既存事業は安定していて、何をどうするかは慣れたもの。でも遠くに見える新規事業の山に登るのに、その軽装備のまま挑むのは余りにも危険なことは明らか。でも、それさえ気づかずに登りはじめている企業がなんと多いことか。
まだ誰も踏みしめたことがない高い新規事業の山を目指すことは素晴らしい。しかし、険しく、酸素の薄い、長い道程に、経験知識ノウハウのないもの同士が集まって、時間を掛けて、いくら綿密な計画を立てたところで、そのまま登り始めるのは、自殺行為です。
ゴールにしたい新規事業の山はいくらでもあるはずだから、最初のチャレンジは、経験者や専門家から基礎を学び、経営資源という身の丈にあった山を目指すべきです。
そして挑戦し、失敗や課題をクリアするうちに、経験ノウハウが自社に蓄積され、単独登頂を目指すことも夢ではなくなるでしょう。
事業開発の専門家として、明らかに無謀な計画を目論んでいる方々を見てしまうと、新規事業の遭難者が出ないことを切に願うばかりです。