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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

角田光代「あしたはうんと遠くへいこう」

2009-05-30 | 小説
今度こそ幸せになりたい--著者初めての恋愛小説!!泉は、田舎の温泉町で生まれ育った女の子。東京の大学に出てきて、卒業して、働いて。今度こそ幸せになりたいと願って恋愛しているだけなのに、なんでこんなに失敗ばかりするんだろ。アイルランドを自転車で旅したり、ニュー・エイジにはまったり、ストーカーに追い掛けられたり…、波瀾万丈な恋愛生活の果てに、泉は幸せな“あした”に辿り着くことができるのだろうか? 泉 . . . 本文を読む

宮本輝「錦繍」

2009-05-29 | 小説
会って話したのでは伝えようもない心の傷。14通の手紙が、それを書き尽くした。「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織り . . . 本文を読む

重松清「季節風・春・ツバメ記念日」

2009-05-28 | 小説
記憶に刻まれた"春"は、何度でも人生をあたためる。憧れ、旅立ち、別れ、幼い日の母の面影──温かい涙あふれる12の春の物語 記憶の中の春は、幾度となく巡り来てひとびとの胸をうるおすものがたりの歳時記 ・めぐりびな~「わたし、お母さんのおひなさま、捨てたくない…。」義父母から初孫にと新しいおひな様が贈られ…母子で育った私の大切なおひな様が供養されることに…。 ・球春~プロ野球にスカウトされ挫折した . . . 本文を読む

小さなビオトープを楽しむ本

2009-05-27 | 実用書
小さな水辺に広がる素敵な世界。自然の水辺は多様な生命の宝庫です。自宅のガーデニングでも水辺の植物を取り入れることで大きく世界が広がります。睡蓮鉢に水を張って、水辺の植物を植え、メダカを飼えば、あなたの庭に新たな世界ができ上がります。   ビオトープ…ギリシァ語の生命(Bio)場所(Topos)の造語 ~多様な動植物が生息・生育する環境空間 広義には豊かな自然環境のすべてが . . . 本文を読む

「青春とは」

2009-05-25 | 詩、短歌、俳句
歳を重ねただけで人は老いない 夢を失ったときはじめて老いる戦後の日本人に勇気と希望を与え、高度経済成長の原動力にもなったサムエル・ウルマンの名詩『Youth』、そのオリジナル詩が大胆な自由訳で甦る。 マッカーサーが座右の銘とした「Youth」とは…。 サムエル・ウルマン~1840年ドイツ南部生まれ。十一歳の時に両親と共にアメリカ南部に移住。1924年バーミングハムで永眠。享年84歳。youth . . . 本文を読む

杉浦さやか「えほんとさんぽ」

2009-05-24 | 絵本
えほんとさんぽ。どちらも私の大好きなもの。のどかでやさしい、宝物を見つけに、さあ、一緒に出かけませんか? 絵本テイストあふれるスポットの情報満載。『月刊MOE』連載「ぶらり絵本さんぽ」等を単行本化。 大好きな絵本と、絵本的なものを探して歩いた散歩のレポート 絵本的なもの~たとえば、木の匂いのする喫茶店。長屋みたいな、愛らしいお店の並ぶ路地。あまいパンケーキ。ばらの刺繍のクロス。色あせた水玉の . . . 本文を読む

森絵都「架空の球を追う」

2009-05-23 | 小説
やっぱり罠にはまった。そんな気がする。ふとした光景から人生の可笑しさを巧妙にとらえる森絵都マジック。たとえばドバイのホテルで、たとえばスーパーマーケットで、たとえば草野球のグラウンドで、たとえばある街角で…人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11篇。 森さんの短編。からっとした風が吹き込むような感じ。 表題作~少年野球の練習風景。母親たちのたわいない会話。監督の指示の滑稽さ。子供たち . . . 本文を読む

天童荒太「贈られた手」・家族狩り第3部

2009-05-22 | 小説
発言ひとつで自宅謹慎を命じられる教師。殺人の捜査より娘と話すことが苦手な刑事。決して器用には生きられぬ人々を描く、第三部。ピエロ。浚介は、生徒たちからそう呼ばれていたのだという。ふたつの事件を経て、虚無に閉ざされていた彼の心に変化が訪れていた。ピエロ。馬見原は今そう見えるだろう。冬島母子を全身全霊で守っているにもかかわらず、妻や娘との関係は歪んだままだから。また一つ家族が失われ、哀しみの残響が世界 . . . 本文を読む

石垣りん「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」

2009-05-20 | 詩、短歌、俳句
ほどよい大きさの鍋や お米がぷつぷつとふくらんで 光り出すに都合のいい釜や 劫初からうけつがれた火のほてりの前には 母や、祖母や、またその母たちがいつも居た 書肆ユリイカ1959年刊の処女詩集の復刊。   太平洋戦争の記憶。日常の記録。一家の大黒柱として働く辛さ。がつづられる。 生涯を身を削って家族を支えた石垣さん苦しみを支えたのが詩の世界だったのだと思います。書くことでもがきな . . . 本文を読む

小川洋子「犬のしっぽを撫でながら」

2009-05-19 | エッセイ
数に隠されている神秘と美しさ。その偉大な真理に向き合う芸術家ともいえる数学者たち。ひとつの作品を生み出すきっかけや、小説へのあふれる想い。少女時代の『アンネの日記』との出会いとその後のアウシュヴィッツへの旅。そして天真爛漫な飼い犬や大好きなタイガースのこと。日々の中の小さなできごとや出会いを、素晴らしい作品へと昇華していく小川洋子の魅力あふれる珠玉のエッセイ。 数の不思議に魅せられて 「書く . . . 本文を読む

北尾トロ「ほんわか!本についてわからないことねほりはほり!」

2009-05-18 | 新書・社会
「裁判長!」の北尾トロ、本にまつわる謎をカラダをはって調査!「読書好きはモテるのか?」「処分された本の末路はどうなるのか?」「官能小説のタイトルは、誰がどのようにつけているのか?」本の謎、調べました!「読書好きはモテるのか?」「処分された本の末路はどうなるのか?」「官能小説のタイトルは、誰がどのようにつけているのか?」本好きなら誰しも気になる(!?)ギモンの数々を、「裁判長!」シリーズでも人気の北 . . . 本文を読む

「生きる~わたしたちの思い」谷川俊太郎with friends

2009-05-17 | 詩、短歌、俳句
「谷川俊太郎さんの傑作『生きる』をお手本に、みなさんの『生きる』をつなげてひとつの詩みたいなものを作りませんか?」07年秋、mixiに書き込まれた呼びかけに、半年で2000件を超える投稿がありました。本書はそれらの投稿作品の中から一部を選出し、投稿者自身のコメントや写真を加えて再構成したものです。投稿者のコメントからは短い詩に込められた様々な人生模様が読み取れ、胸を打たれます。傑作『生きる』はもち . . . 本文を読む

俵万智「みだれ髪~チョコレート語訳」

2009-05-16 | 詩、短歌、俳句
妻子ある鉄幹への狂おしい熱情と官能のよろこびをうたいあげた、与謝野晶子の革命的歌集『みだれ髪』。愛ゆえに、畏れを知らぬ若き女のデビュー作は、娼婦の言葉、“乱倫”といわれスキャンダルを巻き起こすが、のちに文学史上の金字塔となった。俵万智が、恋する女なら誰もが心に秘めている、甘くてほろ苦い“チョコレート語”で甦らせる、百年の恋の陶酔。 あとがき~晶子の匂いより 「みだれ髪には、意味が曖昧で難解な . . . 本文を読む

武田百合子「富士日記」

2009-05-15 | エッセイ
夫武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間の一瞬一瞬の生を、澄明な眼と無垢の心で克明にとらえ天衣無縫の文体でうつし出す、思索的文学者と天性の芸術者とのめずらしい組み合せのユニークな日記。 一瞬一瞬の生を澄明な感性でとらえ、昭和期を代表する質実な生活をあますところなく克明に記録する。 夫武田泰淳の取材旅行に同行したり口述筆記をしたりする傍ら、特異の発想と感受と表現の絶妙なハーモニーをもって、日々 . . . 本文を読む

梨木香歩「家守綺譚」

2009-05-14 | 小説
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多…本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋とのこれは、四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録である。 ここのブログの初投稿が梨木香歩さん「からくりか . . . 本文を読む