アイスランド北部のちょうど中央辺りにHegranesヘグラネスという土地があります。そしてそこにリープRipという農場というか農場集落のようなところがあります。
行ったことはないのですが、写真で見る限りでは農場がいくつかと教会のある平和そうなところです。
ここ一週間ほどこの農場からのニュースがモルブンブラージズ紙やRUV国営放送などのネット版に載りました。いかにもアイスランド的なニュースなので、ご紹介してみたいと思います。
新聞の記事もあまり詳細に渡っていないので、ある程度は推測を含めて書かざるを得ませんのでご承知置きを。
Rip いかにもアイスランドの農場
Myndin er ur Mbl.is
この農場地の教会に隣接する土地に、冷水の良い吸い上げポイントがあるらしく、それを確かめるためにドリルでの掘削作業が始まりました。冷水の使用目的は述べられていません。たぶん農場での作業用の水と思われます。
かなり大きなドリリングの機械なのですが、作業当初より電気系統が故障したり、油圧系にトラブルがあったりと、なかなかうまくいきません。故障は一回だけではなく、「これでもか?」というように何度もあったようです。
故障した部品をレイキャビクから取り寄せるため、作業は一時すべて中断となりました。
そこで登場したのが村の長老?なのかもしれないビルギルさんという農夫の方。ビルギルさんの話しでは、ハグラネスの地方はアイスランドでも有数の妖精(Huldufolk=隠された人々)の土地。土地の人も多くが妖精を信じているとのこと。
「今、ドリルで採掘している場所の隣りは、かつては教会の墓地だった場所で、つまり魂たちが平和に眠っているところです。近すぎるんですよ、ドリルを使うには。
今、必要なことは妖精と話し合って、採掘の許可をもらうことです。作業を始める前からそうしていたら、もっとスムーズに行ったでしょうが...」
つまり、勝手に妖精の大切な場所で粗相をしたから、妖精が怒ってドリルを妨害しているのだということです。
確かに教会から近い場所のようです
Myndin er ur Mbl.is/Sigurdur-Bogi
この採掘作業を請け負っているのはVCKという会社なのですが、ビルギルさんの意見を尊重し、ドリリングの場所を多少移動することにしました。
そして新しい場所を見つけるにあたっては、黙祷で妖精の許しを得るようにしていたそうです。さらにヘグラネスの地方では、「見えないものを見ることができる人」として良く知られている人に来てもらったようです。
その人は付近を歩き回った上で「すべて問題なし」と妖精からの許可のメッセージをもらったとのこと。
こうして新たにドリリングが始まり、地下百メートルまで掘り下げ、冷水の汲み出し源を確保しました。現在ではドリリングは終了したようで、一時間に一トンの冷水が供給されているとのこと。
アイスランドの妖精については以前にも書いたことがあります。
アイスランドの「隠された人々」
ここでは妖精はティンカー·ベルのような感じではなく、「目には見えない住民」のことを意味することが一般的です。そして彼らは彼らの自然の中で平安に暮らすことを望んでいると言われています。
このヘグラネスでは、1978年にも同じような出来事があったと国営放送は伝えます。道路のブラインドヒルをなくすために爆破する試みがあったそうなのですが、妖精たちとの折り合いがつかず、中止されたそうな。
人々が本当にフルダフォルクHuldufolkを信じているのか、信じたいのか、伝統に敬意を表しているのか、はたまた話題作りをしたいのか、実際の心持ちはいろいろありましょうが、私はホットさせられる気がします。「ゆとり」を感じることができるからです。理屈には合わないことでも、「ちょっと待って。そういうことがあってもいいでしょ?」というゆとりです。
ニースの残虐なテロ事件、トルコのクーデター未遂と立て続けにありましたので周囲が騒然としています。こういうニュースは耳にするだけで、心が重くなっていって、「ゆとり」が消えていってしまう気がします。何かが自分の思いと相いれないと、暴力に訴える。ゆとりはどこにも感じられませんね。
「ゆとり」を忘れないようにしましょう、皆さん。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
行ったことはないのですが、写真で見る限りでは農場がいくつかと教会のある平和そうなところです。
ここ一週間ほどこの農場からのニュースがモルブンブラージズ紙やRUV国営放送などのネット版に載りました。いかにもアイスランド的なニュースなので、ご紹介してみたいと思います。
新聞の記事もあまり詳細に渡っていないので、ある程度は推測を含めて書かざるを得ませんのでご承知置きを。
Rip いかにもアイスランドの農場
Myndin er ur Mbl.is
この農場地の教会に隣接する土地に、冷水の良い吸い上げポイントがあるらしく、それを確かめるためにドリルでの掘削作業が始まりました。冷水の使用目的は述べられていません。たぶん農場での作業用の水と思われます。
かなり大きなドリリングの機械なのですが、作業当初より電気系統が故障したり、油圧系にトラブルがあったりと、なかなかうまくいきません。故障は一回だけではなく、「これでもか?」というように何度もあったようです。
故障した部品をレイキャビクから取り寄せるため、作業は一時すべて中断となりました。
そこで登場したのが村の長老?なのかもしれないビルギルさんという農夫の方。ビルギルさんの話しでは、ハグラネスの地方はアイスランドでも有数の妖精(Huldufolk=隠された人々)の土地。土地の人も多くが妖精を信じているとのこと。
「今、ドリルで採掘している場所の隣りは、かつては教会の墓地だった場所で、つまり魂たちが平和に眠っているところです。近すぎるんですよ、ドリルを使うには。
今、必要なことは妖精と話し合って、採掘の許可をもらうことです。作業を始める前からそうしていたら、もっとスムーズに行ったでしょうが...」
つまり、勝手に妖精の大切な場所で粗相をしたから、妖精が怒ってドリルを妨害しているのだということです。
確かに教会から近い場所のようです
Myndin er ur Mbl.is/Sigurdur-Bogi
この採掘作業を請け負っているのはVCKという会社なのですが、ビルギルさんの意見を尊重し、ドリリングの場所を多少移動することにしました。
そして新しい場所を見つけるにあたっては、黙祷で妖精の許しを得るようにしていたそうです。さらにヘグラネスの地方では、「見えないものを見ることができる人」として良く知られている人に来てもらったようです。
その人は付近を歩き回った上で「すべて問題なし」と妖精からの許可のメッセージをもらったとのこと。
こうして新たにドリリングが始まり、地下百メートルまで掘り下げ、冷水の汲み出し源を確保しました。現在ではドリリングは終了したようで、一時間に一トンの冷水が供給されているとのこと。
アイスランドの妖精については以前にも書いたことがあります。
アイスランドの「隠された人々」
ここでは妖精はティンカー·ベルのような感じではなく、「目には見えない住民」のことを意味することが一般的です。そして彼らは彼らの自然の中で平安に暮らすことを望んでいると言われています。
このヘグラネスでは、1978年にも同じような出来事があったと国営放送は伝えます。道路のブラインドヒルをなくすために爆破する試みがあったそうなのですが、妖精たちとの折り合いがつかず、中止されたそうな。
人々が本当にフルダフォルクHuldufolkを信じているのか、信じたいのか、伝統に敬意を表しているのか、はたまた話題作りをしたいのか、実際の心持ちはいろいろありましょうが、私はホットさせられる気がします。「ゆとり」を感じることができるからです。理屈には合わないことでも、「ちょっと待って。そういうことがあってもいいでしょ?」というゆとりです。
ニースの残虐なテロ事件、トルコのクーデター未遂と立て続けにありましたので周囲が騒然としています。こういうニュースは耳にするだけで、心が重くなっていって、「ゆとり」が消えていってしまう気がします。何かが自分の思いと相いれないと、暴力に訴える。ゆとりはどこにも感じられませんね。
「ゆとり」を忘れないようにしましょう、皆さん。
応援します、若い力。Meet Iceland
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