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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

夏川草介「神様のカルテ2」

2011-08-18 | 小説
医師の話ではない。人間の話をしているのだ。 栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の . . . 本文を読む

朝井リョウ「チア男子!!」

2011-08-10 | 小説
柔道の道場主の長男・晴希は大学一年生。姉や幼馴染の一馬と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。しかし、負けなしの姉と較べて自分の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部退部を決意する。同じころ、一馬もまた柔道部を辞めていた。幼くして両親と死別した一馬は、あるきっかけから、大学チアリーディング界初の男子チーム結成を決意したのだ。晴希と一馬は、宣伝やスカウトなど紆余曲折を経て、理屈屋の溝口、内気 . . . 本文を読む

白石昌則「5ねんぶりの生協の白石さん」

2011-08-09 | 新書・社会
90万部を超えたベストセラー、『生協の白石さん』の正統続編! 少しだけ大人になったみなさんにお答えします!                                                 不況などで明るい話題のない現在、特に若い世代は最初から疲弊しているとも言われている。仕事に誠実でありながらユーモアを忘れない白石氏の姿は、若い世代にとって大きなヒントたる存在ではないだろうか。本書 . . . 本文を読む

山田詠美「タイニーストーリーズ」

2011-08-05 | 小説
甘かったり、苦かったり、怖かったり。最高の日本語の使い手が腕によりをかけた、二十余篇の恋愛がつまった宝石箱のような短篇集。 デビュー25周年に到達した、誰も書いたことがない、短編小説の豊穣   1話10数頁の短編集。 えーみさんは短編小説について、作者がその作者たる小説をものにしようとするときは、誰でも自分だけの走り方を編み出さなくてはならない。そのフォームを発明するための手間を . . . 本文を読む

西村賢太「苦役列車」

2011-08-01 | 小説
友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫太。或る日彼の生活に変化が訪れたが…。こんな生活とも云えぬような生活は、一体いつまで続くのであろうか―。昭和の終わりの青春に渦巻く孤独と窮乏、労働と因業を渾身の筆で描き尽くす表題作と「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を収録。第144回芥川賞受賞。 著者略歴 ~西村 賢太1967(昭和42 . . . 本文を読む