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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

斎藤智裕「KAGEROU」

2012-02-29 | 小説
第5回ポプラ社小説大賞受賞作。『KAGEROU』―儚く不確かなもの。廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。命の十字路で二人は、ある契約を交わす。肉体と魂を分かつものとは何か?人を人たらしめているものは何か?深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、 . . . 本文を読む

太田治子「風の見た夢」

2012-02-29 | 小説
私たちはこれらの作品群を眺めて、一陣の風が心のなかを夢のように素早く吹き過ぎるのを感じるのだ。見る側に不思議なデジャヴューをおぼえさせるのは、きのう見た夢とあした見る夢の両方を、同時に1つの画面に共生させているからだろう。(中略)太田治子さんの文章が音楽のように背後を流れて、そこに幸福なコレスポンダンスが生まれてくる五木寛之五木玲子&太田治子 第2画文集一本の茎を描く線の強さ。枯れた花弁に託さ . . . 本文を読む

相田みつを「あなたにめぐりあえてほんとうによかった」

2012-02-29 | 詩、短歌、俳句
相田みつをとみつはしちかこが、しなやかに今を生きる女性たちに贈る”恋のコラボ詩画集”。恋に役立つみつをの言葉とけなげなチッチとクールなサリーの絵で紡ぐ、出逢いから1年間の恋ものがたり。人を愛することの素晴らしさを、二人の著者がやさしく教えてくれます 相田みつをさんの言葉が、ちっちとサリーのほほえましい姿と共によみがえる。 相田さんは、書だけで伝わるものがあるから。 み . . . 本文を読む

海猫沢めろん「ニコニコ時給800円」

2012-02-28 | 小説
オレはヒキオタニートのユヅキリュウセイ。この日本の下流社会のさらに最下層で生きるイケメンだけがとりえの天才。<マンガ喫茶の悪魔>マンガ喫茶「まんが合衆国」に新人アルバイトとして入ったキノキダくんは、東大法科大学院を修了予定の弁護士の卵。自分とは違う世界の人間に脅威を覚えるカザマ店長や他のバイト仲間たちとの日常を描く。<洋服屋のいばら姫>渋谷のファッションビル内に店を構える〈LOVE & DREAM . . . 本文を読む

有川浩「県庁おもてなし課」

2012-02-26 | 小説
とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!? お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった!? 地方には、光がある―物語が元気にする、町、人、恋。とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環 . . . 本文を読む

「ひまわり」

2012-02-23 | 映画
1970年 イタリア 1時間47分監督:ビットリオ・デ・シーカ出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ  戦争を舞台に繰り広げられる悲しい愛の名作。地平線まで広がる海のようなひまわり畑の風景とヘンリーマンシーニのテーマ曲は、永遠に忘れられない強い印象を残す   戦争に引き裂かれたひと組の夫婦の非情な運命――。 1970年、当時イタリアのみならず、世界的なスターとして名 . . . 本文を読む

荻原浩「誘拐ラプソディー」

2012-02-21 | 小説
スリルとサスペンス、ユーモアとペーソス、エンターテインメント小説のすべての要素がてんこ盛りにかかわらず、胸やけするどころか胸がジーンとなること必至。本書を読まずして「誘拐ラプソディー」は語れない。今世紀最高のコミック・ノヴェル! 伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はな . . . 本文を読む

池井戸潤「かばん屋の相続」

2012-02-16 | 小説
池上信用金庫に勤める小倉太郎。その取引先「松田かばん」の社長が急逝した。残された二人の兄弟。会社を手伝っていた次男に生前、「相続を放棄しろ」と語り、遺言には会社の株全てを大手銀行に勤めていた長男に譲ると書かれていた。乗り込んできた長男と対峙する小倉太郎。父の想いはどこに?表題作他五編収録 「十年目のクリスマス」「セールストーク」「手形の行方」「芥のごとく」「妻の元カレ」「かばん屋の相続」 元大 . . . 本文を読む

はやぶさ~遙かなる帰還

2012-02-14 | 映画
監督: 瀧本智行 - 出演者: 石橋蓮司, 永倉大輔, 増田修一朗, 吉岡秀隆, 宮下裕治, 笠兼三, 近藤芳正, 藤竜也, 橋本一郎, ピエール瀧, モロ師岡, 山崎努, 江口洋介, 蟹江一平, 中村ゆり, 長嶋一茂, 小澤征悦, 夏川結衣, 渡辺謙, 嶋田久作 2003年5月9日の打ち上げから実に7年間、60億キロに及ぶ宇宙の旅を繰り広げ、地球への帰還を果たした小惑星探査機“はさ . . . 本文を読む

森博嗣「つぶやきのクリーム」

2012-02-02 | エッセイ
「何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである」「大部分の失敗は、やらなければならない失敗だった」「子供は自由だというが、大人ほどではない」。世界の見え方を変える。作家・森博嗣の“つぶよりのつぶやき 森さんらしいエッセー。 エッセーというより、タイトルどうり、まったくのつぶやきなのだ。 日々、思うこと。それを言葉に置き換えた。 . . . 本文を読む