土曜日の朝早く母を助手席に乗せ、引越し荷物を満載した車は一路西へと向かった。 渋滞もなく昼過ぎには京都まで辿り着けた。 ここまで来れば和歌山は近い。 母と京都に来る機会はもう二度とないだろうと思い、いつものようにフラリと京都南のインターを下りていた。昔私は京都に一年間住んでいたことがあるので、多少の土地勘はある。 鴨川沿いに北上して御池通りの駐車場に車を停め川沿いの店で京料理を食べた。小皿に盛られたちまちまとしたボリュームのない料理は食の細い母にはちょうどよかった。 小春日和の京都の街には黄金色のやさしい陽ざしがそそいでいた。 (写真:御池大橋からの鴨川、 東寺)
日が暮れる頃山里の家に到着。早速ご近所に母が戻ってきたことを報告しに行った。 皆口々に「よく戻ってきたね!」と大歓迎をうけた。 この先どういうことになるか判らないが、母にとっては気心の知れた家族のようなご近所さんと一緒に楽しい日々を過ごすのが一番幸せであることを確信した。