狭いので、あの大きな白いキューブのセットを二つ、どうやって動かすのかなと思ってましたが、立ち位置などがかなり前になってましたね。
なので、初日は3階のセンター2列目で観てたんやけど、役者さんの足元が見えなかったり、お顔のあたりに手すりが被ったりで少しストレスが~。
とはいえ、客席からステージが近いから、セットの上で演じる役者さんは、まさに目の前って感じで、迫力があります。
それと、オーブではステージの奥にあったオーケストラボックスが、新歌舞伎座では奥の二階にありました。だからオケがよく見える!

大阪初日でも、リピーターの方が多かったのか、タカラヅカファンの方が多かったのか、最初の咲妃みゆさん演じるフロレンティナが登場してきたところで拍手が起こりました。
わ~、すごい、ここから拍手があるんや~って思いましたね。
「♪アメリカンドリーム」でも熱い拍手があって、ニューヨーク、ハーバード・クラブの「♪最高の時代」では手拍子が!

東京初日には手拍子はどこもなかったと思うんやけど・・・すごいね。初見の人もいると思うのに、ノリが、もう、大阪ですよ!

ちなみに、プラザの「♪ゲームのルール」は、一階席だけに手拍子があったような・・・3階席は静かでしたね(汗)
二幕の、若い二人(リチャードとフロレンティナ)が歌って踊る「♪手袋みたいに」は3階も手拍子あったかと~

洸平くんのケインが登場するハーバード・クラブのシーン、3階からはしっかり見えましたよ。奥の上手から出てきて中央へ。
アイソレーションからチャールストンのステップで踊るケイン、ほんとにしなやかですねぇ。

「♪父の名に恥じぬよう」
この歌い方が少し変わってました。台詞から歌いだすのはよりナチュラルになり、一つ一つの歌詞に力がこもっていて、ラストのロングトーンが、
「・・あの父に」一息入れて「恥じぬよ」でまた一息入れて「おぉ~~~~」になってました。(伝われ~!)
東京では、一息入れて「恥じぬようおぉ~~~」でしたよね。
喉の調子を見ながら、より確実にロングトーンができるように歌い方を変えているのかなぁと。
シングルキャストで33公演目ですもんね~ けして絶好調ではないんやろうとは思うけど・・・

狭くて横長というイメージの新歌舞伎座なので、演出が少し変わってましたね。
例えば、銀行マンになったケインとマシューのシルエットが歩いていき、移民船でニューヨークに来たアベルとジョージのシルエットとすれ違うというシルエットの動画は、オーブではセットの白いキューブに映し出されていたのが、大阪では扉幕が閉じてそこに映し出されてました。
ストーリーテラーのフロレンティナが扉幕の前、上手端でナレーションしてました。
フロレンティナの咲妃みゆさん、めちゃ近い!って感じです~

なので、その扉幕が左右に開くと、プラザホテルのレストランのシーンになるんですね。
オーブでは、暗転後に下手のテーブルにケインとアラン、マシューが滑り込んで座るというところが見えて、50秒のお着換えを妄想してましたけど、大阪では、扉幕が開いた時点で、3人は椅子にどっしり座ってました! 慌ててる様子もなく(笑)

二幕の、戦争へ行ったケインとアベルを妻たち~ケイトとザフィアが迎えますが、それぞれの家のドアが、ステージ正面に並びました。青いドアと赤いドア。
・・・・オーブでは下手、上手で舞台斜めに登場してたかと。
その前で、真正面を向いて二人が並んで歌いました~
「♪戦争からもどって」、あのお二人の歌も素晴らしかったな。キレイにハモるんですよね。ほんとに素敵!!

確かめたいなと思っていたところもいくつか確認。

老いたケインとアベルが対峙するラスト。
「♪何のために」を歌うシーンで、歌詞からすると、アベルはドイツでケインを救ったことを思い出し、プラザで会ったことがあることをケインは思い出します。
それはやっぱり、あの銀の腕輪がキーなんですよね。

あの銀の腕輪。冒頭で、幼いアベルの腕に男爵がつけてやるんですけど、白く光るんですよ。フリフラみたいに!
プラザでケインが見つけたときはピンスポ当たってたけど、それ自体も光るんです!! 
プラザでも戦場でも、確かに光ってました。そして、対決の場の銀行でも。照明さんがオンオフしてるんですかね???

で、その腕輪。ケインとアベルが初めて会うプラザのレストランで、給仕のアベルがワインをグラスに注ぐときに、ケインが腕輪に気づいて思わず目で追います。
(・・・・原作によると、高級そうな腕輪を給仕が着けてるのがケインには不自然に見えたらしいですが)

ケインに見られて、とっさに違うほうの手で腕輪を隠すようにするアベル。その時、マシューも気づくんですね。

「プラザじゃウエイターに手枷をするのかい」

「反抗的な者に限ります」 と落ち着いて応えるアベル。

思わず、マシューをけん制して、「ボクの連れが、すいませんね・・・」と謝るケイン。

「あなたのお友だちは面白い方ですね」 と応えるアベル。


この後、アベルはジョージに、「笑えない客のジョークもうまくかわす」というような歌にして給仕の心得的なことを言うんやけど。

原作でこのシーンを探したら、シチュエーションは異なるけど(ケインの祖母たちとマシューの両親が大学合格をプラザで祝ってくれる席でした)
アランが「君のお父さんが生きてたら、今日の君をさぞや誇りに思うだろうな」と言ったので、アベルは、ケインのことを(この若者は、こんな誉め言葉に値するどんな偉業をなし遂げたのだろう)と思うんですね。
そして、(世の中にいるケインのような若者と対等になれるようになろう)それを人生の目標にしようと決意します。

舞台では、この「手枷」のシーンが、後々のケインへの敵対心への種火になってましたね。
ちなみに、この「手枷・・・」の台詞は、原作ではないけど、ドラマ版(1980年代に日本でも放送された)ではあるんですよね。しかも、ケインが「手枷するのかい」って言うてるらしい~~ 

ケイン&キャボット銀行に融資を申し込みに来たアベルとケインのシーン。融資を断って言い合いになった後、アベルの手の腕輪に気づくケイン。

「その腕輪・・・どこかで見たことがある」 

「あぁ、そうだ。俺たちは前に会ってる。プラザじゃウェイターに手枷する、あんた好みのね・・・」(こんな感じの台詞でした~)

あの時「手枷」と言ったマシューとケインのことを、アベルは忘れてなかったんですね!
リロイの言い残した「あの若造」が、あの時の青年で、まさに自分とは真逆の立場にいることに、アベルは怒りが湧き上がるんです。

ちなみに、この銀行でのシーン、頭取のアランに「銀行は何人にも融資をストップする」と言い渡されていたので、ケインは銀行家として真面目にそれを実行しようとします。
アベルに渡された書類を手にしたまま、チラッと腕時計を見たりして無関心な素振り。それでもアベルに促されて書類に目を通すうちに、徐々にアベルの言葉をきくようになっていくケイン。
こいつやりよるな、ってほんとに思い始めるのがわかるんですよ。このへんの表情の変化が繊細で、ほんと、上手いんですよね~ 

アベルと決裂してからケインは葛藤します。
「救いたくないか 救えるはずだろう」と歌うケイン。「活かせなければ何が財産だ」
父からの教え、矜持、一人の人間としてやるべきことをやろうと、このとき思うんですよね~~

そして、ここからの一幕ラストの二人の歌が、ほんとにすごい。
東京初演の時は丁寧に歌うケインが、アベルのパワー負けそうな気がしたけど、さすがに33公演目、負けてませんでした。
二人の掛け合いの歌「♪命ある限り」、やや乱暴にさえ聞こえるアベルの歌をけん制するように、鋭く歌うケイン。
歌い終わって二人が帽子をかぶった瞬間、拍手とともに「Whoooo~~」という大きな歓声が大阪でもありました! (感動~!)

腕輪でいうと、二幕のドイツの戦地。
アベルはケインと気づかず助けて、ケインも、ここで銀の腕輪に気づくそぶりはなかったんですけどね。
でも、アベルと同行してた兵士が、「そんなものを着けて、それは規約違反だ」みたいなことを言うんやけど、これは腕輪のことですよね?
そして、ケインがソロで歌う歌詞ですよ。
「光る何か」が見えたようで、「天国への道なのか、違う、だれかだ」 というのがあるんですよ。これって、やっぱり、腕輪のこと??アベルのこと?

だから、老いてからの二人が歌う「♪何のために」で、すれ違う時に気づく、「あれはドイツだ」「プラザでも会った」につながるのかなと。

ほかに気づいたところは・・・
原作にある経済小説の部分が薄まって、家族の物語にしたんやな、というところです。
原作では、頭取の地位を下ろされ、体を壊し、息子リチャードの家族と和解して会おうとする前に亡くなってしまうケインがこの戦いの敗者で(ほんま可哀そう~)、ヘンリーが自殺したことで収監を免れ、銀行の株を取得することでケインを頭取から下ろすという目的を果たしたアベルが勝者のようなイメージでした。
(原作では、アベルは最終的な勝利の満足感があまりに小さいことに驚いた・・とあるけど・・・)

でも、舞台では、ケインもアベルも家族の信頼をなくす、息子や娘が去っていくという、敗者として描かれてるんですね。
「家族のために」戦っていたはずなのに、その「家族を失ってしまう」という結果。

終盤の見開きで描かれる二人。
ケインが汚職をリークしたことで銀行内での人望を失い、アベルに誰かが株を売ったことで、ケインは筆頭株主ではなくなり頭取の座を下されます。
アベルは、ケインのリークからポーランド大使推薦の話がなくなり、片腕だったヘンリーも逮捕される前に自殺していまいます。人を死に追いやってしまったことに、アベルはショックを受けるんですね。

アランはケインに、ジョージはアベルに言うんです。

「金は残っただろうけどな」

「何てことをしたんだ」 というケインとアベル。

ケインだけが自滅していたのではなくて、アベルも傷ついていたんやね。

そういえば、アベルがリロイを失って、ザフィアが「♪あなたならできる」と励ますところ。
アベルの優也くんが涙を流してるのを初めてはっきり見ましたね(東京では気づかず~)
ザフィアの知念ちゃんが、歌いながら指でその涙をぬぐってるんですよ、それ見て、もらい泣きしそうに。
すごいな、役者さんて~~

知念ちゃんといえば、フロレンティナのお店のオープン記念パーティで、娘であるフロレンティナが「♪私ならできる」を歌ってるときに涙を流してましたね。
隣に並んでる夫のリチャード役の竹内くんもフロレンティナを見て泣いてるんやけど、知念ちゃんもです。母親ですもんね。
それを見て、私も涙が…だって、この後のシーンが・・・
役者さんに泣かされる作品ですよ、ほんとに。

友だちに言われて気づいた「葉巻を渡すところ」、ここも東京でちゃんと観られてなかったなと思って、大阪でチェック。

子どもが生まれたところも、上手と下手で、それぞれが同時に描かれます。
ベビーを抱いたザフィアと医者が出てきて(看護師もいたかな??) スーツ姿のアベルが内ポケットから葉巻を2本取り出し、医者に渡します。医者は1本の葉巻を鼻に持っていって匂いを嗅ぐんですね。なので、葉巻だということに気づきます。
ケインも、産科医者に、胸ポケットから葉巻を1本出して医者に渡します。(内ポケットやないのね~)

・・・・調べてみたら・・・欧米では自分の子どもが生まれたお祝いとして、父親が葉巻を近所や知り合いにふるまう習慣があったらしい。男の子なら葉巻、女の子ならチョコというのもあるようです。今はそういう風習もなくなってるみたいですが。

それと、さすがに知念ちゃんのベビーの抱き方がナチュラルでした。(息子さん二人いるからね~)
アベルのぎこちない抱き方は、それはそれでよかったです! 
ケインは、わりとうまい抱き方でしたよね。お人形ではあるけど、ベビーが見えましたね。

東京千穐楽から1週間ぶりのケインでした。
その間に、おそらくレギュラーのラジオとwithMUSICの収録、があったと思うんやけど、(BSTBSの「美しい日本に出会う旅」もあったかも)元気な姿で舞台の真ん中にいてくれたことがうれしいですね。

つくづく、年齢を重ねていくケインを丁寧に演じていった洸平くんがすごいなと思うし、そこが、ほんとにたまりません。
若いころのケインは歌い方も若々しく、台詞も可愛いしゃべり方なんやけど、中盤から変わっていくんですよ。
アベルに対する憎悪が高まって、キューブの上でマスコミにリークするあたりは、ちょっとニヒルで、コワいくらいの言い方でした。
息子の結婚を認めないところも、はっ、とか、けっ、というような表記しにくい言葉まで言ってましたしね。
あまりに力が入りすぎて、一瞬台詞が詰まってしまったところもありましたね。

二幕のソロも、東京初日とはまた違う歌い方ですよね。感情がこもっているというか。
ミュージカルの歌い方とはちょっと違うのかも知れないけど、台詞を言うように歌うんですよ。

そして、東京の2階席でまぶしい~~って思った照明が、あまり感じなかったですね。劇場の特性なのか、照明の位置が低いようで、光が客席より高いところに行ってたような気がしました。

それから、アラン役の益岡さん、ハーバード・クラブで、ケインとマシューを紹介するときに、マシューの名前ををめっちゃ間違いましたよね?
周りの人がなんか言って(思わず突っ込んで?)言いなおしてましたけど、わざと間違えたかのように?めっちゃジョークにしてしまうあたりが、さすがベテランです(笑)

大阪初日のカーテンコールは3回でしたね。
東京は2回が定番で、最後はオーケストラの演奏で終わる、というパターンでした。
東京千穐楽は、さすがに4回出てきてくれたそうですけど。

最初のカテコで、優也くんが下手から歩いて出てきたけど途中から駆け出して、洸平くんが駆けて出てきたからですよね?
洸平くん、ガッツポーズしてましたよね??
0番で2人が笑顔で力強く握手。拍手と歓声~~ 優也くんがおじぎして、洸平くんが前に。三階席まで見てくれて深くおじぎ。
そのままハケて、2回目。
全員が登場し、洸平くんリードで全員がおじぎ。全員が上下にハケて、上手で洸平くんと優也くんが肩を組んでおじぎ、洸平くんの手が優也くんの方をポンとして、手を振ってハケる。
オーケストラがテーマ曲を演奏、合わせて客席の手拍子、ジャン!で演奏が終わったのに、手拍子がまだまだ続いたんですね。
客電がついてアナウンスが流れてたけど、その手拍子に応えてキャストの皆さんが出てきてくれました~~
盛大な拍手・・・中央、0番に立った洸平くんが、両手を上から下へ抑えるようにジェスチャー。
すると、客席が静かになって・・・なにかご挨拶してくれるの??? って思ったら。
「ありがとうございました~!」 とおじぎ。つられて全員がおじぎ・・・ハケていきます。ハケ際に、優也くんが洸平くんに何か言ってましたね。
二人方組んで上手に並ぼうとしたとき、ジョージ役の上川くんも、なんか言うてました。
おそらく二人とも、「なにも言わないの??」 やったと思う~~ (苦笑)

拍手が続く中、二人が上手端で並んだ時、今度は優也くんが、両手を上から押さえるようにして客席を鎮めて~~(ウケるで~ 期待も高まるで~)
「ありがとうございました!」 と洸平くんのように挨拶。(それだけかい~)
肩組みながら二人が手を振って上手に退場しました~

初日挨拶、座長からのもう一声があっても良かったと思うけど、この流れも悪くないです。はい。
  
この日は、神戸の観劇友だち(洸平くんファンではない)と待ち合わせたんやけど、チケットを確認したら隣同士で笑ってしまった。同じところで買ってたとはいえ(事務所の先行抽選)
レミぜなどミュージカル通の彼女が、言うてました。

「洸平くん、こんなに歌えるなんてびっくり。『スリルミー』(二人芝居のミュージカル)にも出てたとはいえ、こまつ座さんのような舞台が似合う人やと思ってたからね。もっとミューージカルに、というか舞台に出たらいいと思う」

ケインとアベルの原作も読んでる彼女なので、「あの小説を、うまいことまとめてるよね~」と感心しきり。

外に出たら、大阪上本町も雪がちらついてました。
さっぶ~~~



大阪の友だち(洸平ファンの!)と会えたので、軽く一杯飲んで帰宅。



大阪で雪が降るって、珍しいですよね~~

大阪公演27日の感想は → こちら

大千穐楽の感想は → こちら


ケイン&アベル 2月6日マチネ

2025-02-17 12:58:07 | 演劇・舞台
この日曜日から大阪公演が始まります。
記憶の上書きをしてしまう前に、2度目の観劇の感想を記しておかねば・・・
前回書きそびれたことも含め、やっぱり長い・・・汗
そして、ケイン目線・・・アベル、ごめんよ~~

(初日の感想は  → こちら )

これから観るという方、ネタバレいらないという方、興味がない方はスルーを。
記憶違いもあるやろうし、文中の台詞も正確ではないです。そんな感じの台詞やったということで。
何度も観劇してる方は細かな所作や台詞、楽曲の歌詞まで覚えておられるようですが、観劇中はケインを追うのに精いっぱいで(笑)そんな余裕もなく~ 
とにかく、忘れないうちに、書きかけの記録をアップしておきます~


プログラムと、グッズの銀行券風メモ用紙。そしてプリンシパルキャストが入ったチラシ(こちらにはなかった~)

シニアチケットで用意されたのは、2階席のセンター3列目。
ほんとに舞台が良く見えました。セットの転換、照明、プロジェクションマッピングの映像、何より、アンサンブルの方々含め、キャストの皆さんの動きもよくわかりました。
初日はちょっと傾斜がある14列目の上手なので、オペラグラスで洸平くんをガン見してたから、つくづく、下手のお芝居をふくめ全体をちゃんと観れてなかったですね。

2階からだと全体がよく見えるので、見開きで左右で描かれるシーンや、セットの後ろに映し出される景色もよく見えます。床に当たる照明の絵柄も!ほんとに、各所で、プロフェッショナルな方々がお仕事をされてるんやなぁと。

オープニングで、フロレンティナがアルバムらしきものを持って中央奥から出てくるんですが、キューブの割れ目、センターに光の道が現れてました。そうなのね~~
そして、この演出はラストの、ケインが登場するところも同じでした。キューブが左右に引かれて、光の道ができるんです。なるほど~

そして、何気にセットを動かす人は黒子やと思ってたんですけど、白いシャツを着た半分白子(苦笑)でした。舞台スタッフは黒のイメージやったから、意外ですね。アメリカンスタイルなんでしょうかね~

移民船シーンも、「♪アメリカンドリーム」を歌いながら、アベル、ジョージ、ザフィア、そしてアンサンブルさんも、こんなふうに動いてたんやと。

オーケストラが見えるハーバードクラブ「♪最高の時代」のシーン、洸平くんが登場するのを見逃したらあかんて思ってオペラを構えてたけど、やはり、出てくるタイミングを見逃して・・汗 気づいたら中央にいはりました~(苦笑)
タキシード姿がほんとに品がよくてカッコ良い~  

歌声は・・・初日、音程を確かめるように丁寧に歌っていた「♪父の名に恥じぬよう」
この日も同じように丁寧やったけど、ラストの、「はじぬよおぅ~~~~」のロングトーンの前、ブレスするところ、息を吸い込む音が聞こえるくらい深く吸ってましたね。もう、しっかり、自分の歌にしてる~~

プラザホテルのケイン、アランとマシューの3人でテーブルを囲んでるところ。(50秒で早替えしたところね)急いでセットに入り込むのがわかるんやけど、席に着くとちゃんと芝居してるんですよね。マシューと何か話しながら、コーヒーにお砂糖をスプーンに1杯入れてかき混ぜてました。細長いワイングラス、中は空やけど、ちゃんと飲んでたし。
どんな会話をしてるかは・・・2階席ではわからんけども(汗)

マシューといえば、1幕でのベッドシーン(←だから、言い方よ!) 病で倒れたマシューを見舞って、思わずベッドの横にケインが入り込むんやけど、初日はそこで笑い声があったのに、この日はなかったんですよ。少なくとも私の周囲ではなくて。慣れたの? 意外性はなかったってこと? 
ここで病んでるマシューが、いつもケインが自分の前を歩いていたけど、死ぬことは自分の方が先だ、みたいなことを言うんですね。ほんと悲しすぎる。ケインがいつくしむようにマシューを見つめるのが泣けてきますよね。
そしてマシューがカクッとなって息絶えるのは、初日よりは自然な感じになってたかな。

そのマシューが、銀行に損害を与えてしまったから融資をストップすることになったってアランはいうんやけど、原作はそうではなくて。マシューのせいではなく時代のせいですよ。なんせ、世界恐慌やから。

「♪大恐慌」、2つの長テーブルの周囲に民衆がいて、そのテーブルにひょいと乗って険しい顔をして上手に歩いていくケインのシーンがあります。
初日はケインの顔をオペラで追ってたから気が付かなかったけど、ケインが歩き終わった1台目の長テーブルを、2台目のテーブルの前にアンサンブルの皆さんが運んでたんですね! ケインが歩き続ける、不穏な細い道のように。
銀行家は、銀行と、そして人に尽くすべき。ケインの心の葛藤が伝わるシーンですよね。

アベルは、ホテルプラザのレストランでの働き方を気に入られてホテル王リロイのリッチモンドホテルで働くことになりますが、リロイさん、株をやって儲けていたからリッチモンドがずさんな経営で赤字が出てても平気やったんですね。ホテルを抵当に入れて銀行からお金を借りて・・・そこに世界恐慌です。
200万ドルを期日までに支払わなければ競売にかけられる・・・「君なら立て直せるかもしれない」そんなホテルをアベルに託して死んでしまうんです。

1幕ラストで、アベルがケインに融資を申し込みに行くところ。融資はダメだと言うアランに、銀行家は社会のためにすべきことがあると(そんな感じの台詞)ケインが言って、アランと言い合った余韻があるまま、アベルを迎えてるんですよね。
融資はできないというケインにいら立つアベル。でもこの時、ケインはアベルを評価する。アベルが帰ったあと、ケインがどこかに電話するシーンがありますが、ここは上手で憤懣冷めやらぬアベルが描かれてて、ケインの台詞は聞こえません。でも、これは匿名で200万ドルを融資する依頼をする電話やったんですよね。
このあとジョージがアベルに、「匿名の投資家が貸してくれる」という報告をするから、ここで、このストーリーにうすうす気づく人も多いかと。
アベルに200万ドルを投資したのはケインだろうなと。

そしたら、なんで、このことを素直にアベルに言わなかったん?って思いますよね。言うチャンスは何度もあったはずやのに。そしたら30年以上アベルに恨まれることも、アベルを憎悪することもなかったのに。

原作では最後にアベルが読む手紙で明かされるけど、父から受け継いだ銀行家としての矜持が告白することを邪魔したんですよね。「職業上の利益と個人の利益が衝突する可能性があるから名前は明かせない」「いかなる受益者にも家族信託の投資を知らせてはならないと規定した信託証書に違反してはいけない」から。うーん、わかりづらーい。

舞台ではサクサクっといろんなものが省略されて物語が進むので、その分、わかりやすくドラマチックに描かれてます。
「あなたはなにも失ってない」・・・孤児として生まれ、故国も失って、アメリカンドリームを夢見て上り詰めてきたアベルはケインにこう言うけど、裕福な家に生まれたケインだって、父を失い、母を失い、友まで失うんですよ~~ 

SNSに流れてくる感想に、「洸平さんは踊れる人なんですね!」というのをよく見かけました。キレッキレとか、アイドルのダンスみたいに顔をのこしてターンしてるとか。
踊れることは知ってるから、ダンスがすごかったという印象がそれほどなかったんやけど、顔残すっていうのは、いわゆるアイソレってやつですよね。(アイソレーション、顔とか足とか手とかを独立して動かすというダンスの基礎らしい)洸平くんはできますよね。中学生のころからダンスをやってて(ちゃんと習ってはりました)、高校でヒップホップダンスの同好会を立ち上げたくらいの方なので。

「♪最高の時代」のハーバードクラブのシーンでキレッキレに踊ってたけど、二幕の、「♪成功間違いなし」のシーンでも、洸平くんは軽やかにステップしてましたね。
あれがチャールストンなんですよね! (今回、ダンスの基礎ステップ動画をどれだけ見たやら~~苦笑)
初日はオペラでお顔をガン見してたから気づかなかったけど(多分)、ほんと軽やかに無理なくステップしてるんですよ~ ほんで、上手~い。
青コーナーと赤コーナーで(←言い方!) W松下の二人が、軽やかに後ろに動いていくのも(ほぼケインしか見てないけど~~)、2階からしっかり拝見できました。ああやって、後ろに下がって窓辺へ行ってたのね、ケイン! ほんとにしなやか~
上から見るとよくわかる~ 初日、ほんま、どこ観てたんよ、私~(汗)

2週間経ってのこの日、洸平くんの芝居のメリハリもしっかり出ていました。静と動。ケインは静ばっかりではないんですよ。表情も豊かに(オペラ越しやけど)歌声も大きくなっていました。二幕の、優也くんと歌うところで、2か所ぐらい、高音が歌い辛そうに聞こえたんやけど、気のせい?? 多少の疲れはあったのかな。

二幕の、戦争シーン。
センターから見ると、あのナマお着換えの下着姿、前にいるアンサンブルの人と重なってケインの全身が見えなくなるんですね。まさにチューチュートレイン状態。サイドから見るとちゃんと見えたけど。でも、やっぱり、ケインしか見てないようで(笑) アベルの優也くんの着替え方はざっくりで、上着の胸がちょっとはだけてたりしてるらしいけど、気が付かず(苦笑)

このあとの洸平くんのソロ。
2階席で観た友だちから聞いた話では、2階席センターは照明をマトモに食らうらしいとのこと。
確かに、階段を上って歌うケイン越しに、3つ?の光がステージ奥から発射?されるんですよ。オペラで観たら目がくらむっていうからオペラをずらして・・・多少まぶしかったけどシルエットはわかるし。歌声も聴こえました~~ 後光に浮かび上がるケインもいいですよね
この曲はマシューが歌った「また会う日まで」のリプライズ。
歌詞にちゃんと、「マシュー、死ぬってこういうことかな」ってありましたね。マシューが僕の方が先だと言った死。死に対する恐怖と悲しみにあふれた歌でした。
バックの光が零れ落ちるような星空の?映像もキレイでしたね。

このあと、倒れたケインはアベルに担がれていくねんけど、アベル、初日よりもスムーズに担ぎましたよ。洸平くんが担がれに行ってる感じ(苦笑)。担がれた後も、アベルの背中で、手を初日よりもブラブラさせてました~(笑)

二幕で、ストリーテラーのフロレンティナが、「そこに私が登場します」とセットに登場していった時に客席から笑いがあって、ちょっとびっくり。初日はなかったですよね。確かに、可愛く楽しそうに登場していきましたけども。リチャードとの会話でも結構笑いがあって。やっぱり、この二人は癒しです~
リチャードがキスしてもいい? とかいって、フロレインティナの方からチューしたりして、ほんと可愛い~。

白いキューブのセットの上で、そのフロレンティナから、ケインの息子と付き合ってると聞いて激昂するアベル。ケインに対する敵意を聞かされ続けてきたフロレンティナやけど、彼女のアベルへの台詞が言い得てますよね。
「パパは賢いのに、どうしてそこだけ愚かなの」
ほんとに。

ヘンリーのことや、銀行の株をアベルが買い集めていることを知ってから、誤解を解こうとアベルに電話するケインですが、決裂した時にいうんですよね。
「俺はバカか。和解などできるはずないのに」 ほんとに悔しそうで、ここからアベルへの憎悪が増していくんです。
ちゃんと話せていれば、演じる洸平くんと優也くんのようにコミュニケーションがとれていれば、仕事面でも良いバディになれたはずやのにね、ケインとアベル。

初日、あまり印象に残ってなかったのが、ケインがリチャードを叱責するところ。アベルは、娘に言い負かされて?リチャードに会おうと思うのに、ケインはまったく折れないんです。アベルに対する憎悪が高まりすぎてて。ケインのリチャードへの叱責、初日よりも確かにヒートアップしてました。
上演を重ねるにしたがってもっともっと表情が険しくなっていったらしいですよ。(洸平くんの怒りの表情、必見ですよね! 大阪公演で観られるかな~)
原作でもケインはかたくなで、最後の最後まで、自分の息子に銀行を継がせることだけを考えてましたね。あの辺はほんとに堅物。そのために、アベルの娘との結婚をきっぱり諦めさせようと思ってましたから。

そしてこの日も、ケイトとザフィアがそれぞれの夫を非難するところから始まる「♪もううんざり」 こちらもさらにパワーアップしてましたね。
青と赤の、それぞれのところから登場するケインとアベルが中央で交差して、振り向いたらそれぞれの妻が歌うんです。、「あんたらええかげんにしいや」的な?その叱咤激励のパワーがすごかったです。
ここに、リチャードとフロレンティナも加わって6人で歌い上げますが、拍手も大きかったですよね。

しっかり見ておこうと思ったのは、老いたケインとアベルの「♪何のために」。
老いたケイン、本当に洸平くんの杖をついての歩き方、姿勢がおじいさんで、ほんま上手すぎる。老いたアベルも老いてるけど、優也くんは恰幅あるし。洸平くんもたくさん着重ねてはいるようやけど、枯れた感があるというか。みすぼらしくはないです。コートもスーツも帽子も上品で、お金持ち感はちゃんとあります。帽子をかぶってるから、2階からはシュッとした顎のへんしか見えないけど。

「私より老けている」ってアベルが歌うんやけど、(ケインは病持ちやから・・・汗)
二人が中央ですれ違う時に、アベルは振り向き、気付くんですね。過去に会った彼のことを。
ケインもアベルを見たのかな。向こう向きになってるからわからなかったけど。
それぞれ、上手、下手に行って、振り返って帽子を持ち上げて会釈するんです。

原作ではケイン目線で語られてて、アベルの腕輪に気づいてケインが記憶をよみがえらせ、すべてのパズルが収まるところに収まったって思うんです。プラザのレストランで見た時のこと、ボストンの、ケインの銀行に融資を依頼しに来た時のこと、あの銀の腕輪を「どこかで見たな」ってケインは思いましたしね。そしてドイツの戦場で見かけた後ろ姿(原作を何度読んでも、銀の腕輪に気づくくだりはなかったんやけど)・・・今回の舞台でも、戦場でアベルが助けてくれたことに気づくような具体的な演出はなかったような・・・

原作では、すれ違う時に帽子を上げて会釈したらアベルも会釈して、二人は一言も交わさずに逆方向に歩いていきます。
「それだけで充分だった」フロレンティナに再会した時、アベルはそういうんですね。

老いた二人のシーンから涙目なんやけど、ラストの、書類を読むアベルの後ろ、光の道を歩いてくるケインの姿が見えただけで涙がこぼれてきました。そして穏やかにアベルを見て、アベルに駆け寄ってくる孫が目の前を通るときに、ケインはその背中を押します。初日は軽く押してる感じやったけど(多分) この日は、かなりしっかり、ポンと押したように見えました。リチャードとフロレンティナの息子、名前はウィリアム・アベル・ケイン。この日もここは号泣・・・
周辺で、嗚咽する声が聞こえてきたような・・・

アベル役の松下優也くんは兵庫県西ノ宮出身の方。ミュージシャンでデビュー。2、5次元ミュージカル「黒執事」から知ってるけど、私の大好きな舞台、『MIDSUMMER CAROL ガマ王子 vs ザリガニ魔人』の再々演に出演されてて、それが舞台で優也くんを拝見するのがお初やったかと。朝ドラ「べっぴんさん」に登場した時に、ちょっと話題になってましたよね。あと、「アシガール」で伊藤健太郎くんのお兄ちゃんの役をされてたり。ドラマもいろいろ出演されてます。
そういや、一昨年のミュージカル『太平洋序曲』の時はWキャストの山本耕史さんの方を観たので、優也くんの方は拝見できてなった。
なんとなく、洸平くんより年上かなと思ってたら年下で(34歳)、もっと細くて小柄と思ってたら、180㎝もあるし、カラダも一段と大きくなってました~ ちょっとびっくり。 

洸平くんと優也くん、初共演やけど、歌もぴったり合ってました。
育ちがよくて上品で、冷静だけど信念を貫こうとする頑固さがあるケインと、野心があって喜怒哀楽が激しくも愛情深いアベル。ちゃんとそれぞれの人物像をつくっていくお二人がすごい。
お互いをリスペクトし合ってるのはインタビューとかでも拝見してるけども、信頼しているからこそ、思いっきり演じることができるんやろうなと。

バレンタインの日の、洸平くんのポストは泣けてくるくらい深かったけど、→ こちら
優也くんを「日本の宝」ともおっしゃって。
その洸平くんのポストに、優也くんが、「相棒じゃなくて恋人にしたいなぁ」「恋人にしたい有名人1位にいってもらえるなんて」なんてコメントしてました!
ほんとに、めちゃくちゃ、愛してくれてますね!!

大阪公演は、23日から3月2日まで、新歌舞伎座。早々にチケット完売して、見切り席も販売して完売。先日、立見席も出て、それも完売。
いつも利用している満席応援チケット救済サイトにもチケットは出てこないし、某転売サイトでは、大千穐楽のチケットが桁外れなのが出品されててびっくり。
世界初演のミュージカル、これだけ人気が出てるので、きっと再演はされるはず。とはいえ、早くても2年先かな?
(来年は大河で家康を演じなければなので!!)
老い先短いので、なる早でお願いします~~

新歌舞伎座に、ケインとアベルの幟旗も立ったようです。洸平くんの幟、早く見たいな~~


再び東京へ

2025-02-15 12:14:55 | 演劇・舞台
東京初日を観たので次は大阪で、って思ってたのに。
世界初、初演のミュージカルは、やはりミュージカル通(ツウ)の方も様子を見るのだとか。
しかも、38年も続いているという老舗のグランドミュージカル『レ・ミぜラブル』が同時期に帝劇で上演中。
帝劇の建て直しで最後の公演というもあり、ツウの方はそちらに行ってはるんですよね。

でもね。舞台は日々進化して、追いチケして観に行く人がいる・・というSNSでのつぶやき。口コミの効果がじわじわと出だして、ツウの方も観に行きはじめ・・・
何より、主演のW松下(ユニット名かいな)を絶賛する人が多く、私の中で、大阪まで待てる???という自問自答が~~

そして、悪魔のつぶやき?? シニアチケットがプレイガイドで発売されたんですよね~~
・・・U20とか学生割引チケットも出てましたけども、シニアチケットは初めて見ます。それだけ売れてないってことかな・・・と心配にもなり。
ちなみに、シニアチケットは55歳以上。55歳がシニアなのか、というご意見もありますが、(イオンシネマの映画チケットもシニアはこの年齢からシニアです)この際、お安く観られるならシニアと言われようが行くべきでは!! (私は、とおにシニアです!)

そんなこんなで辛抱できず、日帰りでこそっと上京することに! (何がこそっとなんやら~!)

初日から2週間ぶりの『ケイン&アベル』、初日に見逃がしてるところ、進化してるところを確認しに! 行ってきました~~

おりからの寒波到来もあって、早めに出発。
途中、関ヶ原のあたりは確かに雪景色でしたが、岐阜羽島では晴れてましたよ!
静岡で、富士山もしっかり観られました!! ええぞ~~



品川で、同じようにシニアチケットで日帰り観劇をもくろむ(笑)友だちと合流。
急ぎ足で渋谷まで。行き慣れてる自分に笑える~~

渋谷の地下にある紀伊国屋さんのカフェで早昼を食べ



ヒカリエ2階のサイネージをチェック・・・何度シャッターを押してもアベルの優也くんしか撮れず・・汗 かろうじて撮れたのはこんな感じ。



動画で撮影しても通行する人が映り込むんでね、そらそうよね。
ここで、いつもお世話になってるノブオさんファン友だちが、朝日新聞東京版に劇評が掲載されたからと紙面を持ってきてくれました。わざわざ、ありがとうございます。
お友だちはこれから、推し様の舞台のサイネージが地下鉄の駅に出てるから、それを撮影しに行くのだとか。みんなすごいね!! (人のことは言えない~)



さて、シアターオーブのある11階に上がって、当日券コーナーを探します。
シニアチケットは2階のチケット売り場ではなく、劇場入り口近くにある当日券コーナーで配布されるとか。
事前に、交換券を発券してあるので、それを見せてチケットをいただくんですね。
開演1時間前からとのこと。13時開演なので12時からですね。時計を見たら11時半。
ちょうど、入口階段の前に係の方らしき人が見えたので聞こうと思って近寄ったら、その横にありました!



当日券とは並びが違うみたい。
早速並んだのですが、1番乗りです(笑)
SNSから、シニアチケットは2階席というのは知ってたけどね。
というか、ここに並んでたら年寄りというのがバレるんじゃ(苦笑) いやいや、誰に? シニアを隠すような見た目でもないし。

12時少し前に、係の人が「皆さんこちらへ」と案内されて階段を上がっていったのですが、シニアの列は30人くらいになってました~~ もっといたかな。
ホール入口横の特設「シニア窓口」へ。


これは人のいない終演後に撮った窓口。



記念に撮っておこ。
やはり、2階席でしたが、3列目のどセンターでよく見えるお席。
シニア価格で(半額近く!)ありがとうございます。

初日は人も多くてバタバタしてたから、ほぼ写真も撮らず、劇場を味わうヒマもなかったけど、この日はオーブを少々探検。



3階へ行こう、3階から撮った渋谷の街を洸平くんがインスタスーリーであげてたよね。って3階へ。



昼間なのでお日様がまとも。しかも自分が映り込んだりしてうまく撮れない。
ガラス越しで撮影するときは、ガラスにスマホのカメラをピタっとくっつけて撮ると映り込まないっていうけど、そうすると撮りたい画角で撮れない・・・もどかしい。

幕間で行くトイレの位置を確認しつつ、2階の上手側の、この場所やなと。


これは終演後に撮影したもの。

インスタストーリーでは、ビルの広告が見えないようにそこに文字を入れてアップされてましたね。
CMに出てる人はいろいろ考えて撮影してるようですよ。えらいね~ (当たり前か~)

舞台の感想は、別日に。
なんせ、長い、たぶん。

終演後は急いで東京駅へ。
品川からでは座れないかもなので東京駅。

駅弁を買おうと・・・人気のお弁当は17時の時点で売り切れてるらしいけど、というか、駅弁も高くなってますね・・・



北海道、というのと、イカメシがついてるというのでこれに。
(イカは、洸平くんのお好みという、それだけやけど 笑)
ビールは・・・マルエフがなくてスーパードライに。

「姉さん、やっぱり飲むんですね」

友だちに突っ込まれる。そらそうでしょ。ここから家まで3時間もかかるんですから~~

だんだん日が暮れていきます。
名残惜しくなって、真っ暗な窓から富士山らしきものを撮影。



前日も仕事してたけど、翌日ももちろん仕事。

よーやる。私。



東京二日目

2025-02-13 10:10:20 | 演劇・舞台
一泊二日の東京観劇旅。
相変わらず、詰め込んでます。



『ケイン&アベル』のソワレを観た後は、まだチェックインも済ませてなかったのでまずはホテルに行こうと。
夜遅いチェックインも可能ではあったけど、同じホテルを予約してる洸平ファンの友だちと合流して、ホテルのある新大久保へ。
そう、新大久保のレディス専用ホテル。
小さいし、エレベーターはないし・・しかも4階という~(苦笑)
なんせ、値段でホテルを決めてるからね。
別々の日に別々で申し込んだのに、隣同士の部屋にしてくれてました。

とはいえ、新大久保。
ここは韓国の町ですよね。一時ブームになった韓流ファンが集まるという・・・なので、周辺は韓国料理のお店ばかり。
辛い物が苦手という友だちが、「辛くないものが食べれるお店ありますか?」ってフロントのお兄さんに聞くと、
「ないですねぇ。近所に小さいスーパーがあるので、そこでなんか買って、廊下にレンジがあるの温めて食べるのはどうですか」と。

それでもいいか~~ということで、スーパーへ。
あれやこれやと見ながら、結局、友だちは「お好み焼き&たこ焼きセット」、私は「オムそば」というチープなものを。
ついでに、ビールを2缶手にしたら、友だちに、

「姉さん、こんな時間に2缶も飲み過ぎちゃいます?」

なんて言われ、(すでに時間は夜の10時半ごろ?)そうぉ~と言いながら1缶を棚に返して、発泡酒に替えた。
・・・いやいや、そういうことではない(笑)

ホテルに戻って、友だちのお部屋で一緒に食べることに。
とはいえ、小さなレディスホテル、テーブルがない。壁に取り付けられた棚のような鏡前はおひとり専用の狭さ。
ベッドが二つ(一つは簡易ベッド)があるので、とりあえず、ベッドの上に広げて「おつかれナマです!」



相変わらずチープな東京の夜。
興奮冷めやらぬ中、感想を語り合える人がいるのはありがたいね。

というか、頭がコーフンしてるせいか、線路沿いなので電車の音が気になるのか、なかなか寝付かれず・・汗

翌朝は、友だちとはお別れして私は渋谷まで。
ノブオさんファンの友だちとお買い物をする約束があって~~ 
前日、マチネのハリポタから、ソワレのケイン&アベルまで一緒だった友だちと渋谷で落合い、マチネで一緒だった友だちとは押上で合流。

目的は・・・毎年恒例のイベントになりつつある、ノブオさんへの誕生日プレゼントを買いに。
もう10年以上?毎年、仲間(10人余り)でプレゼントを送ってます。

押上と言えば・・・



見えたら、撮りますよね~
スカイツリー。
上ったことはないけど、この辺は何度か来てます。

3人で、パタパタっとミッション?を済ませ、午後から下北沢まで行く私に合わせて、バタバタッとお昼ご飯。
ほんとに、お付き合いありがとう!!

スカイツリーの足元にある「ソラマチ」で。



すき焼き重。
牛肉は食べなれてるとはいえ、この日は肉気分(なんでや~)

下北沢では14時からの舞台を観る予定なので、押上で一人と別れ、もう一人のお友だちとまた渋谷まで~
いつも東京でお世話になるお姉さんですが、ほんとに軽快に推し活されてるんで、尊敬してます!

私を含め、3人とも、ノブオさんファンとして知り合って20年ちかく。
ノブオさんきっかけで演劇と出会い、ずっと演劇を観てきた人たちです。
押上で別れたお友だちは、グランドミュージカルから小劇場まで幅広く、すっごい数の観劇数。
東京在住がうらやましい・・・というか支出もすごいでしょうけどね。

渋谷まで私を連れて行って、下北沢行きの小田急に乗るとこまで案内してくれたお姉さんは、今は古川雄大くんをめちゃ推し中。
九州とか、信州や富山まで?しっかり追いかけてるタフな方です。
この方を目標に頑張ろうって思うくらい~

前日の『ケイン&アベル』も良かったよ~って、ホメてくださってました。
押上で別れた友だちも、これから観に行くから楽しみ!って。
ノブオさんファンだけでなく、観劇でつながってるから、長くお付き合いできてるんやなと思いますね。

さてさて、そういう観劇仲間の友だちと別れて、一人で下北沢へ。



演劇といえばここ!っていうくらいの聖地「本多劇場」で。



加藤健一事務所『詩人の恋』
ハイネの詩にシューマンが作曲した連作曲集「詩人の恋」をベースに、音楽教師と生徒の相克と和解、そしてそれぞれが背負う過去を描く二人芝居。
過去に、鑑賞会の例会作品にもなった作品ですが、老教授を演じる加藤健一さんは変わらずに、今回は、天才と言われながらも行き詰っているピアニストの役を息子の義宗さんが演じます。親子共演。

中央にグランドピアノが置いてあって、老教授役の加藤さんが弾きながら歌うというのも素敵ですが、義宗さん相手に皮肉を入りまぜたジョークを炸裂するところは、まさにカトケンワールド、客席からの笑いも絶えません。

でも、二幕になって、局面が変わるんですね。
単に、若きピアニストを立ち直らせる物語ではなかったんです。
オーストリアに来たアメリカ人の若きピアニストは、実はユダヤ人で、オーストリアの戦争遺跡である、ユダヤ人強制収容施設を訪れたことで憤りを感じたというのです。
ドイツと一緒にユダヤ人を迫害した過去にフタをしてる、この国は反省していないと。
その怒りを教授にぶつけるのですが、教授もまたユダヤ人で、収容施設に入れられていた辛い過去があったのです・・・

とはいえ、明るい未来が見えるようなエンディングになっていましたけどね。
最後に、後ろの幕が少し上がって、バックヤードの荷物が見えるんやけど、あれはなんやったのかな。
最後の最後は、全部の幕が上がって明るくなるから、それで未来を表してるのかな。
そこだけはちょっと不明・・・前回(例会の時)は、どうやったんでしょうね。



パンフを見ても、そのへんはよくわからず・・・



本多劇場のロビーには歴代作品のフライヤーが一面に貼られてました。

そこから急いで東京へ。新宿経由、中央線で東京駅へ。

1泊二日で3本。

今回も濃縮な観劇旅でした~~



ケイン&アベル 東京初日

2025-02-11 22:46:46 | 演劇・舞台
誰も観たことのない世界初のミュージカルの初日、歴史的瞬間を観てきました!
渋谷の東急シアターオーブのその真ん中、0番に洸平くんがいましたよ!
グランドミュージカルの初主演、それだけでも感動ですが、内容もほんとに素晴らしいものでした。
行けて良かった~!!



『ケイン&アベル』
東宝が名作小説の世界初のミュージカル化に挑み、世界初演として上演する作品です。
音楽、脚本・演出など、クリエイターは海外の方々。あらすじなど詳しくは公式HPで → こちら

公式HPのトップにもありますが、PVもアップされました → こちら
ゲネプロの映像やと思うけど、これだけでも充分、おしゃれで熱い物語が想像できるかと。

プログラムに、ワイルドホーンさん作曲の音楽タイトルが1幕から順に書かれているので、それを参考にして、初日の感想などを記しておきます。
めちゃ長いです。そして、ほぼケイン目線です(笑)

大いにネタバレしてますので、これから観劇する方、ネタバレを見たくないという方はスルーしてくださいね。
いつものことですが、台詞とか、カテコのお話とかは正確ではありません。メモってるのではないので、だいたいこんな感じってぐらいです(汗)
なので、そこんとこはご容赦くださいませ~

開演前の静寂、客席も集中、あの静寂がたまりませんね。

音楽とともに、KANE&ABELと書かれた中央の引き戸状の扉が両側に開いて、何もない空間に、白い大きなキューブが左右から二つ。
・・・すごい、人力でセットを動かしてます!

映像が映し出され、キューブとキューブの間から、ピンクの可愛い衣装を着たフロレンティナ役の咲妃みゆさんが登場します。
ストーリーテラーの役割で、アルバムを広げてフロレンティナが回想するところから始まるんですね。
年数を重ねたりシーンが替わるときにフロンティナは登場し、「スナップショット」を入れながら、物語をいざないます。

後ろのキューブに時代を示すアナログ写真が次々と映し出され、最後に下手にケイン(松下洸平くん)、上手にアベル(松下優也くん)の写真が映し出されると、それぞれの子役さんがその前に登場します。音楽とともに、二人の幼少期が、左右対称に、同時に描かれていきます。
「♪宿命の二人」

今回の舞台は、これが特徴的。
二つのキューブ、上手がアベル、下手がケイン、カラーも赤と青という感じ。同じ楽曲を歌いながら、それぞれの物語が見開きのように左右で描かれるんです。両方を見ないとあかんけど、対に描かれるから、ある意味わかりやすい。



原作はほんとに壮大な物語で(文庫本上下巻)、特にアベルの幼少期は壮絶です。
ポーランドの森で産まれ、貧困の中で孤児となり、第一次世界大戦の中、ロシア軍に侵略され、男爵の子として城の奪還を託されて銀の腕輪を渡されるヴワテク(のちのアベル)。

片や、同じ日にボストンの名家、銀行家の父のもとに生まれ、多くの祝福の中で育つウィリアム・ケイン。
幼くして父を亡くし、それでもハーバード大で優秀な成績を収め、銀行を継ぐべく期待される中で母も亡くしてしまいます。

ちなみに、ケインは名字で名前はウィリアム。アベルは名前。旧約聖書にある創世記「カインとアベル」にちなんで書名にしたそうですが、内容は異なります。

ストレートプレイと違って、音楽で物語を進行できるのがミュージカルの良いところやなと。いや、ほんとに。目を覆いたくなるようなアベルの壮絶な幼少期も明るいイメージになるし。

幼少期が左右で同時に描かれるので、文庫本上巻の大半が、あっという間に進行します。

戦禍を生き延びて、松下優也くん演じるアベルは移民船でアメリカに向かいます。相棒となるジョージと妻となるザフィアに、ここで出合います。
ジョージを演じるのが上川一哉くん。ザフィアは知念里奈さん。

船首の映像が映し出される大きなキューブの上で、3人が語り合うシーンがあって。(結構高いところなので、1階前列の人は見上げることに~)
移民船の乗客たちとここで歌うのが、「♪アメリカンドリーム」 PVにも出てきますが、ほんとに壮大で素敵な楽曲です。大きな星条旗が下がってきて、まさにアメリカンドリームが今から始まるぞっていう感じ。
もうここで、ワクワクします。

とはいえ、うっとり観てる間はありません。
歌い上げてから、アンサンブルさんたちが大急ぎで衣装を脱ぎだすんですよ。その間に後ろのキューブが左右に引かれていくと、奥にいるオーケストラが見えてきます。
すっごい! 客席にオケピがないと思ったら奥に! しかも、人数もたくさん~
ここはニューヨークのハーバード・クラブ。
オーケストラも背景、というかクラブのバンドのように描いてるんですよね。

丸いテーブル、椅子などが登場し、アンサンブルさんたちは、移民姿から素早くドレスアップ、ハーバードクラブのお客様になります。早業~~! 

「♪最高の時代」
軽快なメロディが流れて、ここで、ケインが登場するはず! オペラグラスを構えて洸平くんを探す・・・・中央奥から登場してきたんですよね?
(その瞬間を見逃したや~~ん! 似たようなタキシード姿の男子が多すぎるや~ん 涙)

タキシード姿の洸平くん、めっちゃキリリとして上品で素敵です。まさにケイン、ええとこの男子! もう、うっとり。
いや、うっとりしてる間はないの。
いきなり音楽に合わせてしなやかに、キレッキレに踊るんです。PVにもちらっと登場しますが、これはチャールストンなの???

中央に出てきて、洸平くんがソロで歌うのが「♪父の名に恥じぬよう」
NHKあさイチの稽古場風景で登場したあの歌ですね。音楽監督の塩田明弘さんに指導されてたあの歌。ドキドキして見守りましたよ。
PVにも流れますが、丁寧に、はっきりと、歌詞がわかるように歌い上げます。ラストの声の伸びもキレイ~ ほっ!

とはいえ、ダイナミックに歌い上げるアベル役の松下優也くんに比べると、洸平くんは見た目も細いし、繊細で丁寧な歌い方ゆえに、地味目(汗)
なんというてもグランドミュージカルやしね。グラミュに精通している方々はどう評価しはるんやろ・・なんてことを思って・・・とにかく祈るような気持ちで?見守ってました。

アベルが働くプラザホテル。
アベルがホテル王のリロイと出会うシーンなどがここで描かれるんやけど、とにかくダンスがヒップホップな感じで(よう知らんけど~)おしゃれなんですよ。
「♪ゲームのルール」、アベルがジョージと歌って踊る! レストランの給仕が、ここで、こんなダンスをするの?って感じです。
ちなみに、上川くんは元劇団四季。一昨年、『アンドレ・デジール 最後の作品』で拝見してますね! めっちゃ歌上手いんですよ。

とはいえ、このプラザにケインもシュッと下手から入ってきてるんですよね。(ここ早替えですよね?)
父代わりでもある銀行頭取のアラン(益岡徹さん)と親友のマシュー(植原卓也くん)の3人で下手のテーブルに座るケイン。コーヒー飲んで、ワインも頼んだりして、3人でなんかしゃべってるの、気になる~

ここで、ケインとアベルの最初の接触があります。
ワインを注ぐアベルの銀の腕輪をケインがちらっと見るという。その瞬間、ちゃんとスポットが当たってましたよ。スローモーションな感じで、ケインが腕輪を目で追うというか。公開されたPVで観ると、ちらっ、やなくて、しっかり見てましたね!

このプラザでの働きぶりをリロイに見込まれ、アベルはリロイのリッチモンドホテルに勤めることになります。相棒のジョージも一緒にね。そして、そのリッチモンドでメイドとして働くザフィアに再会するんです。

一方、フロリダで未亡人のケイトに一目ぼれするケイン。ケインは夫に死なれた未亡人の財産整理の相談を受けに行くんやけど、未亡人やからおばあちゃんかと思ってたら若い女性でびっくりするんですね。思わずカバンで顔を隠したり、美しさに見惚れてしまったり。可愛い~! ひとめぼれ感がようわかります。

ケイトを演じる愛加あゆさんの歌声がまた素敵
「♪波のかなたに」  その歌に、滑り込むように自然に入っていく洸平くんの歌声も素敵です。

ケインが、親友のマシューに恋したことを伝えるシーンはちょっと楽しい。思わず「おばあちゃんに?」というマシューの返しに、会場から笑いが起こってました~ マシュー役の植原くんは以前、2,5次元ミュージカル『黒執事』で拝見してましたね。 (黒執事ではメイクがすごいお役やったので、友だちに言われるまで、まったく気づかなかったよ~)

そして、リッチモンドホテルで歌うアベルとジョージの「♪俺は右腕」、銀行員のケインとマシューのシーンでも歌われていました。それぞれの相棒の歌なんやね。

二人が恋する相手と結婚に至るところも、上手と下手で対に描かれます。ほぼケインの方しか見てないけど・・・優也くん、ごめん(笑)
左右で4人が歌う「♪愛が始まるとき」、これもほんとに良い歌です。愛加さんも知念ちゃんも、ほんと上手くて~
ちなみにフロレンティナ役の咲妃さんもやけど、愛加さんは元タカラヅカ。知念ちゃんは元アイドルのミュージカル女優さん。井上芳雄さんの奥様でもあります。・・・知念ちゃんは『ルードウィヒ・B』で拝見しましたね!

リッチモンドホテルで働き始めたアベルは、リッチモンドを黒字にして経営力を発揮するんやけど、時代は世界恐慌へ。
原作ではけっこうな枚数を費やしてるところもサクっと、でも、ポイントは外さずに描いてますね。

リロイを演じるのが、ミュージカル界の帝王、山口祐一郎さん。堂々とした帝王らしい役、というより、人間的で魅力ある人物です。
株で借金を抱えてしまうテキサス男なんやけど。アベルの優也くんにもたれかかるように歌う姿が哀感漂いましたね。というか、リロイが歌う「♪潮時」の歌は、「君ならやれる~」みたいな未来を託す歌詞やったと思うけど、この流れでリロイは自死してしまうんです・・・客席が「え?」って感じで息をのみましたよね。
二つのキューブの割れ目に、飛び降りるというより、吸い込まれる感じで・・・えっ、ここで死んじゃうの~?? 
ほんとに、演劇的というか。すごいシーンがサクサクと~  というか、山口さんの使い方が贅沢・・・・

リロイを失って打ちひしがれるアベルを支えるのが、ザフィア。
原作では、経営者としてだんだん大きな人になっていく夫から気持ちが離れていくザフィアなんやけど、ここでは「♪あなたならできる」って励ますんよね。知念ちゃんの歌声がほんとに力強くて素晴らしい~~

ここで、双方に子どもが生まれて夫婦が喜び合うシーンが描かれるんやったかな。

ベッドにいるマシューを見舞うケイン。
原作では、病魔に襲われ余命いくばくもないことを知って仕事もせずに飲んだくれて生活が荒れていくマシューなんやけど、そこはさらっと描かれて。スーツ姿のまま親友マシューのベッドに入り込むんですよね、ケインが。客席から笑いが起こってました。おぼっちゃまケインの人懐っこいところ。
洸平くんが演じるから微笑ましいのかも・・・っていうか、ひぇっ、あんなふうにベッドに入るんか~て、妄想しそうになりましたけど~(苦笑)
ここでマシューが歌う「♪また会う日まで」 
短いフレーズを洸平くんも歌うんやけど、この曲が、二幕のあのシーンにつながるなんてね~~(涙) 
マシューはケインの横で、ガクッと・・・ちょっと唐突な感じでびっくりしたけど・・・亡くなるんです(涙)

ケインとアベル、二人の最初の対決はケインの銀行。
世界恐慌で銀行は融資を止めます。そこに現れるアベル。リロイが亡くなる前に口にした「融資を断ったあの若造」に会いに来るんですね。

リッチモンドを立て直すべく融資を迫るアベル。自分なら必ず黒字にして返済できるからと詰め寄るけれど、銀行が、ケインではなく銀行が、貸せないんですよ。怒りをあらわに、ケインの台詞にかぶせるようにまくしたてるアベル。

ここはほんとに会話劇。洸平くんと優也くんがインタビューで語ってたところですね。

原作では、ケインはアベルへの融資を断りながらも彼に好感を抱くんですよ。この男はなかなかやりよるな、みたいな。
舞台上でもちらっとそういうとこがあったかな。また、確認しよう。

アベルは融資を断られたことで、怒りがこみ上げて。リロイを死なせたケインに対して猛烈に復讐心を抱きます。しかも、リロイに託されたホテルも不審火で燃えてしまうし~~ え~っ、なんてこった!
たたみかけるように展開する一幕のラストはほんとに秀逸。

青いケインと赤いアベル、二人がデュエットするのが、「♪命ある限り」 これが素晴らしくて、鳥肌もんです。
PVにも登場するけど、下ハモを歌う洸平くんの低音がぶれないんですよ。もちろん、煮えたぎるアベルの、優也くんの熱い歌声も素晴らしいけど。
ピタッと合わせて歌い上げる二人に拍手喝采で、幕。
すごーい! もう、ここでスタオベしたくなるくらい素晴らしい!!
二幕が楽しみで仕方ない! 客席もテンション爆上げです。

20分の幕間は、ほぼトイレに並ぶだけで終わるくらい混み合うんですけど、みなさんコーフン状態ですよね。次はどうなるの?って感じで、列も熱いです(苦笑)

あ~、一幕だけで、めちゃ長いや~~ん。


二幕はもう、さらに、期待と衝撃と感動で記憶も飽和状態で混濁・・・何いうてるん(汗)
とにかく、上手くまとめられませんが・・・

「♪宿命の二人」のリプライズから始まります。ケイン、フロレンティナ、アベル、3人が並ぶシーンはここやったかな。

そして、銀行家としてのケインと、ホテル事業を拡大していくアベルが描かれます。
「♪成功間違いなし」 優也くんがカッコいいという“タカラヅカばりの階段シーン”もここでしたね。

しかし、時代は第二次世界大戦へ。
この戦争の描き方が面白いですね。アーミー衣装のアンサンブルさんに交じって、スーツ姿からナマ着替えで戦闘服スタイルになる二人。
ナマ着替えですよ!! (もうドキドキ!)
上手に洸平くん、下手に優也くん。アンサンブルさんにシャツを脱がされズボンを脱いで、白いタンクトップとサルマタ仕様の?グレイのパンツ姿になるんやけど、ほんと、オペラグラス越しに、え~~っ!!
・・・どなたか、「洸平くんは細マッチョ」ってつぶやいてたけど、ほんとにただの細っこい兄ちゃんではないんです。脱いでみてわかる、腕とか胸とか筋肉ある人なんですよね~

そんなわけで(どんなわけ?)
ナマお着換え、ほぼケインしか見てないねんけど(笑)、アベルも同じでした(笑)。すぐ履けるようにキューっと小さく置かれたズボン(下に靴まであって)を履かされ、羽織わされた上着をちゃちゃっと着て(ボタンではなくマジックテープなの?)ベルトを締める。エアで銃を抱え、ドラムの音に合わせてアンサンブルと一緒に右に、左に、大股で行進。時々銃を構えて打ち(エアね)、アンサンブルの誰かが倒れる・・・が繰り返されます。こういうふうに戦争をダンスで描くのって初めて観るね~

原作でも、戦争に参加する二人が細かく描かれています。
それぞれ家族は戦争に行くことを反対するけど、ケインは銀行家として国のため、社会のために役立とうと志願し、アベルは、故国ポーランドのために、実業家として兵士たちの後方支援(野戦での炊事担当)に向かうんですね。

戦場でのケインのソロ。
これが素晴らしい。
マシューとのベッドシーンで(←言い方・苦笑)歌われた「♪また会う日まで」のリプライズ。
丁寧に、心情を表しながら歌うんやけど、ほんとに泣きそう~~ めちゃくちゃ見惚れてたので歌詞までしっかり聴き取れてないけども~~(汗) 
「死ぬってこういうことか・・・」みたいな歌詞やったかな(ちゃんと聴きなさい! 汗)

歌い終わって、そのまま戦場に倒れるケイン。
「まだ息がある、誰かは知らないけど、オレはこいつを助ける」と言ってアベルが、ひょいってケインを背負っていきます。ちょっと重みを感じるような背負い方やったな。

原作では、銃に打たれてほんとに瀕死の状態で担架で運ばれるんやけど、ケインはおぼろげな意識の中で見覚えある後ろ姿を確認していました。舞台でもそういうくだりはあったのかな~ また確かめよう。

戦争が終わって、それぞれがわが家に帰ってきます。
上手のキューブに赤系の壁紙のアベルの家、下手に青系のケインの家。勲章をいっぱい付けた軍服姿で奥から颯爽と登場するアベル、対照的に、車椅子を押されてわが家に戻ってくるケイン。
「♪戦争から戻って」ケイトとザフィアが歌いながら、それぞれの家族の様子が見開きで描かれます。

ほぼケインしか見てないけど・・・あっという間の描かれ方やけど、ちょっと切ない・・・

銀行、ホテル経営、それぞれ仕事に戻って、ケインとアベルが歌う「♪今が瀬戸際」
セットのキューブが動き、二人も動いて、階段を上がっていくシーンはここかな。セットの壁をめくったら?階段が出てくるんやけど、セットが動いてるからか、洸平くんちょっと開けにくそうにしてましたね!

二幕は、ケインとアベルが左右で描かれながらデュエットするシーンが多くて、お二人の歌にしびれっぱなしなんですよ。野心家らしく?アベルが高音を担当するんやけど(たぶん)、洸平くんの低音がすごく安定しててしっかり聴こえます~~ ほんと、素敵!

そして二幕から始まるのが、ストーリーテラーだったアベルの娘のフロレンティナとケインの息子のリチャードの恋。
成長したそれぞれの子どもたち。二人のシーンはほんとに可愛くて、この物語の癒しです。

実業家アベルの娘というのを隠してデパートの手袋売り場の売り子として働き始めるフロレンティナ。
彼女を見初めて、手袋を買いにやってくるのがリチャード。演じるのは、洸平くんの事務所の後輩、金髪の竹内將人くん。東京藝大、英国王立音楽院を出たバリバリのエリートゆえに、さすがに歌うまいし声も良い。「♪手袋みたいに」 咲妃さんとのダンスも可愛い。

二幕も、ほんとに、一気に物語がすすんでいきます。
原作読んでるからいろんなことがわかってるけど、この早い展開、読んでなくてもわかるのかなぁ。

原作ではたっぷり描かれていますが、アベルはケインの銀行の株を買い集めて銀行を乗っ取ろうと画策。それもこれもケインが憎いから。
同じようにケインを憎んでるヘンリー・オズボーンとアベルが出会ってしまい、順風満帆なケインの人生に不穏な影が。

ヘンリー・オズボーンは、ケインの父が亡くなった後に母が再婚する相手。体の弱い母はヘンリーの子を宿して、それが原因で命を落とします。ケインは、彼は財産目当てで母と結婚したと思ってるんよね。胡散臭いんやもん。
ヘンリーを演じるのは、今拓哉さん。ベテラン俳優が憎たらしい役をほんとに憎たらしく演じてます。

金の無心をしにきたヘンリーと再会し、危険を感じて、アベルに電話するケイン。話し合いたいという申し出を、アベルは一刀両断。
ヘンリーから聞かされていることをアベルはいうんですね。(台詞は正確ではないけど)
「母親を殺したのはケイン」「ヘンリーのお金を奪ったのもケイン」と。
絶句するケイン。なんてこった~~!
「聖書の創世記に書いてあることとは真逆だよ、ケインさん」とアベル。
旧約聖書に登場する「カインとアベル」は、兄カインが嫉妬から弟アベルを殺すという話。聖書とは真逆、つまり、殺されるのはケインの方だとアベルは言ってるんですよね。憤りをかみ殺して、何とか誤解を取り消そうと、「誰もいないところで二人で会いたい」というケインに、アベルはいうんです。
「今度あんたと会うのは、天国だ」

冷静なケインが、ここから一気にアベルへの憎悪が増します。

一方で、恋に落ちるフロレンティナとリチャード。
お互いが誰なのかを知ってからも、さらに愛が強まって・・・二人がほんとに可愛い。

フロレンティナがアベルにリチャードのことを打ち明けた瞬間のアベルの激昂。ケインもまた、リチャードとフロレンティナとの結婚を許しません。
洸平くんとリチャードを演じる竹内くんとは7歳しか違わないけど、ここでは本当にお父さんなんですよね。優也くんもやけど、老いてからの演技がほんとにうまい。二人とも、中年を過ぎた父の顔なんよね。

ケイトを演じる愛加さんが夫に向かって歌い始めるのが「♪もううんざり」 かたくなに互いを恨みあうケインとアベル、この二人に訴える妻たちの歌がすごい。それに応えるようにケインとアベルも歌う。やがて上手から、それぞれの息子と娘が旅行カバンを持って現れて、ここで、6人のハーモニー、声量も大きくてほんとに圧巻です。

愛娘の言葉に、いったん折れて、リチャードに会ってもいいと思うアベルやったけど、状況が一転します。憎悪にかられるケインは、上院議員にまでなったヘンリーがアベル名義で行ったという贈賄容疑を告発・・・・ずっと冷静だったケインが、とうとうやってしまうんです(汗)

ヘンリーの自殺でアベルは収監されずにすむんやけど、これが原因で、ケインは銀行の頭取をおろされることになってしまう。舞台ではサクっと描かれてるけど、原作では誰が敵で誰が味方なのかという、ハラハラドキドキの展開があります。

リチャードとフロレンティナは本当に希望の星。許してくれない父親を見限って二人で結婚してシカゴへ。男の子も生まれる。
アベルばりに仕事のできるフロレンティナはアパレルの事業を拡大していき、もちろんリチャードも優秀で、彼女の事業を経理面で支えていきます。

10年後、そのフロレンティナが生まれ故郷のニューヨークに出店。
「♪私にはできる」は「あなたならできる」のリプライズ。フロレンティアの歌声も素敵。

お店のオープン記念パーティの日。上手から、それを眺める初老の紳士の姿が。

原作を読んだ時、このシーンはどのように描くんやろうって思ってたから、杖をつきながら歩く初老の紳士の後ろ姿を見て(なんせ上手席なので)涙がこぼれてきました。
老いたケインです。
洸平くん、なんで、こんなに年寄感を出せるの、なんで、老いてるのに、そんなに美しいの~~ ・・・とはいえ、こちらを向いたときも帽子をかぶってるから顎のあたりしか見えへんねんけども。 

下手からも、同じように登場する初老の紳士。こちらがアベル。
二人が歌うのが「♪なんのために」、ゆっくりと歩き、舞台中央ですれ違う老いた二人。

原作では、株の操作でケインを頭取の座から降ろすことに成功するアベルですが、この時、自分の喜びが小さいことを感じるんですね。
ケインもまた、アベルが収監されなかったと知ってほっとしたり。でも、職を失うことでケインは病みます。心臓発作を繰り返してしまうんです。

舞台中央ですれ違う時、アベルが振り向いてケインを見てたような。原作では、アベルの手首にある銀の腕輪を見てケインが過去のもろもろに気づくんやけど、舞台でもそうやったのかな。二人が歌う歌詞にありましたっけ?
感動で胸がいっぱいで、このへんちゃんと観れてないし、聴けてへん、というか、もういっぱいいっぱいで記憶できてない・・・(汗)

ここからラストに向かって原作を読み返してみたんやけど、舞台シーンと被って、泣けてしまった。
原作では、弁護士が保管してたシカゴの銀行の元支配人が書いた手紙をアベルが読むんやど、舞台では、ケインの妻ケイトが、夫の遺品として出てきた書類をアベルに渡すという設定になってました。

アベルが、相棒のジョージに眼鏡を持って来させて、文字を目で追いながら、驚き、声を上げ、ジョージにいうんです。
「あの200万ドルを貸してくれたのはケインだったんだ」「彼が私を救ってくれたのだ」(こんな感じの台詞やったかと)

この時、後ろの二つのキューブが左右に開いて、奥からグレイのグレンチェックのスーツを着たケインがゆっくり歩きながら、「♪君の名に恥じぬよう」・・・
1幕最初にケインが歌った「♪父の名に恥じぬよう」のリプライズソングを、ゆっくり、間をおきながら歌うんです。

知らん間に、私のほほを涙が流れていきます。
もう、たまらんのよ、ここは。

ケインがアベルの真後ろに立った時に、下手から、リチャード、フロレンティナ、そしてその子(孫の)ウィリアムが登場、ウィリアムがアベルに駆け寄ります。
その子の背中を押すケイン・・・・もう、この辺りでは号泣ですよ。ケインの表情がね。穏やかで、慈愛に満ちてるというか・・・
ここでフィナーレ・・・・未来への希望を託して、感動のうちに幕。

物語の結末を知ってるのに、やっぱり泣いてしまいました。
こんなふうにドラマチックに結末を描くんやね~~
すごい大河ドラマやった!

いったん暗転してからカーテンコール。  
→ こちら 
オーケストラの音楽とともに、横一列に並んだアンサンブルの人たちから。二列に分かれてお辞儀があって、子どもたち3人が上手、下手から走って登場。
次に、リチャード、ヘンリー、マシュー、ジョージ、ケイト、ザフィア、アラン、リロイ、フロレンティナの順に中央へ、ラストは上手からケイン、下手からアベルが登場。一段と歓声が大きくなり、優也くんと洸平くんが中央でハグしてがっちり握手。
歓声が最高潮になって、客席一斉にスタオベ。

センター7列目あたりいたワイルドホーンさんが真っ先に立ち上がったからスタオベになったらしいねんけど、一気に観客が立ち上がったからか? 舞台上で「え、これどうする??」って座長の洸平くんが戸惑って、お隣の優也くんに聞いてましたね。
で、いったんハケて、再度登場して、舞台挨拶が~~ こちら

洸平くん、「本日はケイン&アベル世界初演初日にご来場ありがとうございます! 今日ご覧いただいたお客様、歴史的な瞬間に一緒に立ち会っていただけたかなと思います。いかがでしたか。楽しかったですか?」(いつも洸平くんは、楽しかったですか?って聞いてくれるね~)
「皆様に素晴らしい作品をお届けすべく、11月から稽古、稽古、稽古・・・テキレジ(台本改訂)、テキレジ、テキレジ・・・をしてきました!
今までどんな作品でも共演者に恵まれてきましたが、今回はこんなに素晴らしいキャストの皆さんとご一緒することができて、何よりボクの愛する相棒、ご紹介してもいいですか(歓声!!) 松下優也~~(大歓声!)」
愛する相棒って言いましたよね? ふふっ
紹介された優也くん、「・・・・こんな素敵なキャストの皆さんと、今、言ってくれた最高の相棒、洸平くんと共演できたこと、めちゃめちゃ幸せです」 
最高の相棒ですって!! 相思相愛になったのね~!

そして、言うてましたね。「ボクら、めちゃめちゃ伸びしろのあるカンパニーだと思うんで」って。
キャストも歓声を上げてたけど、洸平くんも、「間違いない。こっからさらに~」 っていうてましたね。

舞台初日ということもあり、アメリカのクリエイターの方々も紹介してくれました。
通訳さんを連れて、音楽のワイルドホーンさん、脚本・演出のダニエルさん、作詞のネイサンさん、編曲のジェイソンさん、振り付けのジェニファーさんが登壇。
豪華やわ~~初日だけある~~
印象的な言葉は、「我々が作ったクレイジィな作品をキャストの皆さんが演じてくれた」、みたいな言葉。
クレイジィ、突拍子もないとか、創造的な、とかの意味でしょうかね。

さて、書き足りないことはいっぱいあるけど(こんなに書いておいて!?)、とりあえずの初日の感想&レポでした。
プログラムと、原作も引っ張り出しての忘備録になりました。

なんせ、この日と翌日で全く別の演劇を3本観るという相変わらずのバタバタ。
とはいえ、ちょこっとのメモと、記憶をたどって書き始め・・・プログラムと原作本を見ながら書き足してたら、長い・・・汗
記憶にないことは書いてないけど、記憶の間違いはあると思うので、間違ってるところがあれば、覚えてる方、こっそり教えてくださいませ~~

シアターオーブのある渋谷ヒカリエ、2階の通路に、大きなサイネージ。







人通りがあるので、なかなかうまく撮れないので、動画で撮影してカット。

『ケイン&アベル』
初日から3週間。好評のようです。グランドミュージカル通の方々がご覧になったり、同業の方がご覧になったり。洸平くんをホメてくださる方がいっぱいいて、安心しました。
そして、初日から回を重ねるごとにブラッシュアップして、舞台は、すごいものになってるらしいですよ・・・

東京は2月16日まで。
大阪公演は、2月23日から。

2回目の観劇、東京公演 2月6日マチネの感想は → こちら



東京へ、観劇三昧の始まり~

2025-02-09 12:55:40 | 演劇・舞台
今年の観劇は、1月5日の梅芸から始まりました。
二作目は、13日にSKYシアターで「桜の園」。
諦めて、WOWOWを楽しみにしようかなと思ってたら、オケピ(チケット救済サイト)で値段の安いチケットが出てて。
チェーホフの名作ですし、それをKERAさんが描くし、天海祐希さん主演やしで、行ってきました。

そして、私にとって大切な!(早くからチケットを取ってる!)
思い付きではない舞台鑑賞が、22日です。
早くからホテルも押さえて、そう、東京です。
せっかくなので?3作品も観劇するという~~~相変わらず詰め込んでいってきました。



冬がとにかくキレイですよね。富士山。
富士川越しに見てます。うっすら雲がかかてって。



山に隠れるギリギリまで撮り続ける田舎のおばちゃん~



さて、赤坂。
品川でいつものお友だちに会い、赤坂でもう一人のお友だちと合流。

「今日はカレーの日だって」

ということで、赤坂にある大阪マドラスカレーへ。
11時開店やけど、すでにおひとり並んでました。



カウンターだけの10名ぐらいしか入れないお店。
なんと、オーナーが北村一輝さん。



食券を外にある券売機で買って入るんやけど、新札の千円が入らず・・・友だちと交換して。
・・・早く、機械入れ替えてくださいね!



この絵は、北村さんが描いたとか? ご自身??



カウンターの向こう、スタッフがおひとりで仕切ってます。
まあるいお鍋にカレーがぐつぐつ(以外に小さいお鍋やった)



生卵の黄身がのった、大阪らしい?カレー。
あげ茄子をトッピング。
トンカツが気になったけど、観劇前に食べるのはちょっとしんどいよね~。



地下鉄赤坂駅のそばにTBS。
そして、ACTシアター。









駅前から、ハリーポッターの世界です。
3年続けて上演中という専用劇場。今年も公演するみたい。

長年応援してる、姜暢雄さんがドラコ役で出演中。
「ハリー・ポッター呪いの子」 → こちら

トリプルキャストなので、偶然?この日のマチネでご出演ということでチケットをゲット。
・・・ごめんよう~ 今回の目的はこの日のソワレの舞台なの~~~(苦笑)



前回は前から4列目ぐらいで観たけど、この日は中段で。
なので、イリュージョンの様子がしっかり拝見できましたよ。
ハリーポッターの映画の19年後、父となったハリーやドラコの、息子たちとの関係を描いてます。
ダブルキャストのハリー、この日は、ドラマ「放課後カルテ」で小児科医を演じた吉沢悠さん。



ハリーはドラコの永遠のライバルね。
それでも、子どものこととなると、二人とも父として共感しあえるんですよね。
親子の物語としても、良いお話です。
なので、親子での鑑賞や、学校の芸術鑑賞として来られた子どもたちもいましたよ。
(とはいえチケットも高価なので、良いところのお嬢様学校のような??)

公演後は、おひとりとは別れて、二人で急いで渋谷まで移動。



地下鉄の手すりがまっすぐやなくて、階段状になってるからおもしろ~と思ってパチリ。

お待ちかねのマチネの舞台は、渋谷オーブシアターで。
ちょこっとお茶してから行ったのですが、世界初ミュージカル、初日とあってすごい人でした~

グッズ売り場も長蛇の列ということで、先に着いてた大阪のお友だちが、プログラムを買っておいてくれました。
ありがとう~~

つづきは、次に。

観劇記は、めちゃ長編です~~ (苦笑)




年の初めの観劇は

2025-01-30 11:10:56 | 演劇・舞台
年が明けても、相変わらず濃厚な日々です。



今年の初観劇は、1月5日(日)
大阪梅田芸術劇場。
井上ひさし原作『天保十二年のシェイクスピア』
出演は、浦井健治さん、唯月ふうかさん、大貫勇輔さんら。



発表から約400年以上を経て今も世界中で上演され続け、現代演劇にも絶大な影響を与えているウィリアム・シェイクスピア。
その37作品を横糸とし、江戸末期の人気講談「天保水滸伝」を縦糸として、見事なまでに織り込んだ井上ひさしの傑作戯曲の舞台です。

これまでに何度も上演されてきていますが、今回は、2020年に、この作品と併せて演劇賞を受賞している藤田俊太郎さんの演出。
音楽も2020年に続いて宮川彬良さん。

とにかく、任侠もので、豪華なセットで、劇場が熱くたぎって、カオスで包まれる絢爛豪華な祝祭音楽劇です。
3階席で観てたので、ずっと前かがみやからお顔が見えにくかった浦井さん、いろんなお役をされますね。ほんとに。

ロビーのラックには、無料で配布されてる「ステージぴあ関西版」が!





グランドミュージカル、世界初舞台化『ケイン&アベル』
主演の洸平くんとライバルのアベルを演じる松下優也くん。W松下!

もちろん、お正月の3が日明けに、地元の市民ホールですでに数冊ゲットしておりますよ~(笑)

この日、梅芸の初上演日ということで、帰りには振る舞い酒がありました。





一瞬、ハンバーガーの写真かと思ったら(苦笑) 劇場内、客席のお写真でした。
ワンカップ、ありがとうございます~~

この日偶然、神戸のお友だちも観劇するとあって、開演前に待ち合わせしたんですけど、その待ち合わせ前に、グランフロントに立ち寄り。
そこの紀伊国屋書店さんが、松下洸平くんの書籍売り場を大きく展開してくださってるというのでチェックしに!(笑)



ダ・ヴィンチに3年半連載していたエッセイが本になった「フキサチーフ」。
中に入っている洸平くんのイラストもパネル展示されてます。
平積になって、その横には、過去の出版した写真集『体温』や連載対談が載ってるAERAもおいてありました。

(その後、「重版」が印字された帯付き『フキサチーフ』や、主演舞台の原作、帯付きの『ケイン&アベル』の文庫本上下巻も置かれるようになったらしいです)



アーティストコーナーにも、星野源さんの書籍と並んで置いてありました~



多くの人に読んでいただきたいですね。
洸平くんの人となりがわかるだけでなく、こういう親に、こういう環境で、こういうふうに育った人なんやなと。

37歳のわりに達観してるんですよね。
21歳で歌手デビューして、迷い悩んだ20代があったことは知ってるけども。
言葉にしにくかったことを、キレイごとではなく正直に言葉にするのは勇気がいります。
負けそうになって、いや、負けてしまって、消したくなるような過去は誰にでもあるし。
でもそんな中で、何度もやめてしまおうと思っても、そのたびに導いてくれたのは「出会った人」なんですね。
それらの「人」に出会えたのは、やはり、洸平くんの人柄や姿勢にあったんやなということがわかります。

自分の娘よりも若い人に教えられますね。
ほんとに、あの頃の洸平くんがあったから、今がある。
世界初の、グランドミュージカルの主演という輝かしい舞台に立つことができるんですよ。
誰もが応援したくなる人です。ほんまに。



2023年 観劇忘備録 その4

2024-11-26 14:33:28 | 演劇・舞台
年末に近づいてるので、今年一年の、観劇記録をと思ったら、去年の忘備録が最後までかけてないですや~ん(汗)
すっかり忘れてしまってます。
失礼しました~~ (誰に向かって??)

なので、さくっと、書いておきます。
メモってないものや、詳細な記憶がない作品もあるので(汗)、ほんとの忘備録ですね(そのわりに長い??)

10月27日、ひこね演劇鑑賞会の例会。
ひこね市文化プラザ
劇団文化座『炎の人』
演出:鵜山仁



観劇の前に、会報係として、主演の藤原寛章さん(文化座)をインタビューしました。



37歳。(洸平くんと同じ年なんですよね~!)
ゴッホについて、この舞台について熱く語ってくださいました。
このあと、この作品と、その前に出演された「旅立つ家族」の演技と合わせて「紀伊国屋演劇賞」を受賞されるんですけど、ほんとに熱演でした~。

ゴッホが絵を描き始めるころからの10年余りを描いた作品。
脚本は多くの名戯曲を生みだした三好十郎。
生前はまったく無名だった若き芸術家の無垢な魂と、彼を支え続けた弟はじめ人生の伴奏者となった人々を丁寧に描いています。

名優の滝沢修さんや仲代達也さんらが演じてきたゴッホを、30代の俳優、藤原章寛さんが演じます。
実際のゴッホも30代で亡くなっているので、まさしく等身大。
そこが文化座の狙いでもあるようです。
名優たちはシニアですもんね~~

泣いたり怒ったり、甘えたり喜んだり、とにかく不安定で感情の振幅が大きいゴッホを、丁寧に、緻密に演じていました。
「偉大な画家」であり、「死後に評価をされた不遇な画家」というイメージのゴッホが、こんなにも、自分自身だけでなく周囲の人をも傷つけ、振り回しながら苦しみもがいていたなんて。
亡くなってから売れるとはいえ、ゴッホは、勝手に悩んで勝手に落ち込んでいくですよ。

重苦しい中で、観ている私たちを救ってくれるのがこの作品のために模写されたという多くの絵画です。
さながら美術館のように並ぶ絵画が物語に彩りを添えていますが、コピーではなく本当に描かれた絵なんですね。
ゴッホ愛好家の画家さんたちが描いたんですって。

10月29日
兵庫芸術文化センター
ケムリ研究室『眠くなっちゃった』 → こちら



おなじみ、ケラリーノ・サンドロビッチさんの作演
主演は、緒川たまきさん。
ケムリ研究室は2020年に旗揚げして、第一弾として2020年に『ベイジルタウンの女神』、2021年には第二弾として安部公房原作の『砂の女』を上演。
どちらも拝見していますが、第三弾のこのお話は、もうひとつ、よくわからんかったですね(苦笑)
ケラさん作品ではありがちな?白塗りの人たちが出てきて、近未来のどこかの国のお話という、SF的な設定の中に、今の世の中を揶揄したようなところがある物語で、コワいんですよね。
そして、いつもながら、プロジェクションマッピングがとても美しくて、その映像やダンスパフォーマンスを用いた舞台転換も見応えがありました。

11月23日
ABCホール
劇団五期会『ザ・スコティッシュプレイ―レイディマクベスの悲劇、または玉座あり―』
翻案・脚色:イシワキキヨシ
翻訳・ドラマトゥルク:神澤和明
演出:井之上淳



大阪放送劇団を母体とする劇団五期会は、今年50周年を迎える劇団です。→ こちら
ウィリアム・シェイクスピアの「マクベス」の登場人物で“稀代の悪女”とされるマクベス夫人に焦点を当てた物語を上演。
「マクベス」でメインの登場人物として描かれながらも名前のないマクベス夫人、彼女がマクベス夫人となるまでを描いています。

ちなみに、西洋では、「マクベス」を上演しようとすると、様々な事件や事故が起きる!という言い伝えがあるらしく、
実際に、マクベス夫人を演じるはずであった若い俳優が急死し、脚本家自身が演じる事になったことがあるとか。
その呪いや事故を避けるために「マクベス」と呼ばず「スコティッシュプレイ(スコットランドの芝居)」と呼ぶようになったとか。
なので、このタイトルにしたそうです。

シンプルなセットの中に、玉座が中央に置かれてるところから始まりましたね。
・・・この作品の感想メモがみつからない・・・書いてないみたい(汗)

12月10日
ABCホール
iaku『モモンバのくくり罠』 → こちら
脚本・演出:横山拓也



iakuの舞台が面白いよ、横山さんの作演はいいよ~という声があったのと、
地元出身の女優・枝元萌さんがご出演というので、観に行ってきました。
枝元さんは、こまつ座『闇に咲く花』にも出てはりましたしね。

iakuは、劇作家・横山拓也さんによる演劇ユニット。→ こちら
横山さんは、劇団俳優座『雉はじめて鳴く』や『獅子、猫になる』、文学座『ジャンガリアン』などの作品も手掛けてます。

『モモンガのくくり罠』は、テンポの良いオール関西弁の会話劇。
思わず声出して笑いましたね。関西出身の人ばかりではないと思うけど、関西風味たっぷりの舞台でした。
そんな笑いの中に、思わず涙するところがあって。

あらすじは・・・
山中に住居を構えたある夫婦は、くくり罠で鹿や猪を捕獲したり、小さな畑で野菜を作ったりと、できる限りの自給自足生活を目指した。
彼らの娘は、幼い頃から当然のように山で暮らしてきたが、徐々にこの生活に違和感を持つ。
また、周囲から“モモンバ”と呼ばれる母のことが嫌で、ついには山を降りて1人で生きていくことを選ぶ・・・

親は自分の価値観を子どもに押し付けてるつもりはないけど、子どもは親の影響を受ける。
形は違えどこういう生き辛さを感じてる若者はいるやろうなと思いました。
萌さんは、「モモンガ」と言われる母を演じますが、山で狩猟をして自給自足の生活をする母が娘に語るシーンは、ちょっと泣けましたね。
表現の下手な父、生き辛い娘、ラストに希望が見えて良かったです~

この作品は、今年、第27回鶴屋南北戯曲賞を受賞しました!

12月19日 ひこね演劇鑑賞会の例会。
ひこね市文化プラザ
青年劇場『星をかすめる風』



この作品は、運営担当にもなったこともあって、事前学習を積みましたよ。
主人公でもある、韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の足跡が京都にあるというので、詩碑をめぐりました。



同志社大学の校内にある詩碑。
ここに留学して、治安維持法によって捕らえられ、福岡で獄死するんですけども・・・



京都芸術大学のそばにある詩碑。
この辺りに下宿していたそうです。



宇治にある詩碑。
帰国する前に、学友と宇治川沿をピクニック。
その写真が残っていたこともあって、ここに詩碑が作られたんですね。
このあとに、彼は逮捕されてしまうんです。

この若き詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の獄中での最後の日々を描く壮大な物語です。
原作はミステリー仕立てで壮大に描かれたイ・ジョンミン著の長編小説。
これを、各劇団からひっぱりだこの人気劇作家・演出家のシライケイタさんが素晴らしい演劇作品にしました
戦時下の話というだけで暗いイメージを抱きますが、そんな先入観は覆されます。
韓国の国民的詩人として知られる尹東柱(ユン・ドンジュ)は、留学先の京都で治安維持法違反として収監され、2年後、福岡刑務所で27歳の生涯を閉じます。
刑務所での記録は一切なく死因は不明。この史実をもとに描かれた物語です。
終盤の「星を数える夜」の詩の朗読シーン(ハングルで読む)が感動的なんですよ。

あらすじは・・・
終戦間際の福岡刑務所。
看守の杉山が何者かに殺され、若い看守、渡辺は杉山を殺した犯人捜しを命じられる。
聴取を進めていた渡辺は、日本名「平沼東柱」こと「尹東柱(ユン・ドンジュ)」という若い詩人が関係していると確信する。
はたして、この人物は何者なのか? 杉山を殺したのは一体誰なのか?
事実を明らかにした渡辺の前に、意外な真実が待っていた…。

社会派の骨太な作品を多く手掛ける青年劇場ですが、今回は音楽もあり、詩を通じて囚人と看守の間に友情が芽生えるなど、ミステリーながらもどこかファンタジー。
人の優しさや温かさが描かれ、何より、言葉や文字が立場や国籍を越えて人と人をつなぐものだと思わせてくれます。
とはいえ戦争という狂気の中で、あんなことやそんなことが本当にあったかもしれないと思わされて・・・だからこそ今、観るべき作品だと思いますね。

観劇の前に事前学習会があって、ユンを演じる矢野貴大さん(こちら)が彦根に来てくださいました。



矢野さんは、以前に『きみはいくさに征ったけれど』で拝見してて、芝居もやけど、関西弁が上手いなぁって思ってたんですね。
学習会の日、数名の仲間とランチをご一緒して、そんな話とかをしてたら、大阪出身で吉本のNSC出身と聞いてびっくり。
お笑い芸人になろうとしてはったんですね!
例会当日の、あのハングルの詩の朗読は素敵でしたよ!



当日のインタビューは、青年劇場の代表となった北直樹さん。
今回の舞台では、最初に殺される杉山役。
もろもろ、饒舌に語ってくださいました~~

12月27日
新歌舞伎座
ミュージカル 『ジョン&ジェン』



友だちが行けなくなったからと、代打で行った舞台です。
年末まで、遊んでましたね~~~ 

PARCOプロデュース、森崎ウィン 田代万里生(ジョン役Wキャスト) 新妻聖子 濱田めぐみ(ジェン役Wキャスト)の二人芝居。→ こちら

ミュージカルとはいえ、舞台に登場するのは、ジョンとジェンの2人のみ。
姉弟が成長していく過程を描いた1幕と、成長したジェンとその息子のジョンの母子関係を描いた2幕。
この重ね合わせがとても面白い作品でした。

濱田めぐみ&森崎ウィンのバージョンを見せてもらいました。
1時間ずつ、2時間の舞台とはいえ、出ずっぱりの二人芝居、しかも歌うんやし。
役者さんにとっては大変な舞台ですよね。

セットを含め、古き良きアメリカの風味が詰まっていて、母子関係を描く2幕はうるっとしてしまいました。
終演後に、めぐさんとウィンくんのトークがあって、楽しかったですね。

「(新妻)聖子ちゃんなら話し上手なんですけど~」と言いながらも、めぐさんも話上手でしたよ。
ウィンくんは30代。いろんなことにチャレンジしてて、演出もしてるらしい。
・・・・今時の俳優さんは、演じるだけではないんやね。

もう少し感想があったかと思うんやけど、記録してないようで・・・汗
X(旧Twitter)でもつぶやいてなかったのかな私・・年末やしねぇ。



年末の新歌舞伎座、電飾がキレイ。


忘備録のわりに長いよ!
相変わらず~

とはいえ、鑑賞会の例会作品は作品紹介をしてるので記録があるのですが、ほかで観ている作品は、自分のX(旧Twitter)やメモが頼り。
とりあえず、昨年の観劇はこれが最後やったようです。
おそまつ!

ラストは、ミュージカルで終わりましたが、今年最初の観劇も、実はミュージカルでしたよ~~~

今年の忘備録も書いておかねば!

2023年、観劇忘備録 その1 → こちら
2023年、観劇忘備録 その2 → こちら
2023年、観劇忘備録 その3 → こちら