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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

桐野夏生「東京島」

2010-09-30 | 小説
あたしは必ず、脱出してみせる――。ノンストップ最新長篇!32 人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描く。 やっぱり…。だめかな。桐野さんの小説は、いまいち。馴染めないかもしれないで . . . 本文を読む

シェル・シルヴァスタイン「おおきな木」

2010-09-28 | 絵本
いつでもそこにあるりんごの木。成長し変わっていく少年。それでも木は惜しみなく愛を与え続けた…世界的名作絵本が村上春樹の訳で新登場。「あなたはこの木に似ているかもしれません。あなたはこの少年に似ているかもしれません。それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。あなたは木であり、また少年であるかもしれません。あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。それをあえて言葉にする . . . 本文を読む

三浦敬三「101歳の少年」

2010-09-26 | エッセイ
人生、山あり、雪あり…。101歳で山を登り、スキーを滑走する。トレーニングで鎖骨を折っても動じない。そんな「うるとらじぃじ」三浦敬三が、超ポジティブな日常を綴ったエッセイ。元気に楽しく暮らすヒントが満載. 人生100歳。一人暮らしで生活する三浦氏の日常生活。食生活。日常トレーニング。スキーに対する想い。その他独特の健康法。シャンソン歌手石井好子さんとの文通。 自然と、生きていたら100歳を過ぎ . . . 本文を読む

乾ルカ「あの日にかえりたい」

2010-09-24 | 小説
北海道を舞台に、時を超え「あの日」へ帰る人びとの、小さな奇跡と希望を描く、感動の傑作短編集!施設で会った80歳の老人は、介護士の卵でボランティアにきた「わたし」だけには心を開いてくれた。彼の嘘のような失敗続きの半生記にただ聞き入る日々。あるとき老人が呟いたひとこと「あの日にかえりたい」の真意とは……!?「できることなら、俺はあの日に帰りたい。帰りたいんだ。帰って女房を…」車いすの老人が語った言葉の . . . 本文を読む

谷川俊太郎「絵本」

2010-09-23 | 詩、短歌、俳句
谷川俊太郎さんの1956年に出版した写真詩画集の復刻版。17編の詩と20の写真男と女。大人と子ども。絡み合う手。一人の手。じゃんけん。動く手。手を中心にした写真が物語るメッセージ性もつよく。白黒の写真に。視線が止まる。谷川さん自身の強く繊細な想いが伝わる写真だ。 「生きる」 生かす 六月の百合の花が私を生かす 死んだ魚が生かす 雨に濡れた仔犬が その日の夕焼けが私を生かす      生かす  . . . 本文を読む

森見登美彦「ペンギン*ハイウエィ」

2010-09-22 | 小説
小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。 ~ノートに様々な計画を書き。それを実行する少年。ノートの包含に、時間割を下記。大きな計画、小さな計画ブロックで遊ぶようににそれらを組み合わせ時間割を作る。立派な大人になるために。…。 う~~ん。 . . . 本文を読む

坂木司「和菓子のアン」

2010-09-17 | 小説
デパ地下の和菓子屋で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれた、忙しい日々が始まります。謎めいたお客さんたちの行動の真相をさぐるミステリー的面白さと、青春小説の瑞々しさ。 やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した梅本杏子は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。プロフェッショ . . . 本文を読む

佐野洋子「シズコさん」

2010-09-15 | エッセイ
あの頃、私は母さんがいつかおばあさんになるなんて、思いもしなかった。ずっと母さんを好きでなかった娘が、はじめて書いた母との愛憎 こんなエッセーを書くのは、随分だな。と思う赤裸々な佐野洋子さんの母に対する、子ども時代の愛憎。 母と娘の間に何があったのか。絶大的な威圧力をもつ母に。ただひたすら、反抗し続け、心を開かない娘。そういった、親娘関係も、あるのだろう。 力がなくなり、年をとった母親と、よ . . . 本文を読む

立原道造詩集

2010-09-14 | 詩、短歌、俳句
二十四歳という若さでこの世を去った夭折の詩人・立原道造。室内楽にも似た、ソナチネ風の調べを運ぶ詩からあふれでる抒情の響きは、青春の光芒を永遠へと灼きつけ、時代を越えて今なお輝きを失わない。詩集『萱草に寄す』『暁と夕の詩』『優しき歌』『散歩詩集』など、その詩的世界を網羅する百三十篇余を収録した一冊。 夢みたものは ひとつの幸福 ねがつたものは ひとつの愛 山なみのあちらにも しづかな村がある 明 . . . 本文を読む

井上荒野「ベーコン」

2010-09-08 | 小説
人の気持ちが動くとき、人生が少しだけ変わるとき、傍らにある料理と、それを食べる人々の心の機微を描いた珠玉の短編集。食べるという日常の営みが垣間見せる、エロティックで色濃い生の姿。 初めてだった。男から、そんな目で見つめられたのは―。家族を置いて家を出た母が死んだ。葬式で母の恋人と出会った「私」は、男の視線につき動かされ、彼の家へ通い始める。男が作ったベーコンを食べたとき、強い衝動に襲われ…表題 . . . 本文を読む

姜尚中「母」

2010-09-06 | 小説
遺品の中から見つかったテープは、文字の書けなかった母から息子への遺言だった・・・。社会全体が貧しく、家族間の体温が熱かった時代の感触が濃密に甦る。「在日」の運命を生き抜いた親子二代の物語。 お前とふたりだけの話ばしたかったとたい―。ある日、わたしに届いた母の声のテープが、日本全体が貧しく、家族同士の体温が熱かったあの時代の記憶を呼び覚ます―。『悩む力』から二年ぶり、著者初の自伝的小説 著者の . . . 本文を読む

川崎洋「ほほえみにはほほえみ」

2010-09-05 | 詩、短歌、俳句
日本人が得意でないユーモアやウイット、エスプリなどの、何とも言えないい香気のただよう詩の数々。詩人・川崎洋の掌から、手品のように取り出された「海で」「しかられた神様」「音」などの48篇 さらっとした感覚がよいなとおもう。詩はふと感じたことをすっと言葉に置き換えることができたらと思う。つぶやき…。 ツイッターなど。ネットの世界では。短い言葉を発信し、それを当たり障りなく、反応するといったまか不思 . . . 本文を読む

みつはしちかこ「涙のとなりに」

2010-09-04 | 詩、短歌、俳句
よろこびのうしろに かなしみがいる 涙のとなりに微笑がいる…チッチに想いを託して、いちずな愛をうたった詩集 表紙のコスモスと空は霧に包まれた写真にひかれて…手にとったが… あのチッチとサリーのみつはしさんだなあ~。少女の頃はすこしはチッチみたいな可愛らしい気持ちあったかなあ~?う~ん。と考え込む。 たぶんね。恋愛ってなんだか。もう焦点が狭まりすぎて視野がせまいというか。詩を読んでも鬱陶しく感 . . . 本文を読む

高田郁「八朔の雪」

2010-09-03 | 小説
故郷大阪で8歳に水害で両親を失い天涯孤独の身となった澪。天性の味覚。父は母より、育まれた命の輪廻…。巡り巡って人と人との出逢いと人情の中で、料理人として数々の困難を乗り越え成長していく姿が描かれる。 時代物。食べ物。人情!江戸。このキーワードにはまるなら。おすすめの一冊だ。 登場人物の個性や温かみ。悪役。ライバル。嫌がらせ。様々ありながらも。常に自分を失わず、どんな困難も懸命に考えて自分の答え . . . 本文を読む