東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

シロフォン

2015年04月15日 | 日記

 春休みのある日。前日出勤で出勤して昼食をとり「さて,ゆっくりと歯みがきできるのは今日ぐらいかなぁ」と歯ブラシを取ったときのことだった。「先生,生徒が呼んでいます」と言われた。

 行ってみると吹奏楽部の生徒が二人。一人は部長で一人はパーカッション担当。パーカッション担当の生徒が「先生。シロフォン直せますか?」ときいてきた。当然、自分は吹奏楽部の顧問ではない。中学校の一理科教員である。シロフォンという木琴の豪華版は知識としては知っているけれど,直すなんて……。

 「直してくれそうな先生が,先生しかいなかったんです。」と部長がパーカッション担当とつづく。三十名近くいる教職員の中から選んでいただいた手前,お断りするのは忍びない。わかりました。午後の会議は30分後に始まりますが,歯みがきを中断してやらせていただきましょう。シロフォンを見てみると,土台の肝心な所のネジが2カ所とれていて,非常に不安定になっている。代わりのネジを持ってきて締めれば固定できるのだが,ドライバーが真っ直ぐに入らずうまく締められない。30分色々やってみたけれど結局うまく直せなかった。

 「ごめんね,結局直せなくて」一緒にあれやこれや,やっていた生徒にあやまった。

 「いいです。先生が一緒直そうとしてくれて嬉しかったです」

その一言に元気をもらいつつ,また,楽しみが一つふえた。