先日、ネットのニュースを拾い読みしていて面白い記事を見つけました。アイスランドのガイドブックを書いたりしているアルダ·シグムンドゥスドティールさんという女性が、アイスランド国内の読み方が難しい地名をピックアップして、その読み方を教えてくれるというのです。
「読み方が難しい」というのは、もちろん外国からのツーリストにとって、ということです。
アルダさんがまずは自分のFacebook上にこれを紹介したところ、たちまち1500ものシェアがなされとのこと。私もアルダさんのFacebookをのぞいてみました。個人のアカウントではありますが、アイスランド紹介関係の自身の著作を売るための「ページ」にもなっています。
アルダさんは、アイスランドの地図上にこれらの35の難しい地名を持つ観光スポットを示してみたのですが、反響が大きかったので、後から「それぞれの地名を実際に聞くことができるように」と、ご自身で地名を読み上げたリンクを作ったということです。
実際に発音を聞いてみたい方はこちら
で、これらの35の地名を見てみますと、確かに読み方が難しいのはわかるんですが、それより先にものすごく長い地名ですね、それぞれ。アイスランドの単語には良くあることなのですが、短い単語が次々と連結していって、長〜い単語を形成します。これらの地名もこの仲間です。
ですから、その長〜い単語を形成しているひとつひとつの単語を知らないと、きちんと読めない、という結果になります。日本語でも同じですよね。「航空機疑惑問題等防止対策協議会」というのをグーグルで見つけましたが、日本人なら簡単に読めるこの単語(ただし内容が簡単にわかるかどうかは別ですが)、日本語を学び始めたばかりの外国人だったら往生するでしょう。
Myndin er ur Icelandmag.visir.is
実際にアルダさんが挙げている35の場所から例を取りますと、南部にTindafjallajokulsdalurというところがあります。カタカナで表記してみると「ティンダフャットゥラヨクルスダールル」となりましょう。
これはtind+fjalla+jokuls+dalurという四つの言葉が連結してできています。辞書に載っている単語の形で意味を言いますと、tindurは「頂き、ピーク」 fjall「山」 jokull「氷河」 dalur「谷」となります。
ですから、この地名は「頂き山氷河谷」とでもなるのでしょうか? 長い割に意味が薄い気がしますが... (^-^;
もうひとつ。北東部にLaufskalafjallgardurというところがあります。初めて聞く地名で、もちろん、私は行ったことがありません。カタカナ表記では「ロイフスカウラフャットゥルガルズル」となるでしょう。
これはlaufs+kala+fjall+gardurという四語の連結です。意味は順番に「葉っぱ」「キャベツ」「山」「庭、園」となります。「キャベツ」だけは私が意味を取り違えているかもしれませんが、多分大丈夫です。「葉キャベツ山の園」ということでしょうか?
このような普通の単語の連結なら、ある程度アイスランド語がわかってくるようになればそれほどまごつくことはありません。ですが、それでも「勘違い」というものはあります。
以前、Facebookの教会関係のグループで、なにやら議論していました。詳しく見なかったのですが、heimsendingという言葉だけ目に入りました。heimは「自宅へ」とか「自宅に」の意味。sendingは「送ること」を意味します。ホームデリバリーのことですね。
で、ピザの配達か何かの議論をしているのだろうと思いました。その後、何回かチラチラ議論が横目に入ってきたのですが、何かピザとは関係ないことを議論している風、しかも真面目に。
それで、よーく見てみると、それはheimsendirについての議論だったんです、heimsendingではなくて。heimsendirとはheims「世界の」とendir「終わり」の連結語です。「世界の終わり」ハルマゲドンについての議論でした。ピザの出前じゃなかった。(^-^;
これなどは単語がわからないからではなくて、読み間違いが原因ですよね。あまり皆さんは普段は気にされていないかもしれませんが、日本語、特に漢字はものすごく「視覚性」が強い言語です。
ですから、私たちは文章を目で見たとき、読むより先に目で内容を理解し始めていることがあります。要するに「形」で内容を先取りしてしまうわけですね。私は、どうもそういう習性が、アイスランド語を読む時にも身についてしまっていたようです。
先の勘違いでは、私はhemsendirという単語の形を見て、heimsendingと取り違えてしまったわけです。
つい先日も同じような経験をしました。UNICEFから手紙が来たので、「なんだ?」と思い封を切りました。すると「あなたはこの十年間、家庭内暴力をしてきました...」は!? なんだ!?
ところがよーく見直してみると「あなたはこの十年間ワールドフォースターになってくれています云々」「ワールドフォースター」はアイスランド語ではheimsforeldriと言います。一方heimilisofbeldiは「家庭内暴力」。またしても私の「見間違い」でした。
日本語でも勘違いしやすい言葉というのはありますよね。今でも時々思い出すことがあります。もう三十五年以上前のことですが、大学生の頃カフェで友人三人と軽食をとっていました。
友達のひとりが、食べ足りなかったらしく大声で店員さんに「すみません、中華ツイモンお願いします!」??ここ中華じゃないけど??
彼が言いたかったのは「追加注文願います」確かに紛らわしいかも。「あー、いつか絶対やると思っていた...」と本人の弁。覚えています、しっかりと。
話しが途中から変な方向へそれてしまった感がありますが、元へ戻ってアイスランドの地名。アルダさんの作ってくれた地名視聴用のリンク、多分日本でも有効と思いますので、時間のある方はぜひ試してみられては?
カタカナ表記はどうしても実際の発音とはかけ離れてしまいます。ホンマもんの音を聞かれるのは損のないことだろうと思います。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
「読み方が難しい」というのは、もちろん外国からのツーリストにとって、ということです。
アルダさんがまずは自分のFacebook上にこれを紹介したところ、たちまち1500ものシェアがなされとのこと。私もアルダさんのFacebookをのぞいてみました。個人のアカウントではありますが、アイスランド紹介関係の自身の著作を売るための「ページ」にもなっています。
アルダさんは、アイスランドの地図上にこれらの35の難しい地名を持つ観光スポットを示してみたのですが、反響が大きかったので、後から「それぞれの地名を実際に聞くことができるように」と、ご自身で地名を読み上げたリンクを作ったということです。
実際に発音を聞いてみたい方はこちら
で、これらの35の地名を見てみますと、確かに読み方が難しいのはわかるんですが、それより先にものすごく長い地名ですね、それぞれ。アイスランドの単語には良くあることなのですが、短い単語が次々と連結していって、長〜い単語を形成します。これらの地名もこの仲間です。
ですから、その長〜い単語を形成しているひとつひとつの単語を知らないと、きちんと読めない、という結果になります。日本語でも同じですよね。「航空機疑惑問題等防止対策協議会」というのをグーグルで見つけましたが、日本人なら簡単に読めるこの単語(ただし内容が簡単にわかるかどうかは別ですが)、日本語を学び始めたばかりの外国人だったら往生するでしょう。
Myndin er ur Icelandmag.visir.is
実際にアルダさんが挙げている35の場所から例を取りますと、南部にTindafjallajokulsdalurというところがあります。カタカナで表記してみると「ティンダフャットゥラヨクルスダールル」となりましょう。
これはtind+fjalla+jokuls+dalurという四つの言葉が連結してできています。辞書に載っている単語の形で意味を言いますと、tindurは「頂き、ピーク」 fjall「山」 jokull「氷河」 dalur「谷」となります。
ですから、この地名は「頂き山氷河谷」とでもなるのでしょうか? 長い割に意味が薄い気がしますが... (^-^;
もうひとつ。北東部にLaufskalafjallgardurというところがあります。初めて聞く地名で、もちろん、私は行ったことがありません。カタカナ表記では「ロイフスカウラフャットゥルガルズル」となるでしょう。
これはlaufs+kala+fjall+gardurという四語の連結です。意味は順番に「葉っぱ」「キャベツ」「山」「庭、園」となります。「キャベツ」だけは私が意味を取り違えているかもしれませんが、多分大丈夫です。「葉キャベツ山の園」ということでしょうか?
このような普通の単語の連結なら、ある程度アイスランド語がわかってくるようになればそれほどまごつくことはありません。ですが、それでも「勘違い」というものはあります。
以前、Facebookの教会関係のグループで、なにやら議論していました。詳しく見なかったのですが、heimsendingという言葉だけ目に入りました。heimは「自宅へ」とか「自宅に」の意味。sendingは「送ること」を意味します。ホームデリバリーのことですね。
で、ピザの配達か何かの議論をしているのだろうと思いました。その後、何回かチラチラ議論が横目に入ってきたのですが、何かピザとは関係ないことを議論している風、しかも真面目に。
それで、よーく見てみると、それはheimsendirについての議論だったんです、heimsendingではなくて。heimsendirとはheims「世界の」とendir「終わり」の連結語です。「世界の終わり」ハルマゲドンについての議論でした。ピザの出前じゃなかった。(^-^;
これなどは単語がわからないからではなくて、読み間違いが原因ですよね。あまり皆さんは普段は気にされていないかもしれませんが、日本語、特に漢字はものすごく「視覚性」が強い言語です。
ですから、私たちは文章を目で見たとき、読むより先に目で内容を理解し始めていることがあります。要するに「形」で内容を先取りしてしまうわけですね。私は、どうもそういう習性が、アイスランド語を読む時にも身についてしまっていたようです。
先の勘違いでは、私はhemsendirという単語の形を見て、heimsendingと取り違えてしまったわけです。
つい先日も同じような経験をしました。UNICEFから手紙が来たので、「なんだ?」と思い封を切りました。すると「あなたはこの十年間、家庭内暴力をしてきました...」は!? なんだ!?
ところがよーく見直してみると「あなたはこの十年間ワールドフォースターになってくれています云々」「ワールドフォースター」はアイスランド語ではheimsforeldriと言います。一方heimilisofbeldiは「家庭内暴力」。またしても私の「見間違い」でした。
日本語でも勘違いしやすい言葉というのはありますよね。今でも時々思い出すことがあります。もう三十五年以上前のことですが、大学生の頃カフェで友人三人と軽食をとっていました。
友達のひとりが、食べ足りなかったらしく大声で店員さんに「すみません、中華ツイモンお願いします!」??ここ中華じゃないけど??
彼が言いたかったのは「追加注文願います」確かに紛らわしいかも。「あー、いつか絶対やると思っていた...」と本人の弁。覚えています、しっかりと。
話しが途中から変な方向へそれてしまった感がありますが、元へ戻ってアイスランドの地名。アルダさんの作ってくれた地名視聴用のリンク、多分日本でも有効と思いますので、時間のある方はぜひ試してみられては?
カタカナ表記はどうしても実際の発音とはかけ離れてしまいます。ホンマもんの音を聞かれるのは損のないことだろうと思います。
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