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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

道尾秀介「カササギたちの四季」

2012-03-29 | 小説
リサイクルショップ・カササギは、店員二人の小さな店だ。店長の華沙々木は謎めいた事件に商売そっちのけで首をつっこむし、副店長の日暮はガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、この店には、少しの秘密があるのだ――。あなたが素直に笑えるよう、真実をつくりかえてみせよう。   開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は . . . 本文を読む

和田竜「のぼうの城」

2012-03-23 | 小説
戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人 . . . 本文を読む

井沢満「ゆきのおと~花嫁の父」

2012-03-20 | 小説
主人公・里志は聾唖の障害を持つ娘・美音と父親の3人暮らし。美音は、地元の若者との結婚を控えていた。里志自身も雪子という女性に片思い中。ある日、その婚約が破綻。美音は傷心旅行で訪れた東京・浅草で老舗の船宿の跡継ぎとして船頭をしている青年・丸と出会う。丸は耳の聞こえない美音のために手話を覚える。次第に惹かれあうふたり。   あなたには命を懸けて守りたい人がいますか?中越地震の中、確か . . . 本文を読む

瀬尾まいこ「おしまいのデート」

2012-03-17 | 小説
いろんな形の「デート」、あります。 待ち合わせが生み出すワクワクする気持ち、楽しいひととき、別れる時のちょっとした切なさ。 祖父と孫、元不良と老教師、特に仲良くもない同じクラスの男子同士、協力して一緒に公園で犬を飼うOLと男子学生。何気ないのに温かい人と人のつながりを軽やかに描く、5編収録の作品集。   いわゆる恋愛中の男女のデートではなく。 人と人二人で会って過ごす時間。時間 . . . 本文を読む

三浦しをん「木暮荘物語」

2012-03-15 | 小説
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮 . . . 本文を読む

角田光代「今日もごちそうさまでした」

2012-03-09 | エッセイ
朝7時、昼12時、夜7時。失恋しても病気になってもごはんの時間にきっちりごはんを食べてきた。しあわせで、たのしくて、おいしい食べものエッセイ 食のエッセイって、人とのつながりまで感じさせます。料理上手な作家さんには、向田邦子さんのエッセイや美食家?の内田百、夏目漱石、檀一雄、池波正太郎などなど、思いうかべるが…。 同世代で同性の角田さんに関しては、もう私の口から言葉が出ているよ . . . 本文を読む

瀬尾まいこ「強運の持ち主」

2012-03-05 | 小説
元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年…。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊   瀬尾さんが公立中学校の正規教員になってから著書読んでいません。久々に過 . . . 本文を読む