レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ハーフ? No, ダブル!

2013-09-09 05:00:00 | 日記
先日の土曜日、こちらに住む邦人の方々が集まって、私たちの子供たちのための日本語教育の進め方についての懇談会がありました。お子さんのいらっしゃらない方や学生さんも来てくれ二十人強が集まりました。

前にも何度か触れたことがありますが、こちらに在住の邦人の方々には特色があり、ほとんどの人がアイスランド人かあるいはアメリカ人などの第三国の人と家庭を作っています。

これまで長い間邦人同士のカップルは一組だけでした。それが私の「同郷の人」である奥様がいらしたことで最近二組に「倍増」しました。

さて私たちの子供ということになりますと、これは100%日本人とアイスランド人または他の国の人との「ハーフ」です。ですから機械的に考えるならば、日本語とアイスランド語のふたつの母国語を持つバイリンガル(あるいはさらに英語などとのトリリンガル)ということになります。

ところが当然のことながら、こちらでの生活では生活上の第一言語はアイスランド語であり、これは普通に学校に通っていれば身に付いてくる言葉です。(ただしそうは簡単にはいかない事例もあります。子供が大きくなってから移ってきた場合などは難しいこともあります)

それに比して、日本語は待っていても誰も教えてはくれません。自分たちで教えるしかないのです。しかも子供というのは育っていきます。「そのうち教える」ではだめで「いつやるの?今でしょ!」を日々強いられます。

そういうわけで日本語教室が持たれるようになったのですが、早いものでもう18年目に入っています。日本から公的な補助が出る補習校ではなく、親たちの手弁当によるボランティアです。

実は私は創始期からのメンバーで、私の子供たち二人が小学校に入るか入らないかの頃から参加しています。ありがたいことに子供たちとは今でも日本語だけで話しをしています。私たちにとっては日本語教室は強い助っ人でいてくれました。

小さなお子さんを持つ邦人の方 -圧倒的に女性ですが- の場合、こちらに来てまだ数年という方がほとんどです。そうしますと親御さん自身がアイスランド語の勉強の必要に迫られていることが普通です。一方では自分が難しいアイスランド語を学び、他方では子供に日本語を教える、ということは決して容易いことではありません。私自身もそういう道を通ってきました。

ところが子供の側にも事情があります。学齢期に日本から移ってきた子供の場合、これは日本語に限りませんが、早く「みんなと同じ」アイスランド語を身につけたく出身国の言葉を拒否する態度に出ることがよくあります。

またこちらで生まれた子供の場合は、遠く離れた地の言葉を学ばねばならない理由が分からないこともあります。そこで日本語を学ぶ意欲を持つための動機付けから必要になってきたりします。

このような状況というのは、全てがいっぺんにピタッとはまらなくてはならない複雑なパズルを決められた時間内でせかされているようなものと言えるかもしれません。親も子も悩みが多いわけです。

そんなこんなで「同じ悩むならひとりではなくてみんなで」ということになり、今回の懇談会となりました。例年日本語教室は九月から新学年入りしますので、初っぱなに話し合いをしてから授業に移ろうという魂胆であったわけです。

いろいろな意見が聞かれましたが、ひとつ心から大賛成したのは、やはり教室創始期のメンバーで私の子供たちと同じ位の子供さんをお持ちの方の発言でした。「私はうちの子供を半分日本人で、半分アイスランド人と思ったことはありません。100%日本人で100%アイスランド人です」

アーメン、あーめん、Amen。人間、ハーフなんてない。ダブルだ!!!


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori アット gmail.com

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする