ぴかの独り言 GooBLOG vol.1

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父の辞世

2018-12-03 12:54:00 | 俳句


こんにちは。

あわただしい書き入れ時の週末を過ぎました本日です。

お蔭様の商いをさせていただき、ありがとうございます。

これで、しばらく糊口をしのげます。


遠い昔の話。

・・・・・・そうさな、あたしがまだ10歳そこそこなころ、小さなちゃぶ台で家族5人、そろってご飯を食べているときに、父が言いました。

「売るという文字の意味は、買ったものの一割を得ることなのだ。」

・・・

古い”賣”という文字。

買うという字に、十一を足して、売るという文字になっている。

当時幼心に、「あぁ、商いは、そういうものなのだなぁ」と、感じたあたしでした。


商売家に生まれながら、後継ぎではないから公務員となった父は、それでも戦後を食っていかねばならず、実家の支援を受けて母に商売をやらせた。

そんな父は、商売で儲けるという意味では、まことに疎かったと今では思います。
(大正8年生まれ・・・戦後、商売家もクソもない時代だったですね)

食べるために、仕入先様の言いなりの値段で買って、その一割を上乗せして、それでも元が高かったようで、
「お宅は、高いね」といわれていたらしい。
(ということを、呉服屋を継いだあたしは後日知った)

それでも何とか持ちこたえていたのが、の人柄だったようだ。

正直の化身みたいな人で、それを補う、今で言うところの「おもてなし」をしていた。

{お客様のご注文に、商売抜きでぎりぎりまで誠意を尽くした人でした)


そんなで戦後を乗り切った二人です。

そんな両親のおかげで、あたしたち姉弟は育ったです。


姉二人と共に、両親の背中を見て育ちました。

そのおかげで、ここまでこれました。


父は一昨年、97で亡くなりまして、母が今90で施設で過ごしています。

そんな母の手元にあったのが、この小さな紙片です。

(俳句に身をささげた父には大量の文書が残っていますが、すでに父亡き後、母が介護の施設に移動する際、彼女が手元に残したらしい。それを知ったのはずいぶん前でしたが、書くのにここまでかかりました・・・そこまでの想いがありました。)


一川に 一草に 秋深みけり
(いっせんに いっそうにあき ふかみけり)

秋天に 声放らば ありがとう
(しゅうてんに こえはなたらば ありがとう)

秋光を しなわせて水 はるかなり
(しゅうこうを しなわせてみず はるかなり)

思慮をいる 色なき 風のごときもの
(しりょをいる いろなき かぜのごときもの・・・思慮?漢字が読めない)

今という 今が一番 山粧ふ
(いまという いまがいちばん やまよそおう)

落し水 土のにほひの 野に流す
(おとしみず つちのにほいの のにながす)

一枚の 招待状は 花野より
(いちまいの しょうたいじょうは はなのより)

人間を 雀略させて 案山子かな
(にんげんを じゃくりゃくさせて かかしかな)



父が亡くなったのが2月始めで、その前年の秋ごろの句と思われます。
(とは言え、父は母の句をよく添削していましたので、父らしいけれども母らしいという微妙なところを息子は感じ取っています。)

どうにも世話が出来なくなって、父に施設に入ってもらったのが、ちょうどこの頃だったと思います。

その当時の父の句を、なぜか母が、持ち続けていました。


記憶と記録です。

あたしの父母への想いなんざ、誰にもわからなくていいのです。

ただ、あたしの記憶と記録は、残せるものならば残していきたいと思っています。




昭和25年 4月10日発行 の父の遺品の、同人誌。

その中の、父の句。


物象の みな影うすし 秋一日
(ものごとの みなかげうすし あきひとひ)

ゆくは行き 来るはきにけり 除夜の鐘
(ゆくはゆき くるはきにけり じょやのかね)


当時の父 32歳。

今思いますが、あたしはまごうことなく、父の血を受け継いでしまいますた。

じいちゃん・・・老成が早すぎますって!

そして、


その花と その葉の艶と 寒椿
(そのはなと そのはのつやと かんつばき) 


・・・

彼は逍遥と、その人生を楽しんだようです。


偶然見つけた紙片。

これが、父の辞世だと思った出来事。


あたしの、記録です。



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平成27年一月二日

2015-01-02 10:53:00 | 俳句
おはよ。

新年二日目・・・雪の朝ながら快晴。

佳し!

落ち着いたところで、お元日を記す。


2014年、平成26年12月31日、午後6時。

次男お母ちゃんの実家に泊まりで留守の中、あたしは年寄り宅へと向かい、3人で年越しそばを食べる。

じいちゃんとばあちゃんが、それぞれにおぼつかない箸使いで、それでも「おいしいねぇ」と言って並んでそばを食べておりました。

ご両人、今年も穏やかに過ぎたましたか?

どうぞ幸せでありますように。


明けて夜明け頃、目覚め。

2015年、平成27年1月1日、あたしは生きておりました。

ありがとうございます。

9時ごろだったかな?氏神様に初もうで。

新たなお札を頂いて、年寄りにご挨拶。

おかげさまで、二人とも息災でした。

明けまして、おめでとうございます。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。



ハレのお朔日ですので、ちょっとのんびりと年寄りと過ごしました。

お餅を一切れずつ椀に入れましてのお雑煮の朝ご飯。

味はともかく、これもお正月ですね。

ばあちゃんがじいちゃんに言った。

「お餅をのどに詰まらせるといけません」

・・・あんたが気を付けてください。

あたしは心の中で言いますた。


新年は気持ちよく迎えたいですね?

と言うことで、じいちゃん入浴。

この頃はますます動けなくなって、左腕が使えなくなっています。

服を脱ぐのにも一苦労のじいちゃんですが、自力で出来るかどうかのギリギリまで見ています。

鬼のようなあたし・・・かもね。

でも、じいちゃん、頑張るしかないんだよ。

あたしがいつもいるとは限らないんだよ。

だから、頑張ってください。


しばらく一緒に過ごしまして、あたしは帰宅。

せっかくの元日、何をしようかと思いましたが、やったことは年度の決算。

そして不思議なことに、お酒を飲む気が全くしなかった。

これは我ながら、大変不思議でした。(結局飲まなかったんだ)

今年もまた、何かが違うのかもしれんなぁ・・・面白そうだなぁ・・・と思っておりました。


明けて今朝。

寝床の足元の布団の上に、ももちゃんが添っておりました。

起き抜けで見たベランダからの夜半の残雪が、初春の景色としてもきれいだったです。

そして、のんびりと向かいました年寄りたちは、今日も息災でした。

・・・

どうぞどうぞ、あまねく穏やかでありますように。


(年寄りたちの隠居の庭の景色です。父が建てた父の恩師の小さな碑の銘。「幽石と 雲の春なす 小庭かな」海明)


ついでに・・・

田んぼにもご挨拶。



あめつちの神様、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。


抱く父と まろぶ湯船や お元日

士に 一光清し 春の庭
(さむらいに いっこうすがし はるのにわ)

来し方を 寿ぐ春や 無花の沙羅

在りし神 成りし仏の 縁の春

険しくも 紡ぐ命や 祈る春



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老いるということ

2014-10-24 14:13:00 | 俳句
こんにちは。

昨晩のこと。

ばあちゃんから電話。

・・・「じいちゃんが、手が痛いと言っています」

重篤な症状ならば救急車を呼ばないといけないと思いながら、ばあちゃんが続けていうには、

「明日、(かかりつけの)お医者に連れて行ってほしいと言っています」

・・・

急患ではないらしいと判断できたので、とりあえず一晩明けるのを待って、じいちゃんをお医者に連れて行くことにした。


午前7時、次男を送り出したのち年寄り宅へ。

寝ているじいちゃんに声をかけた。(大声で)

「手が痛いそうですが、お医者に行かないと困りますか?」

・・・

そう、じいちゃんはこの頃ちょっとおかしい。

実際、どこか痛いのだと思う。

事実、何かが気になるのだろうと思う。

ただ、常人なら仕方がないと思える程度でも、それが心理的に病的に感じているという節もある。(それは実は、あたしもよくわからない)

これまでを観察していて、あたしはそう思う。

では、この場合どうするか?

それを踏まえて、今後もありそうなこんな場面で、どうするか?

・・・

じいちゃんとあたしが、ともに幸せだと思える方策を見つけたいと思います。

何かよくわからないのですが、「大丈夫」と思っているあたしがいます。

だから、きっと大丈夫。(根拠なし)

さて、じいちゃんとあたしはいったいどこへ行くのでせう?


ご縁の果てのその先の今ここで、「あたしの人生、またまた面白くなってきましたね?」と、じいちゃんの顔を見ながら今朝もほくそえんでいたあたしです。

あたしも頑張るから、

じいちゃんも頑張ってねぇ~!



果つる身も 命たわわに 月の庭
(はつるみも いのちたわわに つきのにわ)

円相の 内の憂き身や 無月尽
(えんそうの うちのうきみや むげつじん)

行く魂の 方位切なし 冬の星
(いくたまの ほういせつなし ふゆのほし)


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次男のチャレンジ

2014-09-27 13:07:00 | 俳句
こんにちは。

先日のこと。

あたしが九州に行っている間、次男はももちゃんとお留守番でした。

よろしくと頼んでいきましたところ、彼は自炊した。

ご飯3合を、炊飯器で炊いたのだ。

彼にとっては、初のチャレンジだったようです。

それながらに教えていきましたが、あたしが帰って彼が言うことには、

「ご飯が水っぽかった」

のだそうな。

そして昨日、捲土重来を期して、彼は再び挑戦。

2合のお米を炊いてみせた。

・・・大変おいしゅうございました。

また一つ、キミは成長しましたね。

お父さんはそれを素晴らしいと思います。

心から嬉しいと思いました。


先日の定休日の年寄り宅にて、がこんなものをくれた。



年寄りの食事と次男のお弁当に役立ちそうです。

ありがとう、おねいさん。


以下、九州に行った折、書いたものがありますので記録します。


寿ぎの 秋は

母娘の笑顔かな


場持ちせぬ 男の会話それぞれに

母娘の声に 救われにけり


喜びは

博多 水炊き チェリー豆


50点 いや 40点の 祝宴に

それも欲目の 親の嬉しさ


ここはここ

下戸の先方 飲む父子

酒はなくとも 嬉しかりけり


新妻に

はにかむ吾子や

秋の宴


三座布に

向かう父子の座布二つ

これも学びと

祈る父なり


嫁に出す 親御の心中 あまりあり

想い重ねて 幸せになれ












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月に吠える

2014-06-13 15:11:00 | 俳句
こんにちは。

雨らしい雨に会うこともなく、次男は今朝も元気に出勤いたしました。

6:25に家を出ますので、この頃はそれに合わせて、ももちゃんの散歩を兼ねて駅まで一緒に出掛けます。

今日もお仕事、頑張ってきてください。


前回の献血によります血液検査の結果が届きました。

大方の予想通り(?)、γーGTPが138で前回の78から大きく更新。

γーGTPの説明にはこう書いてある・・・

「飲酒により数値が上がりますが、一か月ほどお酒を控えると平常値に戻ります」

・・・一か月ほどお酒を控えると・・・

ということで、昨晩はいつもの半量で済ませました。(それでも飲むんかい!)

そして、9時就寝。

やがて午前1時半。

なにやら物音で目が覚めた。

あまり聞いたことがないですが、ももちゃんがベランダで吠えていた。

泥棒でもいるのかしらん?と寝床から這い出してベランダに出てみれば・・・

それはそれは見事に煌々と輝く満月が、ベランダの真正面にあった。

おぉ!美しい!

そばで月光にぬれるように光るももちゃんの白い体を見ながら、

「オマエは何を感じているんだい?」

と声をかけたPですた。


月に向かって吠えるももちゃんと一緒に、しばらくの間、タバコをくゆらせながらぼんやりとしていました。


丑三つの 月涼しけり 犬の声
(うしみつの つきすずしけり いぬのこえ)

夢短夜 月下に染まる 犬青し
(ゆめたんや げっかにそまる いぬあおし)






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