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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

「妖怪変化~京極堂トリビュート」

2008-01-29 | 小説
あさのあつこ、西尾維新、牧野修、柳家喬太郎、松苗あけみ、諸星大二郎、等、小説、漫画、SF、落語など各界の方々による京極夏彦の作品に感化を受けて書いた短編集です。   辛口の批評が多いようですが、短編だから、これだけ色々な方面から、楽しめたので良いかなあと私は思いましたよ。 落語の死神…。アップテンポで笑いの壺押さえてて良いわー。 養老介護の略がようかい…ププー、これ視点がなかなか . . . 本文を読む

三浦しをん「三四郎はそれから門を出た」

2008-01-27 | エッセイ
それでも本から離れられない。人気作家にして筋金入りの活字中毒者、三浦しをんの秘密の日常。初の、ブックガイド&カルチャーエッセイ集。朝日新聞の人気連載、『anan』のカルチャーコラムも収録。   ブックガイドとエッセイが一緒になった本です。本の紹介は、ジャンルが幅広く、おばさんには親近感のある口調で語られるので、ほー、うーん、あれもこれも読みたくなる本が満載です。果ては、漫画 . . . 本文を読む

堀文子「みち」

2008-01-26 | 絵本
絵と文~堀文子  このみちは  いつから そして どこへ  ゆくのか  山をこえ  谷を わたり    しゃらの 林を 抜けるころ  粉雪が 降ってきた  掘り続けないと 埋もれてしまう 雪国の みち  あんずの村に 春が のぼってくる  月の 白い 足音が 山道を のぼってゆく  花びらを 残して 春は いってしまった  旅人の とおった みち   波が あとかたもなく 洗って . . . 本文を読む

堀文子「トスカーナの花野」

2008-01-24 | 音楽・芸術
トスカーナのなだらかな丘とその頂にある村や城。丘をめぐる木々。春霞の立つ野道には、犬のふぐり、たんぽぽ、すみれ、大きなつくし。まどろむような春野は、まるで天上の花園のようであった。―田園のヴィラに暮す感動と蘇生の喜びを綴る。   「花の四季」でも紹介しましたが、70歳で4年住んだ、イタリアで描かれた作品集です。北海道の富良野、美瑛を想像するような画集でした。   ~白群 . . . 本文を読む

堀文子「花」

2008-01-23 | 音楽・芸術
物事に執着のない著者が、草木のこととなると話は別。執念深く欲しい木を探し、あきらめない。野山を歩けば知らぬ間に好きな木を探し、どんな叢のなかでも会いたい探してしまう。他のことは忘れっぽいが、草木のありかは憶えていて、次の年の花時には確かめに行かないではいられない。 そして、私の心の中には好きな草木の花暦ができていて、それぞれの花の季節が気がかりで、いつだって心の中は騒いでいる。 どんな花も、そ . . . 本文を読む

あさのあつこ「The MANZAI」

2008-01-22 | 児童文学
文化祭を笑いの渦に巻き込んだ『漫才ロミオとジュリエット』から半年、瀬田歩と秋本貴史にとって中学最後の夏がきた。歩は、夏祭りで漫才をやろうと誘う貴史に対し、断固拒否の態度をとり続けている。一方、貴史の幼なじみ・萩本恵菜への思いはつのるものの、進展はない。そんな中、恵菜をめぐってある「事件」が勃発した―。   1巻を単行本で読んで久しぶりに、そういえば、続巻がでているんだと、手に取りました。歩と秋 . . . 本文を読む

半落ち

2008-01-21 | 映画
横山秀夫原作「半落ち」 椎名桔平がいい味出してたねー。 渡瀬恒彦の冒頭のぼんやりと庭にたたずむ映像から、惹きつけられたし、結構、キャストが良かったかも。   アルツハイマーの妻(風吹じゅん)が正気の時、何度も、死にたい、生きるの辛いって、こんなの人間じゃないって、殺して殺してって迫るシーン。ひたすら抱き留めることしかできない夫。   刑事の取り調べ、検事の調書、報道 . . . 本文を読む

堀文子画集「花の四季」

2008-01-20 | 音楽・芸術
堀さんの絵をみたくて、眺めています。 イタリアのトスカーナ地方は、70歳を過ぎてから、4年間一人でお住まいになって描いたという。その風景や、冬の厳しさ、田園、草花、を眺めると、道央の景色に似ているんだんあと思った。寒さはもっと厳しいけれど…。農家の暮らしがあって、自然があって、草花が、一斉に咲き誇る。 アトリエの四季の花と、デッサンが掲載されていますが、このスケッチの素描の1つ1つが素敵です。 . . . 本文を読む

谷川俊太郎「き」

2008-01-19 | 絵本
ある時は力強く、またある時は優しいもの言わぬ一本の樹。樹の一年の移り変わりに託して、ひとの心に感じる美しさを絵と詩と曲が綾なします。楽譜つき(諸井誠/曲) 谷川俊太郎さんの木のの絵本は何冊かタイトルあるようですが、日本画家の堀文子さんの挿絵が見たくて、これを…。 挿絵は、デッサンみたいなのと、水彩?クレパスのようなもので、日本画ではありません。表紙もすてきですが、水彩の絵の具の、水を含んで滲ん . . . 本文を読む

carver's dozen 12

2008-01-18 | 小説
村上春樹が心をこめて贈る、12の「パーソナル・ベスト」。レイモンド・カーヴァーの全作品の中から、偏愛する短篇、詩、エッセイを新たに訳し直した「村上版ベスト・セレクション」に、各作品解説、カーヴァー研究家による序文・年譜を付す。 レイモンドカーヴァーの作品は「愛について語るとき我々の語ること」を最初に読んで失敗した。何だろうって。 この本は、よかった。細部にわたって、確実に起こった事柄、人物像 . . . 本文を読む

北欧の生活雑貨手作りノート

2008-01-15 | 実用書
林ことみさんの手芸本。 ・アイスランドのヨークに伝統的な編み込みをしたネックウォーマー ・ノルウェーのキュートな手編みの靴下 ・デンマークのニードルメイドレースでブラウスの衿の縁取り。 ・スウェーデンの刺しゅうで、シーツ、ふきんなど日常の使う物にさりげない飾り付け ・フィンランドのリストウォーマー ・エストニアの伝統柄の小物。   寒い地方だから、冬は家の中で、暖かな小物 . . . 本文を読む

村山由佳「蜂蜜色の瞳」

2008-01-14 | 小説
村山由佳さんの「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ。セカンドシーズン!   まあ、恋愛小説の女性受けするような感じなのだけれども…。勝利とかれんの遠距離恋愛の繊細で、微妙な関係…。 村山さん、同世代の作家ですが、いつまでも、ティーンズ向けの初々しいお話が書けるのはすごいねー。   勝利の一人称の語り口ですが、実際にこんなに、優しい男性がいたら、うるうる思うかも知れない . . . 本文を読む

柴崎友香「青空感傷ツアー」

2008-01-13 | 小説
美人で高慢で愛すべき女ともだちと、彼女に言いなりな私。女二人の感傷旅行の行方は?   柴崎友香さんの小説は初めて…。若い女流作家のいかにも軽く読みやすい作品だと装丁と字数を考え、手に取る。 あれこれ、家事の合間に読んでも、2時間ほどでスイスイ読めます。   音生の完璧な美しい顔と容姿…でも、傲慢でやかましくわがまま。 対照的な芽衣の平凡で優柔不断、そのくせに面食いの . . . 本文を読む

山下景子「美人の日本語」

2008-01-12 | エッセイ
4月19日「餞(はなむけ)」、8月10日「真帆片帆(まほかたほ)」、9月1日「色取月(いろどりづき)」…。繊細で多彩な言語である日本語の中から、一日一語、口にするだけで綺麗になる365の言葉を紹介する。 色鉛筆の素朴な筆跡で書かれた1つ1つのタイトルに一日1ページのエッセイ。 優しい気持ちになれる、癒される本です。 一日の終わりに枕元に置いておくのにいい本です。 . . . 本文を読む

j.d.salinger「the catcher in the rye」~村上春樹訳

2008-01-11 | 小説
1951年に『ライ麦畑でつかまえて』で登場してからというもの、ホールデン・コールフィールドは「反抗的な若者」の代名詞となってきた。ホールデン少年の物語は、彼が16歳のときにプレップ・スクールを放校された直後の生活を描き出したものだが、そのスラングに満ちた語り口は今日でも鋭い切れ味をもっており、ゆえにこの小説が今なお禁書リストに名を連ねることにもつながっている。物語は次の一節で語りだされる。 ― . . . 本文を読む