続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

そもそも参議院とは?皆さんはどう理解されていますか?

2013年07月07日 | 日々の思い


去る4日に参議院選が公示され国民の間でも少なからず関心が向いているところである。
今朝もあるTV局が巷でのインタヴューで「参議院って何、どんなところ?」という
質問をしていました。殆どの方が答えられない状況の中で選挙が行われようとしている。
ある意味では恐ろしいことでもある。しかも物凄い税金を使って。
ただ年老いた方が「良識の府である」とか「かつての緑風会の存在」に言及されていた
のには救いがあった。

にわか勉強の結果、緑風会とは昭和22年4月の第1回参議院選挙後、5月20日召集の第1回
参議院本会議において結成された最大会派(この時92人)の会派名が「緑風会」だった由。
衆議院に対し、既成政党の枠にとらわれない清新で自由な無所属議員の集まりだったらしい。

要するに参議院議員は元々政党色の無い有識者などの議員が主流で、自由闊達な意見反映
をする場であったはずである。かつては選挙区と全国区があり、比例代表制はなかった。
参議院は解散のない長期在任規定から政権選択にとらわれることなく有識者によって審議
される「良識の府」と呼ばれているが、実際参議院が新設された当時そのような議論は全く
なかったとあります。ではどういう判断であったのでしょうか。

1946年(昭和21年)に公布された日本国憲法は立法機関として国会を置き、国会は衆議院と
参議院の二院からなる。衆議院議員及び参議院議員(国会議員)は「全国民を代表する選挙
された議員」と定められた。

二院制にした理由は、一院制では選挙で多数を占める党が変わる度に前政権が作った法律を
全て変更し、政情が安定しないという懸念や政党政治の弊害、即ち多数党の暴挙、腐敗、党利
党略等を防止する観点から両院制を採る理由としたとあります。
たとえ1回の選挙で勝利し、一院で過半数を取ったとしても第二院、しかも良識ある議員が多数
いる参議院があれば簡単に法改正など自由に出来ない。一種の歯止めにしたのである。
「ねじれ」があるから物事が進まないと言うがねじれが存在するからこそ多数党の暴走を食い
止めたり、待ったをかけられるのであって悪いことではない。

しからば現状の参議院や参議院選はどうか。どう見ても第二の衆議院としか思えない。衆院の
追認機関に成り下がっている。議員の行動を見れば、衆議院選で落選した議員の救済システム
としか見えない。要するに解散で落ちても次には参議院選挙が待っているという構図である。

しかも元来有識者など清新で政党色のない優秀な議員を望んだ筈の参議院選挙が今や完全に
政党色一色で無党派の新人などには極めてハードルが高い選挙となってしまっている。
ましてや参議院選にまで比例代表制がある今の制度下では超有名人でない限り無所属無党派の
議員は誕生し得ない。
これでは4年毎、あるいは解散後に行われる衆議院選のいわば敗者復活選挙と言わざるを得ない。

参議院無用論が出て当然の状況が続き、しらけた選挙になれば又投票率は下がる。
私は投票率が50%を割れば無効としたい気分で毎回います。しかし選択肢である候補に
信頼できる人が見つからなければ行きたくないのも理解できます。
毎年何百億もの政党助成金の存在がすべての元凶ではないだろうか。選挙を重ねる毎に
賢くなって一歩づつでもクリーンで潔よい政治になることを願うだけです。

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