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レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

No borders! No nations! Stop C19! 

2020-03-15 00:00:00 | 日記
おはようございます。こんにちは。あるいは、こんばんは、ですね。日本の皆さん、または世界のどこかの日本人の皆さん、お元気でしょうか?

もう、おそらく世界のどこにいても(でもないか?)、あのC19のおかげでうんざり、ぐったり、げんなりしているのではないかと想像します。もう今年の流行語大賞、決まったような気さえしますね。

アイスランドでは木曜日のトランプ大統領の抜き打ち「鎖国」政策の発表に大騒ぎとなりました。経済的には大打撃となります、アイスランドだけではなく、ヨーロパ中が同じでしょうが。

いい加減、皆さんも辟易しているだろうと思い、今回はこの話題はやめよう!と考えていたのですが、金曜日の昼前のカトリーン首相や保健衛生大臣らの臨時記者会見で、アイスランド共和国になって初めての「集会禁止令」の発令がアナウンスされたため、その関連を触れないわけにはいかなくなってしまいました。

なるべくポジティブにいこうと思いますので、よろしく。(*^^*)




デンマークの教会の「やむをえず休止」を伝える報
Myndin er ur Kirkjan.is


この「集会禁止令」ですが、発令されるの今日15日の真夜中、つまり明日月曜日になった時点からです。今、これを書いているのは実は金曜日の昼過ぎなので、まだ少し対抗策を練る時間があります。

実は集会禁止令の発令は、これまでも確実視されており「いつ?」ということの方が問われていました。ですから、周囲にも驚きはないですし「ついに」という受け止め方が大半だと思います。

隣国のデンマーク、ノルウェーでは一二日早く、同様の集会禁止令が発令されており、一定規模以上の集会が禁止されています。

*と、この投稿を書き終わったところでニュースがあり、デンマークが明日(土曜日)から四週間、陸海空とも国境を閉めるとのこと。 日本ではあまり報道されていないかもしれませんが、これもアイスランドには影響大です。

アイスランドですが、金曜日の記者会見で発表されたのは「百人以上が集まる集会は禁止」、それ以外の「百人以下の集まりは禁止ではないが、集まった際に各個人間に2メートル以上の距離を保つように」とのことです。期間は「とりあえず向こう四週間」

例外は国際空港とか、飛行機、国際便の船とかだそうで、これはおそらくアイスランドの政府の権能だけではコントロールできない部分があるからでしょう。

同じく金曜日の記者会見で発表されたのは、「高校、大学は当分閉鎖」そして幼稚園から小中学(アイスランドではまとめて「基礎学校」です)は授業は続けるが、クラス内での「2メートル」条項は守る、とのこと。

なぜ小中学校は全面休校にしないかというと、学校に行かない子供たちを誰が面倒見るのか?という点をクリアできないからだろうと思います。日本でも同じことが問題化しましたよね。

この「2メートル」条項は、例えばレストランなども例外とはしない、方針だそうで、つまりレストランは各お客さんのテーブル間を2メートル以上に開けないといけないということだそうです。

学校にしても、レストランにしても、屋内でそんなに距離を取ったら、一時(いっとき)に収容できる人数は減ってしまいますね。加えて幼稚園や基礎学校の低学年では、子供同士の間に2メートルの距離を保つのは無理ではないか?という疑問が出されました。ごもっとも。

理屈に照らして、「どうやって?」とか「こういう場合はどうなるのか?」という質問は山のようにあるはずです。

「大きなスーパーマーケットは入場制限するのか?」「バスの乗客数は制限するのか?」等の質問が記者の皆さんから投げかけられました。「制限を設けることは関係者と話し合いながら検討する」ようです。

またある記者は「例えばスーパーに警官が立ち会って、人数を確認するということか?」と質問していました。カトリーン首相は答えて「そういうことはしません。私はこの国の国民の皆さんの良識を信じています」

「集会の制限は健康的な弱者の保護をまず考えてのことであり、国民の協力なしに、権力でねじふせることはできない」という態度で貫いていました。

このところ貧困対策や難民政策で人気が陰り始めていたカトリーン首相ですが、今日は非常に頑張ったと思います。もともとのカトリーンさんを久しぶりに見る思いましました。私はもともと支持者ですから。




「集会禁止令」を発表したカトリーン首相 今日42歳の誕生日
Myndin er ur Visir.is


この記者会見が終わったのが金曜日の正午の直前。そして、わずか10分後くらいに教会のアグネス監督から「集会禁止令が発令されている期間は、教会も礼拝を自粛します。今年の春のフェルミング(少年少女たちの「堅信礼」という儀式で大きなイベント)も、夏以降に延期されることになります」との声明。

首相らの臨時記者会見に合わせて、あらかじめ準備されていたものでしょう。実はデンマーク、ノルウェーでもそれぞれの「集会禁止令」に合わせて、教会も「礼拝・集会の自粛」を表明していましたので、これも驚きではなかったです。

ただビミョーに考えさせられることがあるのです。集会禁止令では百人以上の集会が禁止されます。普通の教会の礼拝には百人以上集まることはマレ。「だったら教会はいいんじゃないの?」

「いや、それでも『2メートル条項』がある。」「教会はガランとしているから(?)2メートルOKだろ?」「でも雰囲気というものがねー...」

というわけで、私がお世話している難民の人たちを中心とした集会も、平均して25人から30人参加の小規模集会。聖餐式のある時で40人から50人ですから、集まることに問題はありません。

ですが、監督の「礼拝自粛宣言」もありますので、百人以下であっても自粛せざるを得ないのです。

ですが、難民の人たちの現実を考えると、四週間の間ほっておくことはできません。なんとか教会に集い、かつ2メートルを保ちつつもコミュニケーションを保てる方式を考え出さないと...

ああ、Youtubeビデオをもう少し頑張ってこれまでに軌道に乗せていたら役立ったろうに... とは己の怠惰を嘆く愚痴に他なりません。




記者会見後のカトリーン首相のFB 「生活は続いていくから...」と誕生日の感想


というわけで、現在考え込んでしまっているのですが、それでも「集会禁止令」にまつわる教会の問題などは、町中の商店やレストランに比べたら「お子様ランチ」程度のものでしょう。

観光業やその他もろもろの産業も同様、ということから以降は日本も同じだと思います。暗くなるので、これ以上は深追いしません。

難民の人たちの強制送還に抗議する集会にはこれまでも何度も参加してきましたし、その度にNo Bordersというラジカルな難民支援グループが音頭を取って「No borders! No nation! Stop deportations!」というシュプレヒコールを叫んできました。

まさしくNo bordes! No nations! が実証されてしまっていますよね、今。ただStopしなくてはならないのは、ここではデポテーションではなくC19です。

No borders! No nations! Stop C19! 


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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