続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

キャメロンの大いなる誤算と機能していないサミット

2016年06月28日 | 雑感

 どこへ行く  Great Britain

英国ショックが世界を混乱に陥れた。国を二分する論争の末の国民投票は勝者のいない不毛の闘いであった。
長年かかって築き上げて来たEUという政治経済共同体、ひいては世界経済の行く末に大きな影響を及ぼす
選択の決着の仕方に国民投票という手法を選んだ浅はかな英政府の責任は大きく大いなる誤算と言わざるを得ない。

しかし不思議なのは先のサミットにおいて英国がこんな重大なことを国民投票という形で決着を着けようとしている
ことに参加首脳の中で誰も待ったをかけようとした人材がいなかったのかと今更のように思う。単なるお祭りだったのか。
今や世界の政治経済がグローバルに結びついている現代において金融街シティを擁し欧州の盟主と言われた英国が
EUから離脱すればどんな危機が生じるかある程度の想像がついた筈である。そんな大事な選択に世界情勢を冷静に
俯瞰出来る国民がどれほどいるのか、日常の積もった不満や一時の感情に流されて離脱に投票した人も多い筈。
離脱がどんな影響をもたらすのか、残留したまま国民の不満や課題を解決する方策はないのか等何故もっと議論して
国民投票以外の道を模索しなかったのか。結果は双方の感情論と意地の張り合いだけで世紀の大誤算を生んだ。

投票後数日も経たない今になって早くも離脱は大いなる間違いだったと反省している離脱を主導した政治家やメディア
も出てきていると言うではないか。国民投票の結果に政治的拘束力はないとのことだが一旦生じた亀裂を修復するのは
容易ではない。当のEU側は早速厳しい態度で離脱交渉に臨むと言われている。ここは世界経済の秩序安定を最優先に
先進各国首脳が協調して良い方向性を導き出して欲しいものである。

それにしても日本経済の足腰の弱さが際立ったここ数日の状況である。遠いヨーロッパの共同体の分裂騒動なのに24日
の日経平均株価は約1300円(約8%)の暴落という世界で最も下落率が高かったことを見ても容易に判る。
それは何よりもここ数年やってきたアベノミクス(経済の常道を逸した異常とも言える超金融緩和による円安・高株価政策
に過度に依存した経済失政)に起因するところが大きい。何か事が起これば日銀・政府は「躊躇なく果断に手を打つ」という
常套句を念仏のように聞くが、こんなリーマンショック以上の事態になってももはや打つ手は無いのでしょう。
現に未だに何も出てこない。まさか更なるマイナス金利の導入や国債の買い増しという禁じ手を使おうとしているのか。
今回の株の暴落でGPIFの損失は一体どれほど膨らんだのか。聞くのも恐ろしい。参院選後に発表するというが。

いずれにしてもアベノミクスは完全に破綻したと認めざるを得ない状況でる。小国の日本が外需に活路を求めるのは
当然としても矢張りGDPの大部分を占めるといわれる個人消費の底上げ、内需拡大のための規制緩和、福祉政策の
更なる充実に目を向けなければ国民は豊かにそして幸せにはなれない。今こそ為政者はこのことを真剣に考えて貰いたい。



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