教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

モニターふたたび

2014-10-23 | 音楽的アドバイス

先日、本番が終わった後、上手側のギターの方が、ベースの音が聞こえなくて

どうしたらいいのか、と聞かれたんですが、もちろん普通に「ベースの音が欲しい」と

言えばいい。いいんだけど、慣れていないとそういった事をどう伝えたらいいのか

わからないとも言っていたのね。それほどしょっちゅうライブハウスに出ている方では

ないようで、なんて言っていいのかわからないそうです。

 

ま、そういった困りごとがないようにリハをやるわけだけど、何も「ベースの音の

120ヘルツを10デジベルほど上げてください」などと言う必要はないので、普通に

「ベースの音が聞きたいんですけど」って自分の要求を言えばいいだけ。

そのために「問題はないですか?」って聞いているわけだからさ。

練習スタジオと違って、各アンプが前を向いていて、跳ね返りもあまりない環境だと

左右にいるギターとベースはドラムに阻まれてお互いに(いつもより)聞こえづらいと

いうことは十分ありえる。ただ、それが本当にやりづらいのか、慣れていないだけ

なのかの判断はしっかり把握する必要がある。

 

アンプ自体の音を上げたほうがいいのかモニターから返したほうがいいのかは

その時々だけど、PAさんと相談して色々やりやすいように調整すればいい。

その際は、あまり難しく考えないで自分の要求を言えばいいんだけど、もう少し

賢いというか、良いやり方は、マイナスに出来るものはないかと言うこと。

例えばコーラスをやっていて自分の声をもっと聞きたい場合、「自分の声をもっと上げて」と

言いたいところだけど、モニターの音が結構大きい場合「もしかしてリードVoが大きすぎて

自分の声が聞きづらいのかも知れない」と考えてみる。その可能性が高い場合は、

「自分の声がもっと欲しいんだけど、リードVoを下げたほうが効果的ですか?」みたいな

感じに聞いてみるとPAさんも把握しやすいと思う。リードVoも大きく、コーラスももっと

大きいと飽和状態になってきて耳が許容範囲を超えてしまう。邪魔しあう感じになって

あまり良くないので、まずは小さい値から始めてみるのもいいと思うよ。

 

もっと突っ込んで、「ここのモニターは何が返っていますか?」と聞いてしまうのもいい。

必要ないもの、生音で間に合うようなもので、いたずらに聞こえすぎていて邪魔だなと

思ったものは「返さないでください」とバッサリ切ってしまうのもいいと思う。

ちなみに自分がB&Voの場合は、自分のモニターからは「自分の声以外、何もいらない」と

初めに言ってしまう。ドラムは生音が聞こえるしギターもアンプから直接聞こえる。

コーラスもいらない。自分が歌うだけで精一杯なので、人の歌なんか邪魔なだけだ。

もちろん他のモニターから聞こえてくるから、それで十分。バッサリ切ってもらう。

家で素晴らしい環境でCDを聞いているわけではないから、ステージでは演奏に必要なもの

だけを死守することが大事で、それが出来てそのあと初めてもっとあったらいいなと思うものを

増やしていくのがいいと思う。

 

メタリカのドラマーがギターのみをモニターから返しているという話がある。

今はどうか知らないけど、これはメタリカのようなほぼギターリフで構成されている楽曲の

場合、ギターを中心にガッチリ合わせていくのが得策で、そうするとベースよりもギター

なんだろうと思う。もちろんベース音はアンプからの音が自然に聞こえてくるだろうし、Voも

返しているだろうけど、主にギターを返していると言うのは、優先事項がハッキリしている

からだろうと思われる。

 

このように自分で何が必要かを考えてモニター環境を作っていくのがベターに思う。

Voを主に聞いて演奏を組み立てていくならリードVoを中心に返せばいいし、ギターを

頼りにするならギターをたくさん返してもらえばいい(必要ならね)。

自分もうろ覚えで演奏しなければいけない場合で頼りになるギターが聞こえづらい場合、

「ギターを返してください」と言うときもある。ちょっと自信がないときはね。