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雨季の訪れを告げるもの

2012年11月16日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

こちらは暑い日が続いています。

ザンビアの人に「暑いよー」というと
「うん、暑いねー」と答えた後に「雨が降るよ」と続けます。


こんなにいい天気なのに、雨が降るの??と思うのですが
どうやら暑い日が数日続いた後、雨が降るというのが、彼らの経験知のようです。

私たちが活動している農村地域では、天水に頼った農業が続けられています。
安全な妊娠/出産支援事業で日々活躍しているボランティアさんたちも農家さんたちなので、
雨がいつ降るのか、というのは死活問題なのです。

乾季の間のあいさつは、「元気?」「家(=家族)はどう?※」で終わるのですが、
雨季が始まると「雨はどう?」というのが加わります。※住んでいる地域の名前が入ることもある。

先々週、初めてまとまった雨が降ったので、
「耕し始めてる??」と聞いたら「最初の雨は様子見だよ」と言うので、
「いつから(農作業が)忙しくなるの?」というと
「2~3回目の雨の様子を見て決めるよ。でも例年通りだと11月最終週からかな。」と。

ある人は、インスワという羽アリが雨季の到来を告げるサインだと言っていました。
確かに先日雨が降った後、室内の光に誘われて大量の羽アリが事務所に入って来たので、
その話をすると「それは別のインスワだよ。もっと大きいやつが発生すれば
それが農作業を始める合図なんだ。」と教えてくれました。
(げ、もっと大きいのがいるの?!と思ったのは内緒です
*インスワについては去年の記事も触れていますので、ご覧ください。
ただし虫の写真が苦手な方はご遠慮ください。


どの国や地域にも、こうやって長年培われてきた知恵があるんですよね。

ただ昨今は、地球規模での気候変動の影響か、
彼らの経験知では対応できない予測不可能な降り方をするときもあるようで
そういうときは「地球温暖化のせいだ」と彼らは言います。

それを聞くと、ああ、世界は空でつながってるんだ、と思う一方で、
彼らの長年の経験が通用しなくなるほど急激な変化を引き起こしているのは
他でもない便利な生活を享受してきた私たちなんだよな、とも思うのです。


▲毎日の水汲み

さて、雨季が本格化すると私たちの事業にも影響が出ます。
なぜでしょう?四択問題です。

1)道がぬかるんだり水たまりができるため、車が動かなくなることがある。
2)道がぬかるんだり、川があふれたりするため、事業対象地でもアクセスできない地域が生まれる。
3)人々が農作業で忙しくなり、ミーティングや研修に参加できなくなる。
4)人々が農作業で忙しくなり、ミーティングや研修に来た時点で疲れてしまっている。


はい、全部正解ですね
もちろんこういった事態を想定して、私たちも事業のスケジュールなどを考えています。

雨季は12月から3月までの約4カ月間。
この4カ月に家族の1年分の食料と生活費がかかっているのです。
今年の雨も、彼らに大地の恵みをもたらしてくれることを切に祈っています。

文責:瀬戸口(ザンビア事務所)


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