疾風の如く!

美人画と弓道に生きる日々。

「広隆寺」 千手観音と弥勒菩薩  京都時雨旅 10

2015年06月25日 | Weblog

もう帰ろうと思っていたけど、ふとよぎった広隆寺の弥勒菩薩。

なぜだか「見ておきたい」と思い、足が向きました。



嵐電の太秦広隆寺で降りて、ボロボロの足をひきずって歩きます。

拝観料が700円で、これまでのどこよりもお高い。

値段が高いのは国宝第一号だから?

ま、いっか。せっかく来たんだから・・と入っていきました。



薄暗い霊宝館の中には、爺さんが立っていました。

その爺さんがこちらへ寄って来て「帽子はお取りください」

どうも、この爺さんは、管理人というか案内人らしい。

「あ、はいはい」と返事をして、数十体並ぶ仏像を見て回りました。


大きな千手観音がありました。




また、綺麗なお姉さんをそろえたな!

うんうん、ええやんけー!!


おいくら万円で・・・って、俺は店を間違えた??

あらら、いやいや、すみません。失礼しました。

アクセス数が思ったほど伸びてないので、軽くネ(笑)

でも、この最後の日にすごい衝撃を受けたのは本当でした。



では、気を取り直して!!

こちらが千手観音様でございます。






三十三間堂の時もそうでしたが、仏像をじっと眺めておりました。

千手観音は、様々な宝具というか道具を持って、その千の手をあやつります。

その手の一つ一つが、人間以上の御技をふるうのですね。

それは、神業の域にあり、並みの人間には太刀打ちできません。



・・ということは、人間が、弓道の超プロフェッショナルになっても、

それは、千手観音の両手・・腕2本くらいでしかないという事です。

残る998本の腕には、到底かなわないのであります。


自分は、弓を引き、絵を描きますが、千手観音の腕4本には到底及びません。

さらに、あとの996本には、まったく歯が立たないわけであります。



千手観音は、いったいどうやってそんな所までたどり着いたのか・・。

初めからできたのかというと、そうではないと思ったのです。

きっと、はるかな輪廻転生を繰り返しながら、それぞれの道を精進して、

その果てしなき修練の果てに、多岐にわたる道の頂点に立った。



自分だって、それなら、千手観音の入り口にいるということです。

今は、まったく及ばないのだけれど、果てしなき輪廻転生の彼方には、

そういう姿に少しづつでも近づいているかもしれない。

そう思って眺めていると、千手観音という仏様の偉大さが伝わってきたのであります。




ところが、この千手観音の向かい・・本堂の正面に、弥勒菩薩がおります。

千手菩薩だけが、役者ではないのであります。





弥勒菩薩の解説を見ると「お釈迦様に代わって、56臆7千万年後に下生し、

この世の人々の悩みや苦しみを救う」とあります。


この「お釈迦様に代わって」というところでびっくりしました。

きっと、千手観音がいくら凄くても、お釈迦差の代わりは務まらないでしょう。

でも、弥勒菩薩がそれをやってのけるというのです。





だとしたら、神の千の手を持つ千手観音よりも、弥勒菩薩のほうが位が上なのでしょうか?

そう思って、さっきの係りの爺さんに聞いてみたら、爺さんはこう言いました。


爺さん「・・すみません・・・わかりません」

俺は「知らない?・・んですか」

爺さん「如来の上が大如来だということは知ってますが・・・」

俺「それは、僕でも知ってます・・」(ため息)


まあ、でも、千手観音も菩薩だし、弥勒も菩薩だから、

お役目が違うだけで、同じ境地にあられるのだろうということにしました。







東京へ帰ってきて、弓の稽古をしている時、

こう思うのでございます。


自分という人間は、あの千手観音の2本の腕にもかなわないのだ。

幾転生の果てに、その腕2本分の力量にまでたどりつけるだろうか・・

神の手と呼ばれるような力量や境涯に、いつになればたどり着けるのだろうか・・と。

それは、もうとんでもない先なのでしょうね。


まあ、そういうわけで、これからもコツコツ努力していきたいです。

遠い遠い未来に、神様や仏様の領域にたどり着けることを是非に願いつつ・・・・。






これは京都駅。京都で撮った最後の写真です。

こうして、大阪と京都 2015年6月6~10日の旅は終わりました。










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4 コメント

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懐かしい弥勒菩薩! (ゆぶ)
2015-06-25 14:41:33
30年ほど観てません。
千手観音さまのゴージャスさと、弥勒菩薩さまのシンプルすぎる対比!

はんか思惟の穏やかな表情は、近寄り難いですし、やはり、人間、地道にコツコツですね!!
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ゆぶ様 (トリトン)
2015-06-25 14:51:22
まだ、文章整理が完全に終わる前にコメントいただいて、
焦りつつもありがとうございます。

これらの仏像は、実は、仏教芸術作品ですよね。
ですから、芸術の威力というのもあるわけです。

文章や絵画、彫刻などの芸術が、とんでもなく深い感銘を人々に与えるんですね。
こういうのを「感化力」と呼ぶのでしょう。

人間、生きている限り、努力精進ですね。

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Unknown (Unknown)
2018-03-11 20:50:36
弥勒菩薩に千手観音菩薩が仕えるとか
返信する
Unknown (トリトン)
2018-03-13 18:01:42
天上界のことは、仏さまにおまかせします(笑)
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