イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

川井村タイマグラで一泊 その2

2008年07月14日 | 釣り師の独り言
土曜日の夜から久々にタイマグラでキャンプした。

日曜日の朝は、前日から学校キャンプでタイマグラに来ていた江繋小学校の子供達の歓声に起こされた。簡単な朝食の後に、早速薬師川の下流に移動して釣りをした。
最初は放流サイズのヤマメが中心だったが、ここぞという場所ではそこそこの中型ヤマメが飛び出した。2時間ほど釣りのぼったところで、魚の出が渋くなったのと先行者の気配を感じたので、そこから上流を諦めてキャンプ場脇のポイントに移動しようと考えた。
そろそろ学校キャンプの行事も終わった頃だろうと思ったからだ。

キャンプ場は人影もまばらで、ようやくタイマグラらしい風景になっていた。キャンプ場脇の200m程度を釣りあがったら中型のイワナが立て続けに5尾ほど釣れた。そこに管理人の向田さんが声を掛けてきた。
「そこから上は、クマが出るからやめておけ。」という。
そう聞かされて慌てて川を上がった。

聞けば、上流の養魚場が廃棄する死んだイワナを狙ってクマが出没するらしい。その養魚場では、わざとクマの餌場のような場所を作って死んだイワナをおいておくそうだ。そのイワナを狙ってクマが交代で餌を食いにやってくるという。
そうするようになったのは2年前からだそうだ。
それまでは、夜に養魚場の金網を破って池に入ったり、魚の餌を置いている物置にいたずらしたり・・・と、毎日大変な事になっていたそうだ。
そこで、昔のように養魚池で死んだイワナを特定の場所に捨てる方法を試したところ、これがビンゴ!以来、熊達のいたずらはピタリと収まったそうだ。
向田さんが確認したところ、北の森から7頭、南の森から2頭来ているという。その北の7頭は、みんなキャンプ場近くの薬師川を横切って餌場に向かう。しかし、彼らは餌場しか興味がないそうで、代わる代わる餌場でイワナを3~4尾食って、そのまま森に帰るのでキャンプ場には一切近づかないし、これまでも被害は一度もないという。
人と自然が共生するタイマグラならではのエピソードだ。

その後、予定通り澄川さんのお宅にお邪魔して、澄川監督のインタビューとその近所にお住まいで今年「森の暮らし~たいまぐら便り~」という書籍を出版した安部智穂さんのインタビューをさせて頂いた。
インタビューの後、澄川さんの奥さんも交えて森の様々な出来事などを話し込んでしまった。タイマグラの森にいると時間の経過があまりにも早い。気がつくと午後3時を過ぎていた。
この夏のうちに再会を約束し、タイマグラを後にした。
本当に充実したタイマグラの時間だった。

澄川さんと安部さんのインタビューは、7月18日と25日に野遊び倶楽部で放送する予定。是非お聴きください。