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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

carver's dozen 12

2008-01-18 | 小説

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選
村上春樹が心をこめて贈る、12の「パーソナル・ベスト」。レイモンド・カーヴァーの全作品の中から、偏愛する短篇、詩、エッセイを新たに訳し直した「村上版ベスト・セレクション」に、各作品解説、カーヴァー研究家による序文・年譜を付す。

レイモンドカーヴァーの作品は「愛について語るとき我々の語ること」を最初に読んで失敗した。何だろうって。

この本は、よかった。細部にわたって、確実に起こった事柄、人物像、表情、会話を書き加える…。全くの感情を書かずに。

でも、その人間の取った行動から、読み手は、その感情を味わうことができる。作者の意図的な装飾を含まず、純粋に人を感じることができます。

 

「大聖堂」~cathedral

妻が盲人を家に招くが、二人きりの時間で、みたこともない大聖堂をどう表現したらいいの??全く未知の世界、二人でペンを取り紙に描く様子を想像しながら…。その空気までも感じられる文筆に感嘆。

 

「ささやかだけど、役にたつこと」~a small, good thing

これは、誰しも幸せな生活に突然、出現した不幸。私達の日常生活にないとも限らない事件。その時、二人は?そしてたった一人で長年、パン職人として、孤独の引き替えに沢山の人を幸せにする仕事にたずさわった男の過ちと、優しさ…。これ、じーんとくる。

 

「足元に流れる深い川」~so much water so close to home

こんな事件に巻き込まれたら、何も悪いことはしてない夫に、もやもやっとした疑惑と一人の少女が亡くなったという事実が身近に起こったことに関して、困惑、とまどい、不安そんな妻の感情が見て取れる。どうしたらよいのか自分の感情をどうコントロールしていいのか…。ひたすら、彼女を通した行動で表現される。

 

父の肖像~my father's life

ここでは、父親を冷静に見つめ、自分の感情は抑えつつ、一人の人間として、父を見つめ、自分ともかさね回想している。

 

LATE FRAGMENT

And did you get what

you wanted from this life , even so?

I did.

And what did you want?

To call myself beloved , to feel mtself beloved on the earth.

おしまいの断片

たとえそれでも、君はやっぱり思うのかな、

この人生における望みは果たしたと?

果たしたとも。

それで、君はいったい何を望んだのだろう?

それは、自らを愛されるものと呼ぶこと、

自らをこの世界にあって愛されるものと感じること。

 

この本を読んで、洋書はやっぱり原文で読むともっといろいろ感じることができるんだろうなあ~と思いました。

ダンスしないか? Shall we dance?というのと Why don't you dance? じゃかなりニュアンス違うでしょ。

でも、英語は全然読めない、書けない、聞こえない、話せないじゃあ、翻訳本を読むしかないんだよねえ~。

 

 

 



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