梅雨が明けたわけでもないのに、ここ3日、
めっちゃ暑い・・・家の中にいても、熱中症になりそうなくらい。
一気に暑くなると体力と、やる気まで失いそう~~
さて、22日封切りとなった映画を見てきました。
「焼肉ドラゴン」
カンフー映画ではありませんよ~(苦笑)
テレビの番宣を見て、コメディと思ってる人も多いようやけど、そうでもない。
鄭義信さんの脚本・演出の舞台作品を、鄭さん自身がメガホンをとって映画に。
一昨年の春、兵芸中ホールで観て感涙した舞台です。
舞台は、2008年に日本の新国立劇場と韓国のソウル・アート・センターが
コラボして製作、数々の演劇賞を受賞しました。
再々演を私は観たんですけど、途中から涙がこぼれ、
ラストの大量の桜吹雪が舞う印象的なシーンで、涙、涙。
映画は、ほぼ舞台と同じですが、バラックが建ち並ぶ街、
飛行機が爆音を上げながら頭の上を飛ぶ臨場感、
川原の草のニオイが感じられる映画でした。
何より、家族の姿がていねいに描かれてましたね。
以下、ネタバレします・・・これから見に行く人は要注意(笑)
あらすじは、原作のウッキペディアより・・・
万国博覧会が催された1970(昭和45)年の関西の地方都市が舞台。
金龍吉は第二次世界大戦に従軍して左腕を失い、
四・三事件で故郷の済州島を追われて来日した高英順と再婚する。
龍吉は長女・静花と次女・梨花、英順は三女・美花をそれぞれ連れており、
二人は国有地を不法占拠した集落で焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業、
やがて長男の時生が生まれた。
舞台では、鄭さんが好きというコテコテの吉本的笑いがあったけど、
さすがに、映画ではコテコテの笑いは薄まってたような・・・←あれで?(笑)
・・吉本的笑いとは、同じセリフを3回繰り返して笑いを取る、とか(笑)
それでも、笑えるシーンはたくさんありました。
キャストも豪華で、しかも、皆さん、関西弁が上手い!
大泉洋さんなんて、ホントに上手いので(演技もね!)ビックリ。
先日、車の中で流れてたラジオ、たまたま井上真央さんがゲストで、
「関西弁は難しいので、撮影に入る前にかなり練習しました」
なんておっしゃってたんやけど、その甲斐あってか?
大泉さん演じる哲男と真央さん演じる梨花の言い合うシーンは、
ドスの効いた(苦笑)関西弁が素晴らしかったです!
桜の花びらは、舞台のように大量には降らなかったし、
焼肉のニオイは少なめではあったけど、
涙がこぼれるところは同じでした。
ひとり息子の時生。
成績が良いから私立の進学校に入るのですが、
そこでいじめられ不登校になります。
舞台ではセリフで語られるだけですが、
映画はリアルでしたね。
背中に、「キムチ」って書かれたり・・(涙)
やがて、彼は話さなくなり、バラックの屋根の上に上がっては、
爆音をあげながら頭上を飛ぶ飛行機に向かって「わ~」と叫ぶだけ。
登校日数が足らず留年に。それでも龍吉は、学校へ行けといいます。
英順が「可哀そう。転校させたら」というのにも耳を貸しません。
「ワシらは日本で生きていくしかないんや。韓国に帰る家はない。
日本で生きていくからには、日本の学校を出なあかんのや」
だけど時生は、川から身を投げてしまうんです。
・・・・ほんと、泣ける・・・
バラックの町並み、国有地だから立ち退けと迫る市の職員に、
龍吉は言います。
「しょうゆ屋の佐藤さんから買うた土地や」
「国有地は売り買いできません。立ち退き料は税金なんですよ。
あなた方に立ち退き料を払うのは、盗人に追銭という人もいてるんです」
「ワシらの土地を奪うんやったら、戦争でなくしたワシの腕を帰せ、息子を帰せ」
叫び、嗚咽する龍吉・・・涙、涙、です。
娘たちもそれぞれ悩みを抱えています。
次女の梨花と結婚した哲男は、大学を出たのに就職ができず、
いつも飲んだくれてぐだぐだ・・・しかも、
幼なじみの静花のことが忘れられず、梨花と夫婦ケンカを繰り返します。
結局、梨花は常連客の日白と関係を持ってしまい・・・、
哲男は、静花に、「一緒に北へ行こう」と言います。
・・・つまり、北朝鮮帰国事業ですね。
静花はそれを受け入れます。
梨花は日白の母国の韓国に一緒に行くと言い、
三女の美花は、妻のいるキャバレーの支配人の長谷川とつきあい、
妊娠したことで、長谷川は離婚し、二人でスナックを始めるといいます。
「娘さんをください」という長谷川に、龍吉が、
在日1世の自分の、これまでの人生を語るのですが、
あそこが一番泣けます・・(涙)
「ワシは働いて、働いて、働いて・・・」
やっと手に入れた家族との暮らし。
いくばくかの立ち退き料でこの土地を追われ、
家族は離散していく。
ラストシーンは、舞台と同じ。
娘たちを見送り、荷物を積んだリヤカーを引く龍吉、
リヤカーを押しながら、そこに乗る英順。
急に重くなってびっくりする龍吉。
「乗るんか? 押すのと違うんか?」
にっこり笑う英順。
重そうにリヤカーを引く龍吉。
解体されつつあるバラックの家並み。
桜の花びらが舞い、焼肉「ドラゴン」の壁も倒れる。
日本の高度成長期の片隅で、懸命に生きる在日コリアンの家族。
血はつながらなくても、分け隔てなく子どもたちに愛情を注ぐ夫婦。
一生懸命真面目に生きながらも、不本意な事は起こる。
「たとえ昨日はどんなでも、明日はきっとええ日になる」
アボジ・龍吉の口ぐせのこの言葉。
「バラバラになっても、家族は家族や」
オモニ・英順の言葉。
暗くて重いストーリーやのに、ラストシーンは、
どこか明るい未来を感じさせます。
舞台の方が衝撃的で、たくさん泣いたけど、
映画も、やはり、泣いてしまいました~
めっちゃ暑い・・・家の中にいても、熱中症になりそうなくらい。
一気に暑くなると体力と、やる気まで失いそう~~
さて、22日封切りとなった映画を見てきました。
「焼肉ドラゴン」
カンフー映画ではありませんよ~(苦笑)
テレビの番宣を見て、コメディと思ってる人も多いようやけど、そうでもない。
鄭義信さんの脚本・演出の舞台作品を、鄭さん自身がメガホンをとって映画に。
一昨年の春、兵芸中ホールで観て感涙した舞台です。
舞台は、2008年に日本の新国立劇場と韓国のソウル・アート・センターが
コラボして製作、数々の演劇賞を受賞しました。
再々演を私は観たんですけど、途中から涙がこぼれ、
ラストの大量の桜吹雪が舞う印象的なシーンで、涙、涙。
映画は、ほぼ舞台と同じですが、バラックが建ち並ぶ街、
飛行機が爆音を上げながら頭の上を飛ぶ臨場感、
川原の草のニオイが感じられる映画でした。
何より、家族の姿がていねいに描かれてましたね。
以下、ネタバレします・・・これから見に行く人は要注意(笑)
あらすじは、原作のウッキペディアより・・・
万国博覧会が催された1970(昭和45)年の関西の地方都市が舞台。
金龍吉は第二次世界大戦に従軍して左腕を失い、
四・三事件で故郷の済州島を追われて来日した高英順と再婚する。
龍吉は長女・静花と次女・梨花、英順は三女・美花をそれぞれ連れており、
二人は国有地を不法占拠した集落で焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業、
やがて長男の時生が生まれた。
舞台では、鄭さんが好きというコテコテの吉本的笑いがあったけど、
さすがに、映画ではコテコテの笑いは薄まってたような・・・←あれで?(笑)
・・吉本的笑いとは、同じセリフを3回繰り返して笑いを取る、とか(笑)
それでも、笑えるシーンはたくさんありました。
キャストも豪華で、しかも、皆さん、関西弁が上手い!
大泉洋さんなんて、ホントに上手いので(演技もね!)ビックリ。
先日、車の中で流れてたラジオ、たまたま井上真央さんがゲストで、
「関西弁は難しいので、撮影に入る前にかなり練習しました」
なんておっしゃってたんやけど、その甲斐あってか?
大泉さん演じる哲男と真央さん演じる梨花の言い合うシーンは、
ドスの効いた(苦笑)関西弁が素晴らしかったです!
桜の花びらは、舞台のように大量には降らなかったし、
焼肉のニオイは少なめではあったけど、
涙がこぼれるところは同じでした。
ひとり息子の時生。
成績が良いから私立の進学校に入るのですが、
そこでいじめられ不登校になります。
舞台ではセリフで語られるだけですが、
映画はリアルでしたね。
背中に、「キムチ」って書かれたり・・(涙)
やがて、彼は話さなくなり、バラックの屋根の上に上がっては、
爆音をあげながら頭上を飛ぶ飛行機に向かって「わ~」と叫ぶだけ。
登校日数が足らず留年に。それでも龍吉は、学校へ行けといいます。
英順が「可哀そう。転校させたら」というのにも耳を貸しません。
「ワシらは日本で生きていくしかないんや。韓国に帰る家はない。
日本で生きていくからには、日本の学校を出なあかんのや」
だけど時生は、川から身を投げてしまうんです。
・・・・ほんと、泣ける・・・
バラックの町並み、国有地だから立ち退けと迫る市の職員に、
龍吉は言います。
「しょうゆ屋の佐藤さんから買うた土地や」
「国有地は売り買いできません。立ち退き料は税金なんですよ。
あなた方に立ち退き料を払うのは、盗人に追銭という人もいてるんです」
「ワシらの土地を奪うんやったら、戦争でなくしたワシの腕を帰せ、息子を帰せ」
叫び、嗚咽する龍吉・・・涙、涙、です。
娘たちもそれぞれ悩みを抱えています。
次女の梨花と結婚した哲男は、大学を出たのに就職ができず、
いつも飲んだくれてぐだぐだ・・・しかも、
幼なじみの静花のことが忘れられず、梨花と夫婦ケンカを繰り返します。
結局、梨花は常連客の日白と関係を持ってしまい・・・、
哲男は、静花に、「一緒に北へ行こう」と言います。
・・・つまり、北朝鮮帰国事業ですね。
静花はそれを受け入れます。
梨花は日白の母国の韓国に一緒に行くと言い、
三女の美花は、妻のいるキャバレーの支配人の長谷川とつきあい、
妊娠したことで、長谷川は離婚し、二人でスナックを始めるといいます。
「娘さんをください」という長谷川に、龍吉が、
在日1世の自分の、これまでの人生を語るのですが、
あそこが一番泣けます・・(涙)
「ワシは働いて、働いて、働いて・・・」
やっと手に入れた家族との暮らし。
いくばくかの立ち退き料でこの土地を追われ、
家族は離散していく。
ラストシーンは、舞台と同じ。
娘たちを見送り、荷物を積んだリヤカーを引く龍吉、
リヤカーを押しながら、そこに乗る英順。
急に重くなってびっくりする龍吉。
「乗るんか? 押すのと違うんか?」
にっこり笑う英順。
重そうにリヤカーを引く龍吉。
解体されつつあるバラックの家並み。
桜の花びらが舞い、焼肉「ドラゴン」の壁も倒れる。
日本の高度成長期の片隅で、懸命に生きる在日コリアンの家族。
血はつながらなくても、分け隔てなく子どもたちに愛情を注ぐ夫婦。
一生懸命真面目に生きながらも、不本意な事は起こる。
「たとえ昨日はどんなでも、明日はきっとええ日になる」
アボジ・龍吉の口ぐせのこの言葉。
「バラバラになっても、家族は家族や」
オモニ・英順の言葉。
暗くて重いストーリーやのに、ラストシーンは、
どこか明るい未来を感じさせます。
舞台の方が衝撃的で、たくさん泣いたけど、
映画も、やはり、泣いてしまいました~