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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

東野圭吾「秘密」

2008-06-30 | 小説
妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇。   一応、今更読みました。何というか、良くある、入れ変わりですから…。 勿論、できは良いですよ。だこらこそのまあ、 . . . 本文を読む

金城一紀「GO」

2008-06-28 | 小説
「これはオヤジでもなくオフクロでもなく、僕の物語だ」。都内の私立高校に通う在日コリアンである主人公「僕」は、ダンスパーティーでコケティッシュな魅力をもつ日本人女の子に出会い恋に落ち、そして…。    在日コリアンたちを取り巻く複雑な状況が織り交ぜられているものの、「僕の物語」すなわち本作の根幹は、たわいもない恋愛物語だと判断することもできる。しかし、この物語が、根 . . . 本文を読む

あさのあつこ「ねらわれた街」

2008-06-28 | 児童文学
主人公・蘭(らん)は、どこにでもいそうな中1の普通の女の子。その兄の凛(りん)は、料理が得意な高校2年生。蘭がぞっこんなB・F(ボーイフレンド)の留衣(るい)は、やさしくて、とても無口。母の玲奈は、ノー天気で、ドジな自称・ホラー作家。そして、普段は寡黙な漬物博士の父・論平(ろんぺい)さんは磯崎家の大黒柱。――すなわち、この本の裏コードネームは、「らりるれろ探偵家族(ファミリー)」と申します。蘭は超 . . . 本文を読む

渡辺一枝「いちえさんの春・夏・秋・冬」

2008-06-26 | エッセイ
季節に心通わせて暮らすすてきな1年いちえさんが見つけた四季折々の贈りもの、あなたにもおくります。きのうと同じように今日がきて、また明日を迎える日々だけれど、その毎日のなかでたとえば私流のハレの日の食事、桜の御飯、柿の葉のお寿司、菊尽くしの献立、そんなことを楽しみます。私らしいやり方で、季節を身にまとうようなおしゃれもしたいし、野山に遊びもしたいのです。やっぱり叶うことなら私は、季節そのものになりた . . . 本文を読む

辻仁成「孤独にさようなら」

2008-06-24 | 小説
奥深い森の中で生活を営む正体不明の3人の男たちとであった「少年」13歳。キング、ヨゲンシャ、ブンセキ。謎めく彼らとの暮らしは少年にいつしか安らぎを与え、日々の小さな奇跡は少年の魂に希望を投げかけた――。人生の出発点に立つ「少年」に生きる意味を問いかける。   津波で一瞬にして、両親を失い緘黙となって、叔父叔母に引き取られたイタルが、北海道の深い森の中で出逢った、三人の男達のもとで、 . . . 本文を読む

「草の絵本」

2008-06-23 | 絵本
四季折々に咲く204種の野の草花、山の草花のポートレート。 私たちの身近に生えている草の姿を、高度なカメラアイで撮った写真作品を、渡辺一枝さんが草花に囲まれて暮す日々を綴ったエッセーで編む──草花の絵本。 著者紹介 【武田明】 1947(昭和22)年、長野県中野市生まれ。写真家。東京写真専門学校卒。1971(昭和46)年、写真家・与田弘志氏の助手となり渡英。1980~83(昭和55~58)年、タ . . . 本文を読む

渡辺一枝「すっぴん素顔このまんま」

2008-06-22 | エッセイ
彩りの食卓のこと、大好きな着物や歌舞伎鑑賞のこと、子どもや夫との大切な生活のこと、そしてこれからの夢等、さりげない日常をたおやかに綴る。年齢を重ねるのが楽しくなる魔法の本。   椎名誠さんの奥様の50代の頃のエッセー。前に椎名さんの本を読んで、ちょっと、奥様はどのように感じているのだろうとてにとりました。   椎名さんがご自分のことばかり悪く書かれていたけど、そんなこ . . . 本文を読む

「赤毛のアンの」の島で

2008-06-19 | 児童文学
児童書の伝記シリーズですが…。 赤毛のアンを書いたL・M・モンゴメリの生涯について、フリーライターの奥田実紀さんが書いたものです。 赤毛のアンが出版されて今年で100年になります。 モードは、2歳で母を亡くし、厳格な祖母に育てられました。 アンと同じように教師の仕事に就き、苦労をしながら、少女の頃から書く事は生涯続けました。アンのような恋愛にも恵まれず、祖母の死後、牧師と結婚しても、作家と . . . 本文を読む

黒川博行「大阪ばかぼんど」

2008-06-18 | エッセイ
読めば抱腹、読後に共感。ムクムクと元気が湧く痛快洒脱なエッセイ集という帯の触れ込み。 Ⅰギャンブルに毒される Ⅱ恐妻に慄く Ⅲショッピングで憂う Ⅳ老いに抗う Ⅴ小動物を愛でる Ⅵ愛車に惑う のタイトルからなる見開き2ページ夕刊フジ連載エッセー。   実際、黒川さんのハードボイルド小説は、一冊も読んだことありません。 でも、このグリコの表紙の情けないおっちゃんの装丁に . . . 本文を読む

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」

2008-06-17 | 小説
桜庭一樹の原点、青春暗黒ミステリーが単行本化!どこにも行く場所がなく、そしてどこかに逃げたいと思っていた。そんな13歳の二人の少女が出会った。リアリストの山田なぎさと不思議系転校生の海野藻屑。すべては生きるために、生き残っていくために。   最初富士見ミステリー文庫出だされたそうで、ゆるやかなロングセラーにより、単行本になったものです。 桜庭一樹らしい表現と少女達の不穏な空気。 . . . 本文を読む

恩田陸「木洩れ日に泳ぐ魚」

2008-06-16 | 小説
一組の男女が迎えた最後の夜。明らかにされなければならない、ある男の死。それはすべて、あの旅から始まった――。運命と記憶、愛と葛藤が絡み合う、恩田陸の新たな世界 一組の男女が暮らしたアパートの最後の1晩の心理、葛藤が描かれている。 密室で、じりじりとお互いの感情、思惑をどこか、隠しつつ相手の出方を捕らえていく、これは結構スリルとサスペンスで、読んだが最後、目が離せない…。 恩田さんの作品は、い . . . 本文を読む

吉田修一「悪人」

2008-06-15 | 小説
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。   ミステリーなのかと思ったら、完全な人間の心情を緻密に書いた小説でした。400ペ . . . 本文を読む

花の百名山 登山ガイド

2008-06-14 | 実用書
野の花を愛した作家、田中澄江さんの著書『花の百名山』や、NHKで放映され、小社からビデオも発売されているビデオ版『花の百名山』をベースに、全国各地の著者が、最近の花の生息状況なども考慮して新たに選定した「花の名山100山」をオールカラーで紹介します。 ★下巻には南関東、奥秩父、日本アルプス、八ガ岳、東海、近畿、中国、四国、九州の花の名山、50山を収録。   山と渓谷社のオールカ . . . 本文を読む

万城目学「鹿男あをによし」

2008-06-13 | 小説
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。 二学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。ちょっぴり神経質な彼に下された、空前絶後の救国指令!?   玉木宏主演でドラマ化された、万城目さんの痛快小説。 ホルモーにはかなわないけど、奇想天外で、この人ならではのお話が楽しめます。 登場人物や鹿、狐、鼠もそれぞれ個性合って面白いし、神経衰弱ってあだ名のおれも、男としてどうなのっていうところ . . . 本文を読む

逢坂剛「相棒に気をつけろ」

2008-06-12 | 小説
「いやはや、とんでもない女と組んだものだ」 ハッタリと出任せには俺も自信があるが、相方は一枚も二枚も上手。ヤクザの香典はパクるわ、地上げ屋の眼前でストリップショウを企むわ、欲深い奴らを手玉にとって涼しい顔。「四面堂遙」この女、タダモノではない…。要領よし、逃げ足早し、正義感少しあり、腕力なし。世渡り上手の世間師コンビが大活躍するウィットたっぷりの痛快短編集。   コンゲーム小説= . . . 本文を読む