歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

東村山市・下宅部遺跡 縄文時代の漆液容器土器に木の葉の蓋

2013年05月30日 | Weblog

 写真は、ふるさと歴史館(東村山市諏訪町1-6-3)で展示中の、下宅部遺跡の縄文時代後期の水場遺構から発掘した大型加工木材(全長約6.6m、ケヤキ材の丸木舟の未完成製品)


 東京都東村山市教委が30日、同市多摩湖町の「下宅部(しもやけべ)遺跡」の出土品から、使用中の漆が乾いて固まらないように広葉樹の葉で蓋をした縄文時代後期(注1)土器が見つかったと発表した。 木の葉で蓋をした漆液容器の発見としては国内最古となる。
 (注1)産経新聞では縄文後期(約3200年前)とし、朝日新聞では縄文後期中頃(約4000~3600年前)としている。
 見つかった蓋付きの容器(直径約10cm、高さ3cmの浅いお碗形)は、最初に赤色塗用、後に黒漆塗り用の容器(パレット)として使用されていたことがわかった。
 これまで、縄文時代の野地遺跡(新潟県胎内市)で漆液容器の外側に葉の断片が付着している土器があり、蓋の可能性が指摘されていた。 今回の資料はそれよりもさらに古い。
  漆液容器は6月23日まで八国山たいけんの里(東村山市野口町3丁目48−1)で展示されている。
[参考:産経新聞、朝日新聞]

過去の関連ニュースおよび情報
2012.3.22 松江市・西川津遺跡 漆の原木と漆を貯蔵した土器片が出土 集落で栽培から製品作りまで一連作業
 これまでに縄文時代に漆の栽培・採取、製品作りまでの一連作業を実施していたのは下宅部遺跡(東村山市)で見つかっているが、弥生時代では見つかっていなかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本庄市・薬師堂東遺跡 全国初のガラス小玉鋳型完形品が出土 

2013年05月30日 | Weblog
 本庄市教委は28日、同市立本庄東中学校内の薬師堂東遺跡(同市日の出)で、7世紀前半の飛鳥時代とみられる装飾品のガラスの小玉を作る際に使われた「ガラス小玉鋳型」が出土したと発表した。
 出土した鋳型は破片を含めると110点になり、 1遺跡での出土点数はこれまで舟橋遺跡(大阪府柏原市)の23点が最多だったが、これを上回り、過去最多の出土数という。
 鋳型は上質の粘土を焼いたもので直径14cmの円形で、厚さ1cm。 表面に直径3~5mmの型孔161個が開いており、この型孔にガラス粉を入れて加熱し、ガラス小玉を作る。 型孔の中心には、ガラス小玉の紐通し孔を確保するための小さな芯立て孔が開いている。 
 同種の鋳型は九州、近畿、中部、関東地方などの4世紀から8世紀にかけての遺跡で発見されている。
 同遺跡の発掘調査は昨年7月2日から今年3月末まで実施し、古墳時代から奈良・平安時代の住居跡約300軒も見つかった。
 出土品の一部が、6月4日から本庄市立歴史民俗資料館(同市中央1丁目)で公開される。
[参考:埼玉新聞、朝日新聞]
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする