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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

乃南アサ「すれ違う背中を」

2010-12-29 | 小説

「過去」の背中に怯える芭子。「堀の中」の体験をいまだ不用意に口走る綾香。しかしやっと、第二の人生が、ここ谷中で見えてきた二人だった。コトが起こったのはちょうどそんな頃。二つの心臓は、すれ違った彼らにしばし高鳴り、しばし止まりかけた。ムショ帰りコンビのシリーズ第二弾

「いつか陽のあたる場所で」を読んでいないし、乃南さんの本はそんなにも読んで強い印象が残っていない。

読みやすい。女性っぽい感情。日常。派手さはないが、人は一歩間違えば、犯罪と背中合わせの人生を歩むことだってあるのかもしれない。

そうして、過去の傷?というより犯罪者。塀の中の人であった過去を知られることに怯えながら、それでも、今という時を懸命に夢を抱きながら生きている。つつましく。そういった二人の主人公のひたむきさが良いです。

福引きに当たり、USJで過ごす二人と、綾香の同級生との偶然の再会と現実に引き戻される瞬間「梅雨の晴れ間に」

芭子の就職が決まり、刑務所で身につけた技術を生かし、ペットウエアのデザイナーの副職を得て、新たな人生の幕開け「毛糸玉を買って」

綾香の隣人を紹介され、ささやかな交流をもつも…実はケイジだった「かぜのひと」

夫からDVをうけつつ、美人局まで働くなぞのまゆみの行動「コスモスのゆくえ」

娑婆にでて、温かな下町の風情と彼女らとすれ違っていく人間模様が、季節感をさりげなく織り交ぜながら、4話の物語が流れていきます。

女性らしい感性で、描かれた作品です。



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2 コメント

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Unknown (あや)
2010-12-31 12:33:58
ただ今 海辺のカフカを読んでまして・・・年内に終わらなかった
あ~ん・・・・^^

mintちゃん 今年も仲良くしていただきありがとう^^
良い年を お迎えくださいね~♡

夢に向かって がんばろうね
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ありがとう (mint)
2011-01-07 22:05:05
春樹さんは、時折、読みたくなるね。
映画ノルウェーの森も、原作とのギャップが怖いからあえて見ようと思わないけど。

夢をもつ。
小さな夢。具体的な夢。大いなる夢。
いつまでも、夢を持ち続けて生きたいですね。
うん。ありがとう
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