疾風の如く!

美人画と弓道に生きる日々。

お釈迦様と悪口男のお話

2015年06月26日 | Weblog





あるところに、

お釈迦様が多くの人たちから尊敬される姿を見て、

ひがんでいる男がいました。
 


「どうして、あんな男がみんなの尊敬を集めるのだ。いまいましい」

男はそう言いながら、お釈迦様をギャフンと言わせるための作戦を練っていました。
 
 


 
ある日、その男は、お釈迦様が毎日、

同じ道のりを散歩に出かけていることを知りました。
 
 
そこで、男は散歩のルートで待ち伏せして、

群集の中で口汚くお釈迦さまをののしってやることにしました。
 

 
「お釈迦の野郎、きっと、おれに悪口を言われたら、
 
汚い言葉で言い返してくるだろう。

その様子を人々が見たら、あいつの人気なんて、アッという間に崩れるに違いない」
 
 




そして、その日が来ました。
 

男は、お釈迦さまの前に立ちはだかって、ひどい言葉を投げかけます。
 
お釈迦さまは、ただ黙って、その男の言葉を聞いておられました。
 
 
弟子たちはくやしい気持ちで、「あんなひどいことを言わせておいていいのですか?」

とお釈迦さまにたずねました。
 
 
 
それでも、お釈迦さまは一言も言い返すことなく、

黙ってその男の悪態を聞いていました。
 
 
 
男は、一方的にお釈迦さまの悪口を言い続けて疲れたのか、

しばらく後、その場にへたりこんでしまいました。
 
 
どんな悪口を言っても、お釈迦さまは一言も言い返さないので、

なんだか虚しくなってしまったのです。
 
 



 
その様子を見て、お釈迦さまは、静かにその男にたずねました。
 
 
 
「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった時、
 
その贈り物は一体誰のものだろうか」
 
こう聞かれた男は、突っぱねるように言いました。
 
 
 
「そりゃ、言うまでもない。相手が受け取らなかったら贈ろうとした者のものだろう。 
 
わかりきったことを聞くな」
 
男はそう答えてからすぐに、「あっ」と気づきました。
 
 


 
お釈迦さまは静かにこう続けられました。
  
 
「そうだよ。今、あなたは私のことをひどくののしった。 
 
でも、私はその ののしりを少しも受け取らなかった。
 
だから、あなたが言ったことはすべて、あなたが受け取ることになるんだよ」
 
 
 
     

 非常に深い話ですね。

互いにののしりあうことの愚かさ・・憎しみあうことの醜さ・・。

相手の挑発に乗った時点で、自分も敗北を喫している。



お釈迦様の教えに「八正道」というのがありますが、

これは「正語」に通じますね。

正しい言葉を使ったか・・悪い言葉を使わなかったかを反省する。

悪い言葉を使うと、心が汚れていくわけです。



こういう人も世の中にはいますね。

「こんにちは」と挨拶したその顔を、すぐさま別の方向に向けて「汚い顔を向けるんじゃないわよ」

などと、こそっとつぶやいている人・・本当にいました。

きっと、表向きの挨拶はしても、本心はその人がとても嫌いなのでしょう。

こういう人も、相手に聞こえないように言ったにせよ、汚れた言葉で自分の心を真っ黒に汚している。



人の陰口を言う人、人を悪く言う人は、自分の口で自分の心を汚している。

また、それはいつか、めぐりめぐって、必ず自分に返って来る。

これは、天罰などではなく、天に吐いたつばを自分の顔で受けているのと同じこと・・。

ですから、人の悪口も陰口もたたいたりはしないほうがいい・・。



そういうお話なんですかね。たぶんね。








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2 コメント

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とてもいいお話 (ゆぶ)
2015-06-26 09:00:03
ある方から、人の悪口を言ってる時が、自分の一番、醜い顔だと教えられました。

なかなか、聖人にはなれませんが、揉め事は絶対嫌いですし、このお話も心に留めさせていただきます。

いいお話ありがとうございます!!
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ゆぶ様 (トリトン)
2015-06-26 11:51:36
MIXI経由で見つけたお話です。

自分の心の内にも、醜い顔はある。
そこは反省して、そういう顔にならないよう心がけたいです。

人の陰口を言いふらす人には、なにかしらの災いが起こる。
そんな気がしている今日この頃です。
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