イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

宮古はスピード感が違う

2011年07月27日 | 被災地から
FM岩手のラジオ番組「三陸きぼう海岸」の取材で宮古に行ってきた。
実は、震災後初めて宮古に入った。
これまで陸前高田から大槌までは、何回か出向いてきたが、
宮古は「宮古災害エフエム」がいち早く機能を始めたので、
僕の出番はないと思っていた。

宮古の海岸付近の被災地は、僕が知っている他の地域と違って
瓦礫の撤去などはかなり進んでいて、被災車両などを見ることはなかった。
また、かろうじて流失を逃れた被災家屋にも人々が戻っている。
おそらく一階部分は浸水したと思われるが・・・・。
ただ・・・磯鶏地区にある温泉施設「マース」やコンビニは、
今も無残な姿をさらしている。
写真は、被災したコンビニの建物跡・・・・。あずまや状態だった。

番組では、宮古で水産加工品の製造と販売をする「さねばね本舗」の
近藤和也さんを取材する事になっていたが、
その近藤さんの事務所が、なんと宮古災害エフエムのスタジオの隣。
どうやら近藤さんも放送を手伝っているようだ。

取材時間までの間に宮古災害エフエムに挨拶しに行くと、
事務局長の佐藤省次さんが応対してくれて、これまでの経緯について伺った。
コミュニティ放送開局を目指して進めていただけに対応が早かったという。
その辺は、宮古FMの発起人である橋本久夫さんから電話で聞いていた。
しかし・・・
事務所機能といい、スタジオ設備といい、かなり充実していた。
また放送免許申請者が宮古市長とはいえ、「みやこコミュニティ放送研究会」が
運営の全てを担っているということが放送のクオリティを維持している要因だろう。

その後、この研究会の会長であり、スタジオがおかれている陸中ビルの
オーナー会社の社長である伊藤敏さんと話したが、
伊藤さんは放送局の経営的なことに関心が高く、
奥州エフエムの料金設定や損益分岐点などについて質問を受けた。

確かに、向こう三年間は災害放送として運営する事は可能だが、
その後に正式なコミュニティ放送局を開局運営するのは難しい。
しかし、
あくまでも純民間放送を目指す彼らなら、きっとこの難局を越えられると思った。

あいにく市議会議員でもある橋本さんは忙しく、お会いする事は出来なかったが、
次回の宮古取材では事前の連絡を取ってあって話したいと思った。

「さねばね本舗」の近藤さんも震災後、ボランティ・スタッフとして
放送運営を手伝ってきたという。
この「さねばね」とは、標準語なら「やらねばならぬ」という意味の
東北地方の方言だ。
小さな会社ではあるが、「もったいない」という精神で、
今まで捨てられていた「鮭の内臓」を加工して「鮭ホルモン」なる
水産加工食品なども製造販売するユニークな会社だ。

事務所や工場は、藤原埠頭にあったので、当然のように全壊。
しかし、賃貸物件だったので彼には1円の補償もなかった。
それでも5月の連休明けから、再開の準備を始めて
最近ようやくネット販売を再開しているという。

興味のある方は、下から入って見てください。

  さねばね本舗

彼を紹介する「復興の息吹 三陸きぼう海岸」は、
7月29日(金) 午後2時45分から55分まで。

  Radiko復興支援プロジェクト で!!!