聖ピオ10世教皇
在位1903年-1914年
ピオは、イタリアのヴェネチアの近く、リエーゼの農家に生まれた。村の学校を出た後、1850年にパドバの神学校に入り、58年に司祭となった。その後、マントヴァの司教、枢機卿、ヴェネチアの大司教を務めた。1903年に教皇に選ばれた彼は、「すべてをキリストにおいて新たにすること」をモットーに、20世紀初頭の混乱した社会を、キリストの精神に従って建て直そうと力を尽くした。近代主義を排斥し、伝統的価値を擁護するとともに、典礼の刷新、教会法典の編纂、聖職者の教育の強化に貢献した。彼は強固な意志と知性に恵まれ、その業績と徳の高さから人びとに敬われた。
しかし第一次世界大戦の勃発にあたっての平和回復のための努力は実を結ぶことなく、その心痛のため病気になって亡くなった。