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原田マハ「生きるぼくら」

2013-02-09 | 小説
こんなうまい米、はじめてだ! 驚いた引きこもりは、病気のばあちゃんのため米づくりへ一直線。それは自分を取り戻す旅だった。
 
いじめを受け、ひきこもりだった麻生人生。蓼科でひとりぐらしを続ける人生の祖母、中村真麻。対人恐怖症の中村つぼみ。田んぼから三人は前をむいて歩み始めた―。収穫のとき、それぞれの心に温もりが実る。山本周五郎賞作家が描く感動の成長小説
 
現代社会のゆがみの中で、生きている。引きこもり青年。両親をいっぺんに失った対人恐怖症の女の子。長年ひとり暮らしをしていた祖母の認知症。
そして、村から都会の大学へ、就活で打ちのめされる青年のプライドと親心。
祖母を見守る村人の相互扶助の精神。
 
雄大な八ヶ岳の麓の辺境の地。農村を舞台に周囲の人々の温かな交流が、一人ひとりが、出来ることを出来る範囲で行動する。認知症のばあちゃんにも出来ることがある。汗を流して働く、爽快さ。
 
人として、社会との結びつきを地域!という視点から考える。
個人が尊重されすぎて…。結びつきが薄く感じられる都会の社会に対して…。
なんだか、地方が元気に感じられる。
 
お金は無くても…。小さな輪から。結びついて助け合って。「お互い様」ってことばを思いうかべる。
手間をかけた美味しいご飯。
 
あ~日本人でよかったなあって。ご飯を食べながら感じる。
だけど、一度も米作りを経験したことは無いんですけどね。
春は田植えの若緑。
夏の生い茂る濃い緑
秋の黄金の稲。
そして、たった一日だけ咲くという。稲の花。
遠くに連なる八ヶ岳の雄々しさ。
 
そして、東山魁夷の湖。
 
目に浮かぶ自然と人との関わり。
不便は苦手だけど、でも、その不自由さから生み出される手間暇。工夫して生きていくことが、案外私は好きだな。と感じる。
 
なんだがほっこり。元気をもらえるお話です。


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