多摩川を散歩していると、いろんな人に出くわすが、
今日は、とても暖かくて、いろんな人が外に出ている。
そんな春のように穏やかな多摩川の堤防の隅で、
ヴァイオリンを弾いてる人を見つけた!!
通り過ぎようとしたが、その人の持つヴァイオリンの輝きに心が惹きつけられる。
その人は、見知らぬ曲を練習されていて、こちらには気づかない・・。
俺は、迷惑にならないよう、後ろからそーーっと近付いて・・・
ヴァイオリンの弓が止まったところで、ようやく小さく声をかけた。
俺「あの~~う」
その人は、ゆっくりと振り向いた。
俺「それは、ヴァイオリンですか?」
「ええ・・」その人は笑顔で答えた。
見ると、40歳前後の、品の良さそうな紳士的な人だった。
ここぞとばかりに質問すると、ヴァイオリンの基本的なことを教えてくださった。
穏やかな笑顔で、優しい目をした、とてもいい感じの方だ。
着ているジャケットといい、靴といい、実にセンスがいい。
「僕も、いつかはヴァイオリンを弾いてみたいと思っているんです」と言うと、
「じゃあ、弾いてみますか?」と言われたので、最初は遠慮した(笑)。
だが、話を聞いているうちに、どうしても弾いてみたくなってきたので、
「自分の楽器を人に触らせるのは・・好きじゃないですよね?」と聞くと、「構わないですよ」とおっしゃる。
恐る恐るヴァイオリンを受け取ってみる・・・まずは弓から、
「ああ、落とされては困るので、弓はこう持って・・左は・・」と持ち方から教わった。
生まれて初めて弾くヴァイオリン・・・
生まれて初めて弾くヴァイオリンの音に、目を閉じて耳を澄ます。
バッハやビバルディの音楽が好きで、シークレット・ガーデンや川井郁子さんが好きだが、
まさか、こんな多摩川の堤防で、ヴァイオリンを弾けるとは思わなかった。
キュキゥーウ、ギコ!キュイ~ィ、ギコ!なかなか難しい・・(笑)。
力を入れてはいけないという・・はあ、弓道と同じだなあ・・。
さすがにノコギリほどひどくはないけど、求めている音色も全然出ない。まあ、仕方がないさね。
その人は、ヴァイオリンを再開して、1年ほどだという。
これまで、いろんな楽器を弾いてる人を見たが、ヴァイオリンは初めてだったし、
それを弾かせていただいたのは、本当にラッキーだった。
ヴァイオリンの弓の弦は、馬の尻尾で出来てるとも教わった。
俺は「ありがとうございます」と、お礼を言って別れた。
昨日から頭痛で寝込んで、気分も塞ぎがちだったが、おかげで心も晴れた。
世界で一番好きな楽器、それがヴァイオリンです。
少し笑ってしまいました。
そうそう、弦は 馬の尻尾でできているのでした。
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敏感に 反応
私も楽器は まったく弾けませんので、
小説の中に 音楽家が出てくると、付け焼刃で
勉強する程度です
「出来たかな・・」と思ったら、コメントがついてて慌てました(笑)。
実に、めったにない経験!!
これだから多摩川散歩は止められない。
人が道具を扱う時って共通していて、強く握り締めてはいけないんですよね。
ヴァイオリンの弓も、弓道の弓も、柔らかく包み込むようにふんわり握る・・。