レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アウフラム イスランド! それ行けアイスランド!

2014-10-19 05:00:00 | 日記
先週の月曜日のことですが、アイスランド中が沸き返る騒ぎがありました。湧き上って当然だと思います。私も相当湧き上りました。男子サッカーでアイスランドがあのオランダを2−0で完璧に打ち破ったのです。会場はAfram Islandアウフラム・イスランド(それ行けアイスランド)の大合唱。しかもこれ、親善試合でも何でもない、ヨーロッパカップ予選の超マジな試合だったのです。

このヨーロッパカップ(正式にはUEFA EUROといいます)、アイスランドは予選Aグループ、オランダ、チェコ、トルコ、ラトビア、カザフスタンという顔ぶれの中にいます。総当たりリーグ戦(H&A)で九グループの上位各二チームが本戦へ進め、三位の諸チーム中で最高成績のチームと追加試合をして勝ち残ったチーム(計五チーム)も予選クリアとなります。

実はオランダ戦の前、アイスランド チームに既に多少の異変が起こっていました。第一戦はホームでのトルコ戦でこれには3-0で完勝。第二戦はアウェーでラトビアと対戦し、これも3—0で勝利していたのです。

アイスランドがワールドカップ予選やヨーロッパカップ予選で、最初の二試合に連勝したのは初めてとのこと。なにしろ前回2010年のヨーロッパカップ予選では1勝6敗1分という戦績でしたから。火山からエネルギーをもらった?ああ、2010年も噴火してたっけ。




大金星のアイスランドチーム 中央がエースのギルビ・ソウル
Myndin er ur Visir.is eftir Vill


ただアイスランドには良い選手はこれまでも今でもいます。彼らの多くはヨーロッパのプロのチームに所属しています。例えば今回のオランダ戦で二得点を挙げたギルビ・ソウル・シーグルズスソンは 去年までイングランドのトットナムで今年は同じプレミヤリーグのスワンシー、コルベイン・シーグソウルスソンはオランダのアヤックスといった具合です。

ちょっと盛りは過ぎましたが、エイズル・スマウリ・グビューズヨンセンはかつてのチェルシーの人気選手でした。

さて、この大番狂わせの舞台となったのは、レイキャビクにあるこの国では最高のサッカー場でロイガダールルという場所にあるので、そのまま地名がスタジアム名になっています。

ただ小国のサッカー場なので、観戦席が正確には知りませんが一万席くらいではないかと思います。それでもその席が一杯になるのは、今回のように一流のチームがやってくる時くらいのものです。

オランダ戦のチケットはネット上の専売で行われました。九月の十八日の午前十時から売り始められたのですが、販売開始前からネットが大混雑になり、実際に十時なってからはネットが繋がるのは幸運な人、という感じになってしまったようです。

ここでひとりのサッカー大好き少年が問題になってきます。知り合いの子供なのですが、小学生高学年でサッカー大好き、特にイングランドのプレミアリーグの大ファンです。オランダも好きな代表チームらしく、全ての名前と年齢をそらんじているとか。

わかりますよねえ、そういうのは。そのくらいの子供に取って(大人になっても同じか)、スポーツのヒーローはそのまま人生のヒーローです。アイスランドのような離れ小島に住んでいると、ロッペンやファン・ペルシのようなスター選手を間近に見れることは夢のようなことなのです。




もう少し席を増やせー‼︎ のロイガダールル競技場
Myndin er ur Visir.is eftir Vill


ところが、そのようなネット混乱のとばっちりを受けて、親が二時間頑張ったにもかかわらずチケットが手に入りませんでした。すごくがっかりしたのですが、追い打ちをかけるように学校の友達のほとんどはチケットを買えたらしいのです。

こういうのは可哀想ですよね。まだ試合前だった時にそういう様子を親の知人から聞いたのですが、可哀想でもどうしようもありません。Facebookでチケット買い取りをアナウンスしようかとさえ思いました。

お祈りまで?しましたよ。でも「チケットください」っていうのはさすがに欲丸出しなので「その子がそういう残念な体験を乗り越えるのを助けてください」というワタシ的な表現になりましたが。

当日、私はテレビで後半だけ観戦しました。(残念ながら月曜日で、アイスランド語の授業にかちあってしまった...) そして前半の二点で(すなわち、ワタシは得点を生では見れなかった...)でアイスランドが大金星をあげたわけですが、その時もそのサッカー少年のことが頭に浮かんでしまいました。そんな、歴史に残るような試合になってしまったからには、さらに悔しいだろうと...

翌々日にその子の親である知人に会う機会があったので、大丈夫だったか様子を訊いてみました。すると「それがね、試合の三十分前になって、友達の家族が急用で行けなくなってしまって、その友達が一緒に行こうって誘ってくれて、見に行けたんだ!」

久々に「奇跡」を感じました。アイスランドの勝利以上に。


まだまだ凄い。国営放送の火山の英語情報はこちら。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする