東京教組(東京都公立学校教職員組合)

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文科省 学力テストの結果を公表

2014年08月26日 | インポート
文科省は、昨日、2014年度「全国学力・学習状況調査」(4月22日実施)に関する調査結果および分析データを公表しました。文科省によれば、平均正答率が低い3都道府県の平均と全国平均との差が縮小傾向にあることを示し、「学力の底上げが進展」しているとしています。また、教科に関する調査結果においては、「課題の所在がより明確になったものがある」としています。しかし、悉皆で実施しなければならない理由はどこを見ても見当たりません。
 文科省は今年度から、区市町村別、学校別成績を一定の条件付きで都道府県教委によって公表が可能としましたが、公表に前向きなのは大分県など一部にとどまりそうです。

Dsc_02121「全国学力・学習状況調査」は、「『ゆとり教育』の影響で子どもたちの学力が下がった」事などを理由として、2007年に43年ぶりに全員調査を復活させたものです。先日、「ゆとり教育」をすすめた元文科相大臣官房審議官の寺脇研さんのお話を聞く機会がありました。2012年に実施したPISAの結果が、過去最高だった時に、下村博文文部科学相などが学習指導要領の改訂など「脱ゆとり」の施策が好成績の要因として、「いわゆる『ゆとり教育』から脱却し、確かな学力を育成する取り組みが功を奏した」と喜んでいたことに対して、「2012年に15歳と言えば、まさに『ゆとり教育』で育った子ども達ではないか」と力説していました。「ゆとり教育」のスタートを2002年度から施行された学習指導要領による教育とするならば、小学校入学と同時に「ゆとり教育」の中で育ったわけですから、まさにその通りです。「脱ゆとりが奏功」と、もてはやしたマスコミはいったい何だったのでしょうか?

先日、毎日新聞に学力テストに関連して「総合学習:成績向上…推進校、学力テスト好結果」という面白い記事がありました。「小中学校などで週に2時間程度実施されている「総合的な学習の時間」と学力の関係が注目されている。積極的に総合学習で探究活動に取り組む学校ほど全国学力テストの結果が良く、学習意欲も高かった。「課題を見つけ、解決する資質・能力」を身につける教科横断型学習として2002年度から本格導入された総合学習は「ゆとり教育が学力低下を招いた」との見方による主要教科の授業時間増に伴い、11年度から授業時数が削減された経緯がある。専門家は「学力、意欲向上のためにも時間を増やすべきだ」と指摘している。」というものです。「ゆとり教育」の象徴でもある「総合的な学習の時間」は現行学習指導要領のもとでは時間が削減されました。