CuniCoの徒然・・・岩下邦子の独り言

日々の暮らしの中で、立ち止まったり、すれ違ったり。私の中のアレコレを思いつくまま、気の向くまま。

昔の記憶

2016-09-25 08:05:37 | 日記
浅草へ芝居に行った日。
家人との待ち合わせは、雷門だったのだけど・・・
なんと、家人が家を出るであろう時間の10分前に
田園都市線が人身事故で電車が止まっていることを知り、
急遽、横浜経由をメール。
家人が乗ってきた東海道線に川崎で私が乗車することに。

上野経由で浅草へ向かったのだけど・・・
東京駅で東海道線は終着だけど・・・乗り入れているんですね。
上野東京間は、上野東京ラインというらしい。
そして、上野から先宇都宮線と高崎線に乗り入れる。
はぁ・・・東京に生まれ育っている私にも追い付けない東京の変化。

あっちの電車もこっちの電車も乗り入れとやらをしていて、
渋谷桜木町間を走っていた東急東横線も、横浜から先は、地下鉄になる。
横浜中華街行になってしまい、桜木町へは行かず、渋谷から先はなんと
埼玉県まで抜けているわけで・・・まったく、わけわからんって状態であることは確かだ。

慣れないなぁ・・・東京。

というわけで、上野までそのまま乗車して・・・
集団就職の人たちが降り立ったホームがどうなっているかを覗きながら、
銀座線へと向かった・・・

この銀座線・・・いいなぁ。とても、いい。
何がいいかって、渋谷浅草間の折り返し運転。
どこの路線とも乗り入れていない、東京では珍しい電車なわけです。
日本初の地下鉄でもあり、東京を訪れた方には、ぜひぜひ乗車してほしいと思うわけです。

昭和二年に開業したのは、上野浅草間だった。
私は子どもの頃、祖母に手を引かれ、蒲田から上野に出て、
上野ステーションホテルに滞在する神戸の大叔父に会いに行ったり、
浅草の大叔母さんの家に行ったりした。

この上野駅の銀座線に向かう地下道が、幼い私には、とても怖い場所だった。

そこには必ず傷痍軍人さんがいた。

その前を通り過ぎる時・・・幼い私の心は重たい真っ黒い雲に包まれる気がして、とても怖かった。

その地下道が、今もある。

今は傷痍軍人さんは、いない。

それでも、あの時の重たい真黒な雲のように感じたものは、私の心に焼き付いている。
昔の記憶・・・だけど・・・
『戦争は怖いもの』それは、リアルな私の記憶だ。

この日は時間もあったので、あちこち家人と歩いた。
浅草の駅から、浅草寺。ぐるっとわまって、田原町駅まで歩いた。

幼いころの私の記憶・・・あ、もしかしたら、この辺りだったかもしれない。
大叔母さんのお家。。。
確か、祖母の兄弟のお家だったはず。。。
糸とかボタンとかを商っていた。

祖母の実家は神田にある『秋田屋』
インターネットで調べてみると・・・実家の糸問屋さんは、まだ続いているようだ。
社長さんの名前も、祖母の旧姓と同じ・・・間違いないな・・・きっと、神田のお家のはずだ。

幼い頃、歩いていたであろう路地などを眺めながら、ぶらぶらする。

開演には時間があったので浅草演芸ホールの斜向かい『まるごとにっぽん』に立ち寄った。
ここ・・・好きかも。と思いながら、ぶらぶらして、なにしろトイレがおしゃれで・・・
まぁ、ここは新しい建物で近代化されているが・・・日本を楽しめる建物で、空気もゆったり流れていた。

で・・・芝居を観て、帰るとき・・・浅草駅の地下の飲み屋さん。


東京にも、こんな場所があってくれることがとても嬉しい。
近代化ばかりが能じゃないってんだ・・・
浅草・・・古い店がちゃんとあって、雑多な中に安らぎを感じる町。

六本木も道を壊してしまって、道路がなくなりビルが建つ。
渋谷も五島プラネタリウムがなくなった時点で、私は対応できない街になっている(^^ゞ
せめて、上野浅草界隈は、昔のままで・・・どうぞ、残してくださいと思いながら、
懐かしの地下道やら何やかや歩いて・・・くたびれきって帰宅した。

町田市は、東京なのか神奈川なのかと話題になるほどの東京の南に突き出した部分で・・・
その町田市の中でも南に住んでいるから、少し行けば、相模原市か横浜市なわけで・・・
浅草に行こうと思ったら、1時間半かかるわけだ(^^ゞ

蒲田に住んでいたころ・・・正確には矢口渡に住んでいたころ、
祖母は私に「邦子、東京へ行くよ」と私の手を引いて、家を出た。
幼い私は、蒲田も東京なのに・・・と思ったものだが、
神田で生まれ育って、本所に嫁いだ祖母にとって、蒲田は東京じゃなかったのかもしれない。

浅草に出かけたりすると・・・「東京に行くよ」といった祖母の気持ちがよくわかる。

昔の記憶、それはとても曖昧で、それはとても懐かしい香りがする。
昔の記憶、それはとても強烈で、それはとても怖いものだったりもする。

ぽたぽたと 落ちる雨音 お家の中に
洗面器並ぶ 雨の夜
くらい空では ごうごうと
風の神様 お祭り騒ぎ
縁側で 小さな眼(まなこ)が 覗く縁の下
なにがいる なにがいる なにかいる
秘め事 睦言 世迷言
ぼたぼたと 落ちる雨音 滴る朱(あか)は
恨みつらみと いのちの温もり 子守歌

夕べ・・・咲きました。




前回は寄り添うように二輪咲いていた。
昨夜は、少し離れて・・・

今年は草花が、季節を戸惑っているから、
お花が、なぜか・・・二度咲いたりしている。

秋雨前線大活躍で、今日もお部屋に洗濯物の花が咲く。