イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

「座敷わらし」ならぬ「川原わらし」に遭遇!?

2007年05月18日 | 釣り師の独り言
先日、遠野の小烏瀬川で大船渡のフライマン・佐藤君に会った後、
野暮用を済ませ時計を見ると午後4時。このまま帰るのも半端な時間なので、万が一のときのために用意しておいた(?笑)釣り道具一式をトランクから引っ張り出して、ちょっとだけ釣りをしようと考えた。

昼間に佐藤君に薦めたプールに入ろうとしたその時・・・
「私も釣りしたぁ~い!」という声に振り返ると、そこにランドセルを背負った女の子が立っていた。
物騒なこのご時勢、「知らないオジサン」が声を掛ける事があっても、オジサンに声を掛ける女の子はめったにいない。正直驚いた。
「叔父さんは、これから川に入るんだよ。危ないから来ちゃ駄目だよ。」と言い聞かせたが、女の子は着いてくる。
仕方が無いので、「見てて良いけど離れたところで見ててね。」と諭し、釣りに集中しようとした。しかしどうも女の子が気になる。
振り返ってみるとそこに女の子はいない。もしかして「座敷童子」の川原版か??? 一瞬背中が凍った。がしかし・・・
女の子は、僕の下手の川原に下りて石やら草花やらをいじっていた。
魚の出も悪いので、「一緒に川を上がろう。」女の子に声を掛けて土手に上がった。すると女の子も僕の後をついてきて僕に話しかけた。

 女の子「私、小学校1年生。釣りが好きなの。釣りしたいなぁ~。」
 俺   「おんちゃんも、釣りが好きだよ。」 
 女の子「一緒だね。・・・これあげる。」
女の子はそう言って僕に岸辺で摘んだ野の花を2輪、僕に手渡し、背中の大きなランドセルを揺らしながら帰っていった。
僕は呆然と女の子の後姿を見送った。今まで川でこれほど嬉しい出来事に出会ったことは無い。きっと僕はだらしないほどの笑顔になっていたことだろう。
女の子が林の影に消えるまで見送り、そしてもらった野の花をフィッシングベストのポケットに忍ばせて再び川へ降り立った。

川の流れに身をおきながら、もしかするとあの女の子は、本当に「座敷わらし」ならぬ「川原わらし」だったのではないか???
何しろここは「座敷わらし」の本場「遠野」だ。
そしてあの女の子が「川原わらし」ならば、これからの僕に幸運を呼んでくれるのではないだろうか・・・などと真剣に考えていた。