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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

「チーズと塩と豆と」

2011-04-28 | 小説
NHK・BSハイビジョン紀行番組「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、それぞれヨーロッパのスローフードやソウルフードを求めて旅をし、その土地を舞台に書かれる短編小説アンソロジー。その小説は、ドラマ化される。井上荒野はピエモンテ州(イタリア)、江國香織はアレンテージョ地方(ポルトガル)、角田光代はバスク地方(スペイン)、森絵都はブルターニュ地方(フランス)。 頑な心と心が接触する土地。4人の . . . 本文を読む

The wretched Stone「いまいましい石」

2011-04-27 | 絵本
リタ・アン号の船長の航海日誌には、謎めいた島で発見した光る石の影響で、船員たちに不可思議な変化が起きたと記されている。そして嵐に襲われ、落雷を受け、マストが折れたとも。 気持ちの良いそよ風が吹く5月、リタ・アン号は航海が順調に進むなか、なぜか今まで知られていなかった島に上陸し、光を発する不思議な石を発見する。船員たちはその石に夢中になり、やがて恐ろしい変化にみまわれた…。 &nb . . . 本文を読む

The Stranger「名前のない人」

2011-04-26 | 絵本
空想と現実のはざまを歩き、ミステリアスな世界を描き出すオールズバーグの絵本 お百姓さんのベイリーさんが車ではねた記憶を失った謎の男。 うさぎとお友達で、疲れを知らぬ働き者で、じいっと空をとぶガンの群れを眺める。穏やかな人。 ベイリーさんの家族のように過ごすうちに。不思議なことが。辺りは秋の装いなのに、ベイリーさんの家のまわりだけが、木々は緑のまま。 名前のないひとは。何かがちがう、自分のい . . . 本文を読む

The Mysteries of Harris Burdick「ハリス・バーディックの謎」

2011-04-25 | 絵本
絵・文~C・V・オールズバーグ、訳~村上春樹 7月の奇妙な日、ヴェニスに消えた、ハープ、3階のベッドルーム…謎の人物ハリス・バーディック氏が残した14枚の絵には題名と説明文がついていた。それぞれの絵が物語を語りはじめるモノクローム世界 14の物語のなかの1枚の絵と題名。 さすがオールズバーグ…と。モノクロームの一枚の絵から読み手が、想像する物語の世界が、無限大に広 . . . 本文を読む

The Wreck of the zeper 「西風号の遭難」

2011-04-24 | 絵本
クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本 読書をしたいけど、このところ公私ともにお疲れぎみだ…。 そんなとき、手にとって眺めていたい絵本だ。 子どもから大人まで静かな気持ちで読み、そしてまた、飽きのこない静かな色調の絵を眺めているだけで、お話の世界に誘ってくれる。 そして、この作家シリーズの訳を村上春樹さんが手がけているのも、読み応えがあると思える。 本来なら、英文で読んでみた . . . 本文を読む

「父娘の銀座」

2011-04-22 | エッセイ
ベスト・エッセイ2009 小説を読む時間がないとき。 活字にちょっと飢えている。 そんなときに有難いのは、作家や著名人のエッセイかな。 各界で活躍する方々の雑感。日常生活で実感として心に残ったあれこれ。 3,4頁のエッセイが、ぐっぐっと心にせまります。 . . . 本文を読む

村上春樹「夜のくもざる」

2011-04-15 | 小説
海亀の執拗な攻撃から僕らの身を守ってくれた秘密兵器とは? ヒトは死んだらどこにいくのだろう?―読者が参加する小説「ストッキング」から、オール関西弁で書かれた「ことわざ」まで、謎とユーモアに満ちた「超短篇」小説(さらに替え歌「朝からラーメン」のおまけ付き!) 村上春樹=安西水丸“nice&easy”コンビが贈る「村上朝日堂」小説特集号。 村上春樹が四年にわたって書きため . . . 本文を読む

森浩美「ほのかなひかり」

2011-04-14 | 小説
大切な家族や仲間が、そっと手を差し伸べてくれる。夫を事故で亡くした綾子は、小学生の息子をひとりで育てながら、傷心の日々を送っていた。寂しく迎えたクリスマスイブの夜、解約せずにいた夫の携帯電話からメールが送られてきて…(『聖夜のメール』より)。バレンタインデーに結婚式を控えた茜だったが、婚約者に対する父親のそっけない態度が気になっていた。しかし、挙式一週間前、父が思わぬ行動に出て&he . . . 本文を読む

角田光代「福袋」

2011-04-11 | 小説
人生に“当たり、ハズレ”なんてない!? 謎で不可解な届け物や依頼、または同僚や夫など身近な人の不可解さに出くわしたら、あなたならどうする? 8編の短篇をとおして、直木賞作家が開く、人生のブラックボックス。 私たちはだれも、中身のわからない福袋を持たされて、この世に生まれてくるのかもしれない   「箱おばさん」~荷物を預かってとおいていったおばさん。警察に届け . . . 本文を読む

有川浩「三匹のおっさん」

2011-04-08 | 小説
腕に覚えありの武闘派2名、機械をいじらせたら無敵の頭脳派1名。かつての悪ガキが結成した自警団が、今日もご町内の悪を斬る! 「三匹のおっさん」とは…定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗 &nbs . . . 本文を読む

マーク・ヘルプリン「白鳥湖」

2011-04-06 | 児童文学
原典の寓話の香気をそのまま残しながら、あの有名なバレエ『白鳥の湖』の意義をさらに深め、現代人にも通じる示唆に富んだ物語となることに成功している。マーク・ヘルプリンの語り口は村上春樹の翻訳を得て、チャイコフスキーの音楽の優美な調べを奏で、クリス・ヴァン・オールズバーグの光彩を放つ挿絵は、若き王子とみなし児の王女オデットの人物像に、バレエにはない微妙な陰影を添える   美しい文章を読むと . . . 本文を読む

穂村弘「絶叫委員会」

2011-04-05 | エッセイ
町には、偶然生まれては消えてゆく無数の詩が溢れている。不合理でナンセンスで真剣で可笑しい、天使的な言葉たちについての考察。 穂村 弘1962年北海道生まれ。歌人。上智大学文学部英文学科卒。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論まで広く活躍中。短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞を受賞 北海道出身。同世代であるから。歌人てのがピンと来ませんが。あ~こ . . . 本文を読む

夏川草介「神様のカルテ」

2011-04-03 | 小説
栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいても . . . 本文を読む