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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

「永い夜」 作=ミシェル・レミュー 訳=森絵都

2007-04-30 | 絵本
シンプルな言葉と黒一色のイラストによる本。 眠れない夜にあれこれ、生と死、宇宙と地球、人間と動物、過去と未来、出会いや別れ、不思議で誰も正解を見つけることの出来ないような疑問をふつふつと胸に抱くことが、誰しもあるでしょう。 星の王子様を読む前に、もっと簡単に誰にでも読むことの出来る、最初に出会っていい哲学書かもしてない。 永遠の果てはどこ? 私達はどこからきたの? わたしはだれ? とき . . . 本文を読む

「おかえりなさい 待っていたよ」浅見帆帆子

2007-04-29 | 絵本
「おかえりなさい、待っていたよ。悩みがあったら何でも聞くよ」ある日突然、フー子ちゃんの家に現れた「ダイジョーブタ」によって、少しずつ変わっていくフー子ちゃんの日常。少し笑えて、少し切なくて、心が温かくなるお話。 仕事で疲れて、口も聞きたくないほどぐったりしてしまう毎日、家に帰ると、不思議な豚が出迎えてくれる。少しづつ、心がほっこりと、自分に自信を持ち、悩んでいた人間関係もうまくいくようになる。 . . . 本文を読む

「森の妖精ティタの旅」

2007-04-28 | 絵本
文・田中章義 絵・葉祥明 文は、散文詩的な流れで、絵は、葉祥明さんの爽やかな色遣いで、癒されます。 私達の大切な地球の環境の変化に言葉を投げかけ、自然や動物たち、四季の恵みに感謝する気持ちを呼び起こします。 . . . 本文を読む

角田光代「薄闇シルエット」

2007-04-28 | 小説
ハナは古着屋を友人チサトと経営している37歳。仕事は順調。自分の人生にそれなりに満足していた。ある日、恋人から「結婚してやる」と言われ、小さな違和感を感じる。ハナは恋愛と仕事について模索していくことになるのだが…。   結局、仕事もチサトの発案にのってただアドバイスして進んでいるような状態。 恋愛はしたいが結婚はしたくない。手放した代償は大きく、新しい彼女のいる元恋人に愚痴を聞いて . . . 本文を読む

「影との戦い」ゲド戦記1 ル・グウィン

2007-04-27 | 児童文学
昨年夏、宮崎吾郎監督で、映画化され、地方都市では上映されず、電車賃をかけ見に行きました。 評論では、宮崎駿の息子と言うこともあり、かなり酷評をされていましたが、小説を読まないとわからないところがたくさんありました。   「影との戦い」は、少年ダニーが、力を身につけ、自分の島を救い、ゲドの名付け親オジオンと出会い、ロークの学院で魔法の勉強をして、大きな過ちから、影を呼び起こし、その影 . . . 本文を読む

プチ贅沢な旅北海道

2007-04-26 | 実用書
ゴールデンウィークも目前にして、もう、何冊もあるのに、新しい情報ないかなあと手に取るのが、旅行ガイド。 地域別の地図と食べ物が美味しそうに紹介されているのがポイントかな。 観光地については、主要な所を簡単に紹介しています。 眺めていてよだれが出そうな一冊です。 ところで、この休みに出掛ける予定はあったかな? . . . 本文を読む

長嶋有「パラレル」

2007-04-25 | 小説
これも、初めて読む作家の作品。 30才男女、「ラブとジョブ」の言葉が目につくが、どちらにも熱意は感じられなく、難しいテーマに悩み、うろうろしているのが人間なんだろうかね。 30才と言えば私のイメージでは、仕事も家庭も、子育ても全力疾走して、過ぎ去ったというか…。10年違うとこんなにも違う物なのか、この本に共感する30才中年に、(若者ではないでしょ)将来の不安を覚える。 結婚て…離婚…不倫…堕 . . . 本文を読む

池永陽「水のなかの蛍」

2007-04-24 | 小説
久しぶりに読んだことのない作家の作品。ああ、これは、がっかりでした。 50代後半の作者が書く小説にしてはどうなのか、文章表現と言いあまりにも…。 登場人物も生きることに疲れた人ばかりで、やるきない。しかも、題材は、堕胎した若者二人が、自殺を計画する事が骨組になるわりに、むだな、性行為が多すぎる。 意味ないでしょそれでは… 唯一、亀さんと津村さんは、好感の持てる人物でしたが、寂寥感というか、 . . . 本文を読む

恩田陸「チョコレートコスモス」

2007-04-23 | 小説
演劇ロマン小説。宝塚出身の母と歌舞伎役者の父を持つ響子と一見平凡な何処にでも居るような大学1年の飛鳥。二人の主人公の演技。 「ガラスの仮面」を思い起こされるが、飛鳥の空をつかむようなとらえどころのない性格は、マヤとは別人。情熱とかけ離れたところで、自分に備わる天性にも興味を持たず、役者になると言う目的もないまま、ただひたすら、「舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。何処まで行け . . . 本文を読む

上橋菜穂子「精霊の守り人」

2007-04-21 | 児童文学
NHKbsでアニメ化された、ファンタジー。文庫本も出ています。物語の最初から、ああこれは映像化しやすい展開だなあ。と 皇子チャグムを守るバルサが30才の女性で中年っていうのはちょっと今の時代では失礼すぎる書き方だが、強くかっこいいバルサと2,3才年下のダンダの関係もいい感じ。 チャグムがバルサと旅をし、自分を守るための武術を身につけ成長していくところは、児童文学の王道でしょう。 70才老女の . . . 本文を読む

高田宏「木のことば 森の言葉」

2007-04-20 | 新書・社会
八ヶ岳のふもと、標高1750メートルの森の中にある山荘で、大きなクリの一枚板でつくった机で書かれた、森へのメッセージ。 森の中の無数の幼木も、鹿に食べられ、動物に踏まれ、日照りで枯れ、泥流で流され、大きな木のかげて成長できなかったり。巨木に成長するのは、生存運の静かなドラマ。 森の中で立ち止まり、木にもたれ、目を閉じ、森のドラマに耳を傾ける著者。 水のおと、虫たち、鳥、動物たちの声、木のさざ . . . 本文を読む

「いつか、僕らの途中で」柴崎友香、田雜芳一

2007-04-19 | 詩、短歌、俳句
書いた手紙がまだ届いていない、空白の、でも幸せな時間に、相手が普通に暮らしている―京都と山梨、遠く離れて暮らすふたりの「往復書簡」ストーリー。 手紙、最近書いたことありますか?携帯電話が登場して以来、メールでいつでも、都合の良いときに連絡つくようになって、忘れ去られた手紙。文面の暖かさと、離れていても信頼しあっている恋人同士のやさしい会話。四季折々の文面、思いやり…。手紙って、メールにはかなわ . . . 本文を読む

佐藤愛子「不敵雑記 たしなみなし」

2007-04-18 | エッセイ
佐藤愛子さんの知恵とユーモアに満ちたエッセイ。 大正生まれの作者の飾り気のない、実に的確でストレートな文章は、読みやすいし、 若者を嘆くが、私にしても佐藤さんに取っては若者の部類に入ってしまう。すんなりと読めるのは、日本の今を鋭くとらえ、厳しい中にも優しい人柄が伺えるから。 笑わせるのが好きだった遠藤周作氏のエピソードなど、二人のやり取りが痛快です。 孫とのやり取りもほほえましい。こんなお . . . 本文を読む

木酢液で自然派ガーデニング

2007-04-17 | 実用書
園芸をはじめて、水やり、養分、土作りは、ある程度なんとかやってみる物だが、害虫対策と病気に悩まされる。 アブラムシ、ナメクジ、幼虫やうどん粉病。農薬は色々売っているが、においも気になるし、化学薬品を使うことに抵抗があり、極力少なくすると、大被害になる。 気になっていたのが、木酢液。使うポイントは、薄め方にあるらしい。 農薬は半分ですむと書かれているので、まったく使わないわけではない。 無農 . . . 本文を読む

宮部みゆき「名もなき毒」

2007-04-16 | 小説
読んで数ページで死人が出た。サスペンス物。書き出しから、読みやすく、ごてごてした装飾のない宮部作品は、やっぱり読みやすいな。 青酸カリに、まつわる殺人を追いながらも、シックハウスや、土壌汚染、そして最も恐るべき人の心に潜む毒を描いていく。 毒にをテーマにしながらも、そのことに対する、人間の姿勢、心情、周りの人間関係をしっかりととらえて、主人公の人の良さも影響してか、全体的に安心して読み進めるこ . . . 本文を読む