CuniCoの徒然・・・岩下邦子の独り言

日々の暮らしの中で、立ち止まったり、すれ違ったり。私の中のアレコレを思いつくまま、気の向くまま。

『うれしい』がいっぱいあった一日だった(^^)

2020-10-29 11:40:35 | 表現にからむ様々なこと
10人の客がいたら10の受け止めがある。
だから、そのままでいい。
左右されるな・・・と、よく言われたものだ。
全くその通りで、自分が何をやりたいか、何ができるか・・・
やりたいこと、出来ること・・・それをどう表現するか・・・
100%できた、などという瞬間はあり得ない。
けれど、そこに近づくために、自分にできることを、
淡々とやり抜くしかない・・・

で、その結果・・・『うれしい』がいっぱいあった一日となった。

2020/10/27 於:アトリエ第Q藝術
芥川龍之介原作『藪の中』
語り手 CuniCo
尺 八 大由鬼山
ピアノ ケミー西丘
照 明 早川誠司

初演の舞台が無事に終わりました。
『文学を観た気がする』との言葉を頂き、恐悦至極・・・

当日、わたしが皆さんにお配りしたものに書いたこと、転記しておこう。

『芥川龍之介について、語るほどの見識はない
人間について、語るほどの勇気はない
社会について、語るほどの強さはない
あったかストッキングとひんやりストッキングが
引き出しの中で、まぜこぜになって
どれがどれだかわからずに混迷する
善きことも悪しきことも抱え込んでいる
いつも、わたしは混沌としている』

大由鬼山さんの尺八は、空間を包み込み、支配し、切り裂いてくれます。
ケミー西丘さんの強くクリアでしなやかなピアノも宝物です。
早川誠司さんの照明は、繊細で本のページをめくるように、場を織りなしてくれます。

早川さんが撮ってくださった本番の様子です。
ある意味、特等席だなぁ(笑)





かかわって下さったすべてのみなさん、
ご来場くださったみなさん、
そして、遠くから近くから応援してくださったみなさん、
ありがとうございました。

今回、得たもの・・・それは、
現在の自分を認識し、これからの自分をイメージできるところに立てたということだろうか。

『アトリエ第Q藝術』という『場』で、何ができるのか・・・夢が膨らみます。
ゆだねられるスタッフもそこにはいてくれます。
マイペースでのんびり。
まずは、一年後の『藪の中』再演の準備と・・・
半年後くらいに別の企画を・・・さっき思いついた(笑)

お客様から、一年後と云わず・・・との声もいただき、勇気を頂きました。
ちょっと、全く別物の、ずっと前から、やりたかったこと。。。やってみようかなと。

こんな風に思えるのも、わたしを支えてくれる大由鬼山さんあればこそ。
見守り、支えてくださって、感謝しかありません。

古くからの知り合い・・・舞台関係者が観に来てくれた。
マチネのあと、次があるのにごめん、などと云いながら、いろいろ話した。
役者って何なんだろうなぁ・・・と、話した。
ソアレも終わり、一日たち・・・日常に戻されつつある自分。
つらつら思うに、あ・・・自分でいたいんだ・・・
私は、『役者』になりたいのでも、『歌手』になりたいのでもなく、
やっぱり、ナニモノでもない、自分でいたいんだと・・・気がついた。
それが、つまり『自分』っていうのは
『表現する』こと抜きにはないんだな・・・ってことなんだ。
『魂』が『表現したい』って言ってるんだ・・・

演者もスタッフも『場』もお客様も、それぞれの『魂』がある。
それぞれの『魂』がそこにあるから、素敵な時間を紡ぐことができるんだなぁ・・・
そう思った・・・

2020/10/27は、『うれしい』がいっぱいあった一日だった(^^)

役者である・・・ということ。

2020-10-14 09:30:19 | 表現にからむ様々なこと
役者である・・・ということ。
ふ~む、久しぶりに、『役者』として過ごす時間・・・いいなぁ(^^)

しかし、何事もそうだが、老いては、いる。
筋肉も明らかに落ちている。
脳みそも筋肉らしいから(これは全くの噂です・・・)落ちている。
脂肪は、増加傾向である・・・

よく運動会で久しぶりに走ったお父さんが肉離れを起こす。
昔テニス部だったお母さん、ラケットでとらえたはずのボールが、なぜか・・・
みたいなことです。

久しぶりの役者としての舞台は、なかなか・・・だ。

2年間、勉強させていただいたBitches Brewでは、最後の何回か・・・は、
小川未明の作品を取組んだりもした。
ある意味、その時間があったからこそ、いまに至っているのだが、
セリフの量も空間も、全く違うわけで、なかなか手強くはある。
あ、もちろん、小川未明もかなり手強い・・・

その手強さも、また、快感なのだ。

もちろん、表現するものとして立ってきた時間は、ある。
が、その手掛かりというか、プロセスというか、在り方というか、
それは、その表現によって、違うことは明らかだ。
もちろん、個人によっても違うわけで同じものは、ない。

つまり、それは、
同じ時間はどこにも存在しないということなわけで・・・
あ、話がそれる。

久しぶりに、役者である・・・ということを肌で感じている。
生きている気がするなぁ・・・本当に。

昔の私にできていたこと、を追いかけるのではなく、
今の私にできることを、
今の私にしかできないこと、をしっかりやらなくっちゃと思っている。

芥川龍之介が書いた言葉がそこには、ある。
それを、どう表現するか・・・
突き放すのか、抱きしめるのか、漂わせるのか・・・
意図しながら『素』であること。
素でありながら『意図』すること。
面白くてしようがない・・・

が、その面白がるパワーもすでに57歳ではある(笑)

そんなあれこれを感じながら、日常は流れていく。

さぁさ、みなさんお立会い。
あの芥川龍之介が98年前に書いた『藪の中』
実に人間は、面白い。
実に人間は、残酷であり、自己中心的であり、愛おしい。

同じ時間は存在しない・・・
ぜひ、足をお運びください。
そして、唯一無二の藪の中に足を踏み入れてくださいませ(^^)

芥川龍之介原作『藪の中』
10月27日(火) 3,000円
マチネ 13:30開場 14:00開演
ソアレ 18:30開場 19:00開演
語 り CuniCo
尺 八 大由 鬼山
ピアノ ケミー西丘
照 明 早川 誠司
時節柄定員を制限いたします。
事前にお申込みいただけると助かります。
お申込み・お問い合わせ

utamonogatari@icloud.com


10/12の稽古風景


アトリエ第Q藝術の入り口・・・です。
画像を回転させるために時間を費やしたが・・・できなかった・・・
見る方が、ちょっと、体をストレッチしてくださいませ(^^ゞ


駅から徒歩3分、小田急線の線路が姿を現すあたりに自転車置き場。
その奥、二階の窓に『珈琲』と書いてある建物がアトリエ第Q藝術です。