徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 4日目 色調の変換・布へのプリント・デジタルネガプリント... etc.

2018年09月04日 | 古典印画技法講座


講座4日目、最終日のレポートです。

この日は4時間の実習の中で
たくさんの事柄に取り組みました。

まずは布を支持体とする展開について。



染織を専攻していた大学生の時
私は「光の染色」として
サイアノ(シアノ)タイプに出会いました。
当時、サイアノ技法で
140cm幅の布を染める制作をされていた
先生のお手伝いをしていた事から
様々なサイアノ展開を経験しました。
なので
サイアノについては
私の経験値はかなり高いはず。たぶん。
(笑)

参考までに
https://blog.goo.ne.jp/tipa-y/e/2368f96a7355f88cc18f30efd3450af4



布にプリントされた画像が
水中でゆらゆら浮遊する様子は
写真が幽体離脱したよう・・・。



その後
色調の変換にも取り組みました。



上の画像、右端の青色がニュートラルな青です。
アンモニアとタンニン酸を用いて
赤茶、紫・青緑などの色調に変化させました。



色調の変換には
“ ちょっとしたコツ ” が必要。
実演を通して
そのコツをお伝えしました。



講座後半は
個々の作品制作に繋がる作業に励みました。

デジタル写真データからネガフィルムを作成し
紫外線プリンターで露光する手順で



キャンバスに画像を印画しようとする実験は
何故か思うように画像が定着しません。



キャンバスの種類やジェッソなど
下地材の組み合わせに相性があることが判明。



結果が出るもの、出ないもの、
様々な実験結果となりました。

講座終了後も
この実験を継続されるとのこと。
サイアノ技法がキャンバスに採り込まれた絵画を
拝見できること、楽しみにしています。



こちらは
サイアノ経験30年の私を驚かせた制作について。



露光機を使わず太陽光での制作です。
近寄って見ると・・・



このように譜面台を用いて
感光紙の角度を調整して露光。
その結果は・・・



幾何学模様が無限にできそうです。
この後、どのような展開となるのでしょうか。
可能性を秘めた実験に興味津々。



本技法は
夏場にワークショップが多く開催されるため
夏限定なのかと思われがちですが
時間をかければ冬の太陽光でも可能です。

秋以降の制作報告を期待して
全4回の講座を終えました。


記:徳永好恵

 

徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。 

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